ラーメン倶楽部

名店ファイル

たかさご家

ぜんや(NEW!) 向日葵(NEW!)

ラーメンの聖地

「この辺で一番美味しいラーメン屋教えてください!」

能書き

 昨今の週刊誌等のグルメ特集の乱発には怒りさえ感じる。一度や二度ならともかく飽きもせず何度も特集をくり返し、ちっともうまくない店を穴場店とかぬかして取り上げる。さらに怒り心頭なのは、うまくないのにグルメ特集によって担ぎ上げられ、それを見た暇な奴等が行列を作ることだ。
 こういったマスコミの浅はかな報道から自己防衛し、確かな自己主張を持って主体的に旨いラーメンを探究できる貴いラーメンファンを育成するためにこのゼミは開設された。しかしこれはただの押し付けではない。タミオ校長の主体的でこだわりをもった姿勢を当ゼミのメンバーが感じ取り、自らのこだわりと主体的な態度を培っていただきたいのである。

第一回講座
名店ファイル1

○番ラーメン

残念ですが店長が変わり、味が落ちてしまったので、推薦を取り消します

場所

東京都練馬区(環七沿い)

インプレッション
 環七といえば500mおきにラーメン屋があるというラーメンの激戦区。ここで生き残っていくには確かな味が不可欠といえよう。「○番ラーメン」は11席のカウンターのみのこじんまりとした店。ここのおやじは立派な腹の持ち主だが、日本ハムの落合に似ている。しかし(?)巨人ファンでシーズン中は必ずテレビのチャンネルを巨人戦に合わせている。無口で無愛想に見えるが、結構人のいいおやじ。客層は近くの大学の学生が多いようだが、車で遠くからくる客もある。指揮者のK林K一郎が外車で乗りつけたのを見たことがある。

 麺は250gほどあろうかと思うほどかなり多いが、まっすぐの細麺で食べやすい。スープは豚骨やねぎなどの野菜やニンニクのほか、鳥のももをそのままぶち込んで、さらにはぶたの背油をふんだんに使っている。見た目も背油が浮いてギトギトに見えるが、ギトギトというよりはかなりコクがあるといえる。
 お薦めは「みそ一番」である。さっぱり目が好みの人にはスープ自体をじっくり味わえる塩もおすすめだ。「○番ラーメン」と「ラーメン」は麺の量は同じで、違いはトッピングの量にある。「○番」の方がコーンとメンマ、モヤシの量が微妙に多い。またチャーシューが「○番」のほうが2枚多い。そして「○番」には味付け卵が丸ごと一個載る。個人的にはラーメンに卵はマッチングとして好きではない。卵でお腹が一杯になってしまう傾向があり、また黄身がスープに溶け出すとあまり幸せな結果にならない。しかしここの味付け卵は別格であり、絶対外せない。
 また肩ロースを使用した大判で厚目のプリプリとしたチャーシューは、チャーシュー・フリークならずとも満足すること請合い。 オロチョンは本格的なしっかりとした辛さであり試してみる価値十分だが、ラーメン自体を味わうのならば、小辛に止めることをお薦めする。せっかくのラーメンを辛さによって味わえなくしてしまうのはタミオのラーメン美学には当てはまらない。同様にニンニクでスープの繊細な味を台無しにしてしまうのはラーメンファンとしてはあるまじき行為であり、もしどうしても入れたい場合は極力少量に止めたい。
この店での流儀
 ならぶ時は歩道の植え込みに沿って店に向かって右を先頭にして左方向に一列でならぶべし。注文を取る店員に尋ねられたら即座に注文すべし。飲食店なので待っている時や食べている時のたばこは控えるようにしたい。また待っている人がいる場合がほとんどなので、とっとと食べ終わるべし。
 以前ある情報誌でこの店が紹介された直後に異常な混雑をみせたことがあったが、その情報誌の記事を見てやってきたとみえる男が、何を思ったかラーメンと一緒にライスを頼んだのだ。ラーメン専門店でライスを頼むとは愚かなやつ。腹一杯食べたけりゃ大盛りにするなり替え玉するなりしろ!食に対してこんないいかげんな態度の輩はラーメンの名店に来るべからずである。
本日のゼミの教訓
ラーメン屋でライスを頼むな!

第二回講座
名店ファイル2
「君は油そばを食べたか!」
じんろく亭
*閉店しました*

第三回講座
名店ファイル3
「よこはま!」
たかさご家

場所

神奈川県横浜市南区高砂町

最寄り駅

市営地下鉄1号線吉野町駅

営業時間

11:00〜3:00(深夜)、木曜定休(本店、支店共通)

メニュー

ラーメン(小)600円・(中)700円・(大)800円
チャーシューメン(小)800円・(中)900円・(大)1000円
キャベツ100円・のり50円

インプレッション
 このラーメン屋との出会いを実現させてくれたのは、私のスキー友達であり、ラーメンやパソコンなどでも私と同じようにこだわりを持つ小林広文氏であった。私をラーメンの深みにはめたのは他ならぬ彼である。この事に関してはまたいずれ語ろう。彼とは冬以外はほとんど会わないという「冬期限定友人」だったのだが、この日は珍しくラーメン・ツアーでもしようということになった。
 横浜在住の彼が一押しというこの店は、何とも色気のない店構えだが、期待させるラーメン屋独特のオーラを感じたのは確かだ。カウンターのみの10席程度で、オープンキッチン(オープンキッチンは美味いラーメン屋の必須条件であろう)。中に入ると左手に券売機があり、まず食券を購入することになっている。食券を出すと麺の硬さ、味のこさや油の多さなどを店員に尋ねられる。あるラーメン屋の店長に言わせると、麺は硬め、油は多めが「通」の好みだとか。


 まっすぐの太麺がコクのある正油ベースの豚骨系スープによく合う。ところで私はラーメンにハマり始めた頃、スープはすべて飲み干すのが礼儀と考え、実践していた。しかし最近は健康を考え(スープは恐ろしいほどカロリーが高い!)、また最後の一滴まで飽きさせないスープに最近めぐり合えなかったこともあり(さらにまずいラーメン屋ほど無駄にスープの量が多い)、スープを残すことを躊躇しなかった。どんぶりの底を拝んだのは久しぶりだった。このスープはしつこくないが最後まで主張し続けるので、飲み干すまで飽きることはない。正直言って「おもわず」最後まで飲んでしまった!

この店の場所と支店
 首都高狩場線の阪東橋出口から近い。千蔵橋信号の角から少し入った所にある。他にも横浜近辺に支店が、曙町、石川町、日ノ出町にあるそうだ。

ラーメン・エチケット
 多くの店では、カウンターが一段低くなっており、どんぶりを片付けづらい場合がある。この店もその一つだ。帰るときにはどんぶりをカウンターの上段に戻して、片付けやすくするのが礼儀と考える。その時、「ごちそう様」の一言を添える。美味いラーメンを作り続けてもらうためにも「うまかったよ」という意思表示をしたいものだ。もちろんまずい店や、店員の態度が悪い店ではやる必要はない!

小林広文氏からの推薦の辞
 なぜか、横浜にはこういう系統のラーメン屋が多い。しかし、「とんこつ」自体は、見た目よりも「淡泊」で「平坦」な味なので、そこにいかに「コク」と「深み」を出すかが、この系統の店の評価の分かれ目である。
 この店をみつけたのは、今から2年前、以来「コク」と「深み」そして「醤油のみ」という潔さが気に入っている。この世界「醤油のみ」で勝負するには相当の自身がなければ出来ないし、現に苦境も伴うのは否定し難いという事実は通説とまでいえる。
 私のホームグラウンドの「がんこ亭」(横浜市磯子区氷取沢町)も好きだが、日曜休みの上、夜も早いため、最近は「たかさご家」の方へ行くことが多い。私の友人のラテンなテノールYも私が連れて行ったが、最近は私を「出し抜いて」いつの間に常連になっていて1週間も行かないと「禁断症状」が出る有様である。
 この店は支店もあるが、元町店(石川町)は本店よりも、醤油の味がやや濃いめの調整なので、その点留意すべきである。私流のこだわりを書かせて頂ければ、ラーメン店は同じ看板の店でも、職人技が強く反映されるので、本店と支店で微妙に味が異なる場合も多い。ゆえに支店で「うまい!」と思っても面倒でも必ず「本店」に足を運び、味の「検証」をすべきである。全ての「味」は「本店」に通ずる、というのが私の持論である。

第4回講座
名店ファイル4
「ひとのこころをあたたかくするラーメン」
ぜんや

場所

埼玉県新座市野火止4−9−8

最寄り駅

JR武蔵野線新座駅

営業時間

11:30〜15:00、火曜・水曜定休

メニュー

ぜんやラーメン600円
チャーシューメン800円
メンマラーメン750円
餃子350円

インプレッション
 うまいラーメン屋に巡り合った時の感動は格別なものがある。しかし長いこと、うまいラーメン屋を発見できないでいた。そこそこおいしいところはあっても、「絶対また来たい!」と思えるラーメン屋を見つけられなかったのである。久々にそんな感動を味合わせてくれたのは、今回紹介する「ぜんや」である。以前からテレビや雑誌の特集で店の存在は知っていたのだが、店の前を車で通るたびに、あまりの大行列にたじろいでしまい(また駐車場が空いてないことも多い)何度も入店を断念していたのだ。
 この日は、それまで遭遇していた行列よりは短かったので、「らっき〜・」と喜んで車を停めようとするが、出ようとする車がノロノロしている間に、みるみるうちに行列が伸びてしまってショック(涙)。店内は狭く客の回転は遅いが、なんとか30分ほどで入店できた。メニューは迷う余地のないくらい少ない。ここは中国産の天然塩を使った塩ラーメンの専門店なのだ。このこだわりのスープが絶品!フレンチレストランのコンソメスープを思わせるようなまろやかさがある一方で、かつコクがあり飽きが来ない。このスープに太めのちぢれ麺が良く合う。チャーシューも肉の旨味をよく引き出している。
 久々にうまいラーメン屋を見つけた感動が蘇ってきたばかりか、忙しさもあって少し凹み気味だった気分が、一気に活力を取り戻したのには、自分でも驚いてしまった。本当にうまいラーメンには、ひとのからだだけでなく、こころをあたためる力もあるのだということを、いまさらながら実感したのだった。

この店の場所と支店
 川越街道の野火止交差点を大泉方面に曲って100mくらい行くと右側にある。野火止小学校のすぐ隣り。駐車場は5台分の区画があるが、ここに5台停めるの?というほど狭い。また目の前を通る志木街道の交通量が多いため、車の出し入れはやりやすいとはいえない。

第5回講座
名店ファイル4
「クセになる魚だし系ラーメン」
向日葵

場所

東京都(すみません調べておきます)

最寄り駅

JR埼京線十条駅

営業時間

(すみません調べておきます)

メニュー

(すみません調べておきます)

インプレッション

十条のラーメンについては他のコーナーでも採り上げているが、このたび新規オープン店でなかなかの逸品ラーメンを出すところを見つけたので報告したい。とりあえず「淡麗」でなく「濃厚」をたのむべし!!「淡麗」を注文した人はなんてことない魚だし系ラーメンを食べたと思って下さい。「濃厚」タイプのスープは、魚だし系スープにありがちな「うどんのつゆみたい」とか「また食べたい!と思えるようなインパクトに欠ける」ということがない。推測するにトンコツ系のスープと合わせた、いわゆる「ダブルスープ」スタイルだと思われるが、これがだしの豊かな香りとクセになりそうなコクを両立させている。太めの麺がまたこのスープによく合う。さらにはチャーシューや煮タマゴの深い味わいも唸らずにはいられない。
いいですか!くどいようですが「濃厚」をたのみなさいよ!「淡麗」を注文した人は破門です。
そうそう昼限定の塩があるらしいのですが、まだ食していません。食べたら報告しますのでお楽しみに。

第6回講座
ラーメンの聖地シリーズ1

タミオをラーメンに目覚めさせた街:喜多方

喜多方、そしてラーメンとの出会い
 小林広文氏と私が「冬期限定友人」としてスキーに出かけるようになってから、まだ間もない頃だった。確か、その日は昼前から雨が降ってきて、朝から滑っていた猪苗代スキー場の雪質の悪さに嫌気がさし、午後から猫魔スキー場へ場所を移した。その帰り、それまでラーメンなど全く興味が無かった私を喜多方に誘ったのは、小林氏である。
 途中、ガソリンスタンドでおいしいラーメン屋を尋ねたら「どこでもおいしい」と言われて途方に暮れていたが、結局、車で走りまわってさがした。初めて行った喜多方ラーメンの店は、駅前の有名店「平和食堂」だった。店はわざとなのか古めかしい雰囲気で、雑然としていた。バラ肉を使ったチャーシューが旨かったのを覚えているが、その他の印象は薄い。
 ここで喜多方体験を終えていたら、私の今のラーメン人生も、このページも無かったといえよう。しかし、小林氏は「旨い店を調べてきたから」と、気の進まない私を再度ここへ強制連行したのだった。二度目に喜多方へ行ったのは、翌年、初滑りに天元台スキー場へ行った帰りだったと記憶している。「源来軒」はどちらかといえば、普通の中華料理屋という表現が当てはまる店で、出てきたラーメンも見た目はごく普通の中華ソバだった。だが、食べ始めてそのイメージが覆されたのだった。あっさりとしていてコクのあるスープ、柔らかいのに腰のある麺。これらの相反する要素が一体となっている見事さに、我々はしばし言葉を忘れた。
 この時から、二人のスキーツアーは磐梯方面のスキー場と喜多方ラーメンと温泉が定番のコースとなり、そして私のラーメン道が始まったのである。
まこと食堂
 
何度目に喜多方へ行った時だったか。ひたすら「源来軒」に通っていた我々も、新しい店を開拓することにした。まず「源来軒」に行っていたときから気になっていた「大三元」ヘと入った。ここは元祖自家製麺が売りらしい。残念ながらあまり覚えていないが、喜多方らしい旨いラーメンだった。ここもチャーシューが気に入った。
 この日は二人とも1軒では気が済まず、2軒を物色した。ここでも小林氏の事前調査が功を奏した。「まこと食堂」はテーブルが4つほどしかない、こじんまりとした店だった。この店のラーメンは喜多方ラーメンの正道を行くものといえるが、他店に比べてはっきりとした味の主張がある。スープも麺もチャーシューもこの店独自の個性が強く出ている。私は喜多方へ行く人にはこの店をまず薦めたい。

聖地へ行かずしてラーメンを語るなかれ
 それまでも「喜多方ラーメン」を謳ったチェーン店(B食堂)で食べたことはあった。確かに旨いが、喜多方で食べる本場のラーメンとは雲泥の差がある。ここで言いたいのは「ラーメンの聖地へ行かずしてラーメンを語るなかれ」ということである。この思いは、博多へ、札幌へ、佐野へ行く度に益々強くなっている。「東京の博多ラーメンはみんな偽物だ」という地元の人の嘆きは、博多に行けば納得いくのである。あなたのラーメン観を広げ、確かな舌を得るには、ぜひともラーメンの聖地(メッカ)への巡礼を果たして欲しい。今回は喜多方を取り上げたが、今後また聖地について説いていきたいと思う。
 さて喜多方には喜多方ラーメンの店が集まってつくられた「老麺会(らあめんかい)」があり、これに属するラーメン店は70件を越えている。老麺会でお好みの店を探してみてもいいかもしれない。(電話:0241-24-3131)また、喜多方市のホームページには喜多方ラーメン店の情報があるので参照されたい。

小林広文氏からのメッセージ

 東京で喜多方ラーメンブームがおきた頃、巷のメディアではよく喜多方ラーメンの店が紹介されていたので、「ほほう、これが喜多方ラーメンか。」という、ある程度のイメージは持っていた。しかし「本店検証主義」(前述)の私としては、「まずは行ってみなければ」という「知的好奇心」に駆られ、スキー仲間であった志民氏をスキーついでに「強制連行」したのであった(その経緯は氏のコメントで明らかである)。
 さて、2度目に「源来軒」に行ったときの印象は今も覚えている。出てきたラーメンは何の変哲もないいわゆる「中華そば」であったので拍子抜けしたが、それは単なる杞憂であった。それを食したときに、この何の変哲もない「中華そば」の見た目と「喜多方独特の味」とのギャップに私はそれまでの「喜多方ラーメン」に対して持っていたイメージが単なる「先入観」という色眼鏡でみていたのを恥じたのである。
 このような経緯で私は氏をラーメンの道にハメたのである。
 喜多方について付言すると、前述した「源来軒」も勿論旨いが、最近は、「まこと食堂」が腕を上げているので、個人的には楽しみである。

店名

営業時間

休業日

駐車場

平和食堂

7:00〜20:00

無休

有:店の目の前

源来軒

9:00〜20:30

火曜

有:数ヶ所(結構わかりにくい)

まこと食堂

7:30〜20:00(日曜は15:00)

第1・第3月曜

有:店の向かい

大三元(上高店)

11:00〜20:00

不定休

有:店の目の前

第7回講座
ラーメンの聖地シリーズ2

さっぽろラーメンは札幌ラーメンではなかった:札幌

さっぽろラーメンは札幌ラーメンではなかった
 さっぽろラーメンと言うと、どんなラーメンを想起するであろうか。赤い味噌のスープに、かんすいの入っていない縮れた麺。上には炒めた野菜がのっている。バターがのっていることもあろう。新横浜のラーメン博物館にある「純連」は、そんな我々が思い描く「さっぽろラーメン」のイメージの、最も洗練された形のように思える。しかしこのようなステレオタイプのイメージは、札幌で食べることのできる札幌ラーメンとは多少異なる。確かに「七五三」などは、スタンダードな「さっぽろラーメン」に近いが、「味の時計台本店」などは外見は似ていても、味はかなり違った印象である。何が違うのか?最も異なるのはスープであろう。味噌の味が決定的に違うように感じる。クリーミーでほんのりとした甘さのある味わいは、「ステレオタイプ的さっぽろラーメン」のそれとはかなり異なる。スープの色も味噌ラーメンの、あの赤色ではないのだ。東京でいえば、高田馬場の「えぞ菊」がかなり近いかもしれない。

札幌のお薦めラーメンはとんこつ?
 さらに驚くことは、札幌の人びとはいわゆる「さっぽろラーメン」を薦めないのだ。私の知り合いの元札幌人が薦めたのは、なんと味噌ラーメンの名店ではなかった。なんと豚骨ラーメンなのだ。「山岡家」は夜も遅くまで客がいっぱいであった。ここの味は、東京でいうところの「ホープ軒」系列の味である。豚の背油の浮いたとんこつのスープに、太めのまっすぐな麺。東京のものと違うのは、スープの上面に油(背油ではない)が浮いていて、その分スープがさめにくい。これは「味の時計台」や他の店でもあったことだ。北の国ならではの特徴なのだろうか。われわれにとっては火傷しそうに熱かったりする。しかし味は十分なコクと深みがあり、ラーメン好きなら納得いくこと間違いないであろう。スープは正油、味噌、塩の三種類から選べ、麺の固さや、あぶらの量はオーダーできる。

ラーメン横丁で食べるなという噂
 
札幌の人に聞くと、「ラーメン横丁では絶対に食べてはいけない」という。なぜだかわからないが、誰もがそう言うのである。よっぽどまずいのだろうが、恐いもの見たさで食べてみたい気もする。

「観光地」になったラーメン屋
そして味噌ラーメン発祥の地としてあまりにも有名な「味の三平」は、「ラーメン屋と言うより観光地である」との声もある。この店は文具関係のビルの一角に、いきなりラーメン屋があって確かに初めはちょっと戸惑う。ここも地元の人を見ていると味噌ラーメンでなくて正油ラーメンをたのんでいたりする。味噌ラーメンもいわゆる「さっぽろラーメン」とはどこか違う。やはり札幌ラーメン、イコール、さっぽろラーメンではないようだ。

店名

営業時間

休業日

場所

七五三

7:00〜20:00

日曜祭日

中央区南4条西5丁目東急インうら

味の時計台本店

10:30〜3:00

年中無休

中央区北2条西2丁目ホテルニューオータニ向かい

山岡家

11:00〜24:00

年中無休

中央区南2条西1丁目

味の三平

11:00〜20:00

月曜

中央区南1条西3丁目大丸藤井セントラル4F

純連(すみれ)

11:00〜19:00

日曜祭日

豊平区中の島2-4

サッポロラーメン屋ガイドには詳しいコメントがあるので参照されたい。

新コーナー

「この辺で一番美味しいラーメン屋教えてください!」

第1回「下北沢」

 電気の秋葉原、バイクの上野、スキーの神田、調理器具の合羽橋のように、東京には、ラーメン激戦区と呼ばれるゾーンが幾つかある。環七、荻窪、恵比寿・・。うまいラーメン屋から取るに足りないものまで集まってくるという不思議な現象がある。アキバにはアキバの歩き方があるように、ラーメン・ゾーンでうまいラーメン屋を見つけるには、それなりの経験とちょっとの努力、そしてマスコミに流されない確かな「舌」が不可欠となる。私は過去に「すみません、この辺で一番美味しいラーメン屋教えてください!」と、交番でお巡りさんに尋ねたことがある。ラーメンへの情熱ゆえであるが、だれしもが、このような恥知らずなことができるわけではないだろう。経験が余りなくて、努力が嫌いで、マスコミに流されやすい人のために、この長ったらしい名前のコーナーが、きっとお役に立つであろう。
 まず第1回目は、意外にラーメン屋が豊富な下北沢である。汚い学生が多くて嫌いな街であるが、そのせいか、下北沢には絶対に納得できないラーメン情報が氾濫していることに腹を立てている。若者の狂ったラーメン価値観を叩き直してやるから覚悟しなさい!というわけで、ここで校長自らの講義となったのである。

てめーら、舌がくさってんじゃね−か!

 グルメ雑誌などの情報にだまされないように、「食べてはいけないラーメン屋」について、忠告を与えておこう。まずは、「M亭」は多くの雑誌に紹介されているが、ちっともおいしくない。そのへんにある中華屋の中華そばと何も変わらない。キムチみたいなのがうまい理由らしいが、キムチとどこが違うのか食ってもわからないし、スープにまったく合わない。辛ければ、うまいラーメンだととんでもない勘違いをしている輩が多いが、それは、お前がラーメンが好きなのでなく、辛い食いもんが好きなだけだろー(辛さ性舌麻痺)。それから、うまいラーメン屋の見分け方で、「メニューがラーメンに限られていること(例外もある)」が挙げられると私は考えているが、この店は完全にその条件から外れている。ただの汚い中華屋である。読者採点形式の某グルメ雑誌のランキングで、この店が下北沢地区の上位に入っていたが、他の店のレベルが低いのか、この辺の客のレベルが低いのか?
 毒舌ついでに、下北沢から少し離れるが、環七の「NでんKでん」は、マスコミにだまされた馬鹿どもが集まる名所であり、環七の渋滞名所でもある。無責任なやつらが環七に車を止めて、死人まで出たことがあるという。博多の本場のラーメンを経験したものなら、この店が偽物だとわかるだろう。だいたい、海苔に店の名前を入れるという下品の極致!よくラーメン勘違い野郎の中に、替え玉ができることで、それがうまいラーメンだと思っているアホ(替え玉症候群)がおり、ほんと嘆かわしい(類似した症状に、トッピングにだまされるトッピング症候群がある)。こんな店に一時間以上もならぶなんて、時間の無駄だ。

下北沢では、まずこの店から

下北沢にある、行くべきラーメン屋の順位をつけてみよう。まずトップには「一龍」を挙げる。ここのまろやかなスープは、他では味わえない独特なものだ。太ると知りつつ全部飲んでしまう。チャーシューは物足りないが、他はバランスも素晴らしい。閉店が早いので注意!次に「麺僧」と「りきまる」である。「麺僧」は、麺を茹でるお湯を取り替えるのに時間がかかって「次のお湯沸かしとけ!」とキレそうになるが、スープは最後まで飽きのこないコクがあり、脂の量もオーダーできる(多めor少なめorなし)。チャーハンもうまい。「りきまる」は、店構えからして「こだわり」のラーメン屋だ。カウンターのみのこじまんりした店だが、ラーメンの完成度は非常に高い。スープの表面に浮いているスパイスとガーリックオイルが、独特な味わいを引き出している。肥後ラーメンと言うから細麺かと思いきや、中太の縮れ麺である。この相性が意外に良い。「一休」は自分はあまり好きではないが、さっぱりのスタンダードが好みの人は良いかもしれない。

一龍

世田谷区北沢2-30-11

11:30〜20:30・水曜休

中華そば550円
チャーシュー麺900円
にんにくそば650円

麺僧

世田谷区北沢2-5-10

11:15〜翌1:30・無休

しょうゆラーメン600
円、ラーメン・餃子・炒飯セット980円

りきまる

世田谷区北沢2-9-17

18:00〜翌1:30・日曜休

豚骨らあめん800円
チーズらあめん950円

一休

世田谷区北沢2-12-15

11:30〜14:30・18:00〜翌1:30・水曜休

ラーメン500円
一休ラーメン700円

第2回「十条」

 私が現在勤務する大学は十条駅から徒歩で数分のところにある。十条は意外に学生が多い街である。そのわりには、学生が食べたいと思えるような店が案外少ないように思う。学生が行列を作るような店は、ここ十条には一軒もないのである。確かに池袋が近く、わざわざ十条で食べる必要は無いといえば言えなくもない。しかしうまいラーメン屋の一軒も無いとは、なんとも淋しいことである。ということで、わたしはこの辺りでうまいラーメン屋はないものかと、いろいろと物色してみたのだが、ちゃんとあるではないか。しかし、我が教え子たちに告ぐ! 十条のラーメン屋で私を見かけても「せんせー」とデカい声で呼ぶべからず!

てんげん

北区上十条2-27-6
(十条駅西口より徒歩1分)

11:30〜14:30
16:30〜22:30・水曜休

しょうゆラーメン500円
豚骨ラーメン600円(限定メニュー)
他につけめんなどがお薦め。

マリオン

北区中十条3-18-1
(東十条駅北口より徒歩2分)

18:00〜翌1:00・日曜休
ただしスープが無くなり次第終了

ラーメン500円
もりそば500円
チャーシューにぎり300円

G1ラーメン

北区上十条2-13-9
(紳士服のコナカの地下)

11:00〜深夜1:00
15:00までランチタイム(ライスサービス)

G1東京ラーメン(しょうゆ)600円
G1こってりらーめん600円(お薦め)
G1げんこつらーめん600円
G1味噌ラーメン600円

横浜家系らーめん
藤原家
上十条3-9-7
十条駅より徒歩5分
営業時間:11:30〜15:00 18:00〜スープ終了まで
定休日:水曜日
らーめん…600円
ちゃーしゅーめん…850円
辛味らーめん…700円