40年前のソリッドモデル

TSMCで初めて作った作品を持ち寄る企画があり、私も昔の作品を捨てずに取っておいたはずと、物置を探してみました。イマイのトヨタ2000GTの箱に入った7機のソリッドモデルが出てきました。モデルの状態は完成までいった機体もあれば材料取りだけの機体など様々です。その内のどれかは見られる様にしようと再生を試みました。

私の第一作目のソリッドモデルは「疾風」でした。小刀と彫刻刀で苦労して作りましたが、表面を平滑にすることが出来ませんでした。この零戦は初めて翼を削るのに小型カンナ(9cmぐらい)を使った作品です。カンナを使うと主翼がいとも簡単に平滑に削れました。航空ファンの製作記事などを参考にして作り、初めてプラモの横に置いても見られる作品になりました。

縮尺は1/50で舵面は可動式、脚は引き込み可能です。この機体は主翼、尾翼、カウリングが外れた状態、可動部もすべてバラバラになっていましたので、接着後、パテ盛り、修正塗装をしました。塗装は当時と同じ筆塗りです。当時は、日の丸は烏口コンパスによる手書き、機体番号も手書きでした。

このP-51はパテ盛り後、塗装前の状態で出てきました。零戦の次に作った作品ですが、当時参照していた図面が間違っていて、ムスタングの大きな特徴である層流翼断面がただの紡錘形だったり、胴体下冷却器付近の断面形状が角ばっていないなど、後から気が付いてがっかりさせられました。オール可動で作っていましたが、エルロン、フラップを固定して翼断面形状を修正、胴体各部もパテ盛りで修正しましたが、パテのひび割れが収拾出来ず放り出してしまいました。

40年も経るとパテの収縮も収まりますね。今回、塗装は下塗りからやり直しました。マーク類はデカールを使わずマスキング塗装です。引き込み脚のため脚出しの状態では、主脚がやや長め、尾輪が沈み気味になっています。排気管と機銃穴は新造、キャノピー、プロペラは当時のものです。

このF-86Fもオール可動の1/50です。塗装やマークは当時のままです。銀塗装が変色してかなり黄ばんでしまいました。当時、銀色の吹き付け塗装は、フマキラーなどの殺虫剤の噴霧器を改造して使っていました。雑誌で知ったことですが、銀がムラなく塗れるので大変嬉しかったものです。

航空ショウ等でのイメージが鮮明で、私にとってF-86Fは米軍マークよりも日の丸の方がしっくりします。

脚が紛失のため地上では台に乗せて展示。キャノピーは変色して収縮し、取り付け部がひび割れてしまいました。ひび割れをパテで埋めて黄ばんだ色の銀をタッチアップ。パネルラインは銀塗装後、彫刻刀で切れ目を入れました。塗料の乾燥につれてラインの幅が広がっていくことを知らずに作業をしたため、リベットと筋彫りに時間が掛かり、最初に始めた左翼と、最後の右翼とではラインの幅が違ってしまいました。


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