雛がかえって親鳥がえさをやりだした頃、雛を狙って猫がやってきた。 巣箱はセキレイ用のため、上が平らで、気がついたら猫が木登りし、巣箱の上に乗って、 巣箱の入り口に手を入れている。 ただ、雛が隠れている中までは、手が届かない。鳥たちが大騒ぎしている。 私は急いで猫を追いはらった。そこで一案を思い付いて、猫が木登りできないように、木の幹分丸く真中をくりぬいたザルを、木の中間に取り付けた。 猫が登ろうとするとザルにぶつかり登れない。川を渡している水道管に必ず付いているネズミ除けを真似たものである。 猫が登れなくなったおかげで、猫が襲う心配がなくなり、シジュカラは無事育ち、まもなく巣立った。
セキレイの巣箱は危険なため、立派なシジュウカラの巣箱を購入したいと物色していた。 そのうち日本野鳥の会を知って、1997年4月終わりに、田園調布(当時)の 「日本野鳥の会」のバードショップに出かけて、シジュウカラの巣箱を手に入れた。 その年はもう子育ての時期が過ぎており、巣づくりはしなかったが、今年になってシジュウカラが巣作りを始めた。 我が家で2度目の巣作りだが感激した。シジュウカラは入り口が狭いのか、 入り口の穴をクチバシで大きくして出たり入ったりしている。 近くの猫が2匹も狙っていたが、丈夫な巣箱なので襲われる心配ない。
日曜日に巣箱をじっくり観察した。親鳥が二羽ひっきりなしに、虫のえさを運んでいた。 雛は親鳥が来るとピーチクと鳴き出す。スズメが一羽やってきて、雛が気になるようで、 巣箱に取り付いて中をのぞきこんでいた。子をなくしたスズメは心配してやってくるのだそうだ。雛は無事に育っている。 すぐ次の日曜日の朝になると、雛は巣立っていった。巣立つ姿は見れなかった。 しばらくの間3羽の雛が近くの電線に止まって、ピーチクやっていたが、それもやがていなくなった。
それから、シジュウカラの親鳥が巣箱を見に来ることがあったが、住み着かない。 そこで、秋になって、巣箱を開けてみた。すると、中はクモの巣だらけで、ダンゴ虫が中をぎゅうじっていた。 これでは巣箱にはならないので、急いできれいに洗って、また同じ位置に巣箱をかけた。巣箱内の水はけが悪かったようだ。 来年シジュウカラが再び巣作りをするのが楽しみだ。
(巣作り経過)
1997年4月終り 我が家のモミジの木に巣箱を取り付けた。取り付けた日が遅すぎたので、巣作りをしなかった。
1998年4月20日頃 我が家のモミジの木に取り付けた巣箱に、シジュウカラが巣作りをした。
1998年4月30日頃 シジュウカラが卵から雛にかえった。近くの猫が2匹も雛を狙って木のまわりをうろついていた。
1998年5月8日 シジュウカラの親2羽が2−3分に1回毎に、交互に虫のえさを雛に与えていた。スズメが巣箱に取り付き、
中を覗きこむ様子だった。
1998年5月12日 早朝、3羽巣立った。
(1998年12月19日記)