RCジェット

零戦/Ju87 4月4日茨城県龍ヶ崎飛行場で行われたRCジェットスケールモデルショウを見てきました。龍ヶ崎飛行場は里帰りの零戦が飛んだときに訪れたことがあり、再び来てみて広々とした田園風景の中にある1本の滑走路を見るとあのときの興奮が蘇ります。

 ショウが始まる1時間前の8:00に入場しましたが、零戦のときと同じく滑走路側にはすでに場所取りをしている人がいました。駐機場にはビッグスケールのRC機がたくさん(100機以上?)並んでいて圧倒されます。プロペラ機も混じっていますが、6割ぐらいがジェットでしょうか(ダクッテッドファンを含む)。セミスケール機はほとんど無く皆正しい形をしていてうれしくなります。

 アクセスドアを外した状態の機体があり、初めて模型のターボジェットを見ることができました。ずんぐりとしたエンジンの形は実際のエンジンの形と大きく異なり機体の外観に対して違和感がありちょっと残念です。しかしよく出来たプラモのジェットエンジンをジェットエンジンみるのとは違った、実際に機能する機械が持っている美しさや迫力を感じさせてくれます。同じ機種のクローンが多く尋ねてみたところほとんどがFRP製の組み立てキットだそうです。特大のプラモデルというわけです。そうと分かって観察するとキットに優劣があるようです。(あくまでも外観の話ですが)ブルーインパルス塗装のF−86Fが3機ありましたが、パネルラインやリベットの雰囲気がリアルで印象に残りました。私のベストインプレッション賞をさし上げます。

 最初はプロペラ機の飛行でショウが始まりました。すばらしい零戦のモデルが離陸していきます。脚を格納して旋回、滑走路上空で横転と堂々とした飛行は実機と少しも遜色がありません。スツーカがサイレンを鳴らして急降下し爆弾を投下、地上で爆弾が炸裂といったアトラクションもやってくれました。零戦やスツーカが乱舞する様は日ごろフリーフライト機をやっている者にとっては垂涎ものですが、RCという趣味の醍醐味が機体をコントロールするというアクティブな点にあるのがよくわかります。

 いよいよジェットの飛行です。ターボジェットの始動はスキューバダイビングのエアボンベから圧縮空気をタービンに吹き付けて行います。数回空転の後、点火するとエンジンが始動します。その瞬間ノズルから2mほどの炎を噴出す場合があり、うかMIgの離陸つに後に立っているとあぶないあぶない!エンジンは実機のような実にいい音を発し、排気の臭いまで実機と同じです。ジェットの離陸は実にスリリングです。離陸速度が速く直進を保つのが難しいようです。無事離陸してすばらしいエンジン音を残しながら見る見るうちに小さくなっていきます。有視界でコントロールしているわけですから、大変な集中力が必要でしょう。ジェットの飛行で驚かされるのはやはりスピードです。基地祭でのデモ飛行のビデオを4倍速ぐらいで再生した感じです。あのように高速で自由に移動する物体は他に思い出せません。

 ここでハプニングの発生です。ジェットのモデルが飛行中、実機の軽飛行機が3機滑走路に乱入して来ました。ジェットが避けたところへ1機が着陸し後続も旋回し着陸態勢に入っています。参加者のパイロットが大声で「燃料がもたないよ!何とかしてくれよ!」と大会役員に悲痛な抗議を訴えました。役員が直ちに軽飛行機に無線連絡を取り、後続の軽飛行機は着陸を中止し待機に入りました。無事RCジェットは着陸出来たのですが、小さいながらもジェット戦闘機が民間機を退けて着陸するのはどこかの空港で見たことのある光景です。

 ブルーインパルスのF−86Fがスモークを吐きながら離陸して行きます。フォーメーションを組んでの飛行は無理F−86Fスモークとしてもソロの演技は実機が出来ることはすべて再現出来ることでしょう。見ていて危なげのない安定したすばらしい演技です。操作している人達は国際競技の上位クラスの人だそうです。機体のお値段が200万以上とのことで、まさにRCの頂点と言えるでしょう。機体の大きさが2〜3mもありますから組み立て作業はガレージほどのスペースが必要でしょう。運搬には最低ワゴン車が必要です。しかしそれよりも飛ばすためにはこの龍ヶ崎飛行場程度の空域の確保が必要ですからこれはもう個人の趣味(一人で楽しむ)の範囲を超えていて、今回のようなイベントで多くの人に楽しんでもらうものと捉えた方がよさそうです。

 RCジェットを十分に堪能させてもらいましたが、自分でRCジェットを飛ばす夢はやや遠ざかってしまいました。またフリーフライトに戻り、ジェットの夢を実現したいと思います。










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