NECの新標準音源ともいえるPC-9801-118は魅力的なスペックに対して、 実際の運用には非常に問題の多いものでした。 発売当初の頃のNiftyserveのFNEC98DBやFNEC98Pで活発なやり取りが行われたにも関わらず、 当時は決定打がありませんでした。 その当時私は既になんら問題無く運用できていたのですが、 その理由が分からず中途半端な状態で解決策を提示してしまった事があります。 現在では118Bを活用するためのツール類が整ってきたので、 そのツールを使用した攻略方法を記します。
118Bは本体の仕様によって設定が異なります。 ここでは特に問題が生じやすいパソコン本体3(主にX MATEシリーズ)について取り上げます。 118Bの設定は非PnPモードである設定4とします。1.Sound & ID Controler Version 2.03(TAKE52氏作成)
2.PC-9801-118を初期化する INIT118.COM (えらー15氏作成)本来は内蔵音源と外付け音源を共存させることと、 各音源の電子ボリュームを操作するのが目的のツールです。 Sound IDを移動できるようにする際にSound IDが保護されなくなり、 下位4bitの書き換えが可能になります。 現在のVer2.03では118Bの存在をチェックし、 FM音源を使えるようにしてくれます。MIDI I/Fの方はVer2.04βでI/O portの読み替えができるようになったものの、 初期化ができないのでDOSから直接は使用できません。
実際に使用する場合にはX MATE+118Bでは
>SIC.EXE /WSSX /INT41 /DMA3 /OPNA & /CD:32 & /LINE:32のようにします。Sound & ID Controlerを入手するにはTAKE52氏のページへ。
3.PC-9801-118設定6で使う(みかりさんからの情報 1999/12/31追加)118Bを初期化するためのツールです。 118B上のYMF-297を認識し、 OPNAとして使用できます。 またMIDI I/Fを初期化し、 さらに割り込みを変更することもできます(118BのMIDI I/Fの割り込みを使用しないにしても動作可)。 ただし118BとMPU-98のI/O portは異なるので読み替える必要があり、 同じえらー15氏作成のERCACHEを使うなり、 類似のツールを使用する必要があります。
実際に使用する場合は
>INIT86 /2とすればMIDI I/FをINT2にするので、 後はI/O portを読み替えるツールを常駐し、 MPU-98互換として使用できそうです。 私の環境では既にSuper MPUが入っているのでI/O port読み替えツールは入れずに斎藤氏作成のMIMPI Ver4.25で118BのMIDI I/Fを指定した再生に成功しています。INIT118.COMはえらー15氏のページへ
どちらも非常に良くできたツールですが、 ハードウエアを直接いじるので添付ドキュメントをよく読んで使用しましょう。 また自己責任の上、 使用するようにしてください。
番外.YMF-297のOPL部は使えるか?ここまでは設定4で使う方法を示したのですが、 みかりさんより設定6で使う方法を提案されたので紹介します。
1と同じくSound & ID Controlerを使用しsic /wssx /base:0f50と設定すれば良いそうです。
YMF-297はSOUND BLASTERで使われているOPL3部分を内蔵しています。 DOS上で実際に使えるかどうか。 I/O portは480hを使用しており、 またその部分はマスクされていないので環境変数で、
>SET BLASTER=A0480 I12 D3 T3
と指定すれば使えそうなのですが、 残念ながら私はSOUND BLASTERに対応したソフトを持ってません(^^;
とりあえずたこそふとに118BのFM音源を認識させるtoolがありますので、 上記toolが見つからないとか探すのが面倒な場合は使って見てください。