知覧の疾風 |
先日、大阪にお住まいの新井敬之さん(ta152h1@osk4.3web.ne.jp)からメールをいただき、現存疾風の近況を伝える写真を送っていただきました。新井さんのような若い方たちが、旧軍機に対してどのように感じているのかとても興味のあるところです。では、新井さんのコメントを紹介します。
「実物の疾風を見た感想は、展示してある場所が屋内だったので零戦より迫力は感じれなかったのですが、(零戦は屋外展示で、かつ最初に見た戦闘機なので・・・)やはり時間をかけて見るう
ちにやはり2000馬力機にしてはかなりコンパクトで、なおかつ力強い戦闘機と思えました。
(それと同時に和歌山県白浜町に展示されている零戦がかわいそうと思えました)
この時、私は大阪から一睡もしないで25時間(休憩含めて30時間)かけて知覧町にきた甲斐
があったと思いました。 それにその機体が、かつて米軍のテストで689Km/hをたたき出した機体ということを知って、
それまでの旅の疲れも一気に吹き飛んだような感じがしました。(間違ってたらごめんなさい)
しかしあの時、この様なものに乗って戦った人たちが ”今の若い連中は口だけでぜんぜん駄目だ”
と言いたくなる気持ちも解るような気がしました。
最後に2次大戦の旧日本軍戦闘機の中で一番性能が良かったとされる機体(量産機)をまじかで
見れて本当に良かったと思います。(この時、帰り道のことをまったく忘れてました)
ちなみに走行距離は1070Km×2になってしまいました。(3日間で往復)
」
唯一の現存機疾風の現住所は鹿児島県の知覧町にある「特攻平和記念館」です。写真を見ると立派な建物に展示されていて、保存環境はとても良いようで安心しました。
入間で元気な飛行を見て以来、ときおり雑誌に登場する姿はどんどんやつれていき、遂には主桁を切断されて飛行不能になってしまいました。本当に残念なことです。さらにそのまま保管状態が悪ければ形を保つことさえ危うくなるところでした。
知覧の疾風は大切に保管されているようですが、もはや飛行機趣味の対象というより、特攻で亡くなった方を弔う御神体であるような扱いになっていると聞きます。飛行機ファンとしては残念ではありますが、この疾風が日本で永く生き残れるならば、やむをえないことかと思います。