5年ほど以前から温めてきたプラン!!この山々は”花”で埋め尽くされた山でした。 2010,08,21〜24
北アルプス最北端に位置する白馬岳・雪倉岳・朝日岳が今回のターゲット。酷暑の今年、盆休みの雑踏を避けて少し遅めの日程で出かけてきました。
今回は所属する”山の会わたぼうし”の個人山行プランとしてOさんご夫妻と3人で行ってきました。
結果、これほど花に溢れている山域はこれまでお目にかかったことがありません。この時期本来であれば既に秋の花々に占領されている頃なのに春のアジサイやアヤメから、この時期らしいトリカブトやアザミまで、多くの種類とその分布密度にはビックリ。特に雪倉岳周辺はマツムシソウとウサギギクの群落が圧巻で紫や黄、ピンクにあふれている。
<< 8/21 >> 曇り時々晴れ 東京〜長野〜栂池自然園〜白馬乗鞍岳〜白馬大池山荘
東京から長野新幹線・路線バス・ゴンドラと乗り継いで栂池自然園に着いたのは午前10時過ぎ。これも新幹線の威力なのでしょう。身支度とストレッチを済ませ、早速白馬乗鞍岳を目指して出発。これまで2回の白馬岳行きでは雪渓登りをしてきたので今回は違うルートを選択。
今回も不安に思っていた足だが何とか皆について行けるようだ。樹林帯の中だが登山道の整備も良い、天狗原という木道の設けられた湿原でお弁当ランチ。このあたりまで来ると山の雰囲気がどんどん強くなってくる。
そのうち赤い屋根の白馬大池山荘が大きな池の向こうに姿を現しました。先行する登山者から「小屋は見えてからが遠いのよね・・・・。」という声が聞こえるが、着々と歩いていくと「なんだ!そんなに遠くないじゃないか・・・。」
1時半には小屋に到着。少し早すぎる感じだが仕事あがりの疲れた身体にはちょうど良い。チェックインを済ませたら小屋前でビールを傾けながら久しぶりの北アルプスの空気を堪能します。
この日の夕食は小屋食がカレーライスと言うこともあって自炊。その後星空を求めて外に出てみましたが満月に近い月の明かりに邪魔されてほのかな星では見えにくくなっているものも多くちょっと残念。
<< 8/22 >> 快晴 午後ガス 白馬大池山荘〜小蓮華山〜三国境〜白馬岳〜白馬山荘
この日も白馬岳までの軽いルート設定。本来なら栂池自然園から白馬岳まで1日で登るのだが今回は夜行アクセスを避けたこともありゆったりとしたプランにしてある。朝の白馬大池はひんやりとした空気に満たされ、小蓮華山に続く稜線が小屋前のテントの向こうにくっきりとしている。
登るにつれてこんな山奥なのに「何でこんなに大きな池が出来たのだろう」と感心させられる。白馬大池が朝日に光り輝いている。
さて、ガイドブックなどには多くの雷鳥の姿が見られるという登山道を登り、高度を上げて行く。でも雷鳥はどこにも見えない。代わりにホシガラスがお世辞にも美しいとは言えない声をあげながら飛んでいる。
それでも朝の清々しい空気が北アルプス縦走本来の楽しさを十分感じさせてくれている。思わず「縦走って良いね!!」とつぶやいてしまう。しかも来る度曇天に悩まされてきた白馬岳も今回こそはとりりしい姿を見せてくれている。そして辺りの景色が何度見ても忘れることの出来ない感動を味あわせてくれる。
やがて東側がすっぱりと切れ落ちた白馬岳山頂が現れる。そして多くの登山者に混じって今回縦走の最高峰を踏みしめる。劔岳・杓子岳遠くは去年登った鹿島槍ヶ岳や五竜岳が見えています。「綺麗・・・」っと思わずつぶやいてしまう。
その後、10分ほどの下りで日本最大の山小屋白馬山荘に到着。小屋がいくつにも分かれて建っている。中にはスカイプラザというモンベルショップ兼レストランがある。ここでも小屋前のテラスから東側の眺めを前にビールで乾杯。
ちなみに部屋は2人が並んで寝られる蚕棚のようなスペース。この日も昼寝・夕食・就寝と日頃の寝不足をここぞとばかりに取り返す。
<< 8/23 >> 快晴 昼頃よりガス 白馬山荘〜白馬岳山頂〜三国境〜雪倉岳避難小屋〜雪倉岳〜水平道〜朝日小屋
この日が今回のメインルート。7時間に及ぶ長い行程になりそうなので4時には自炊室で朝食を済ませて出発。「未だ早いよ!」と言うO(a)さんに「山頂でご来光を見よう。」と白馬岳を目指します。山頂には当然多くの登山者が集まっている。それでもやはりご来光は胸をときめかせる。
その後三国境まで昨日のルートを戻り、そこからは雪倉岳に向かう登山道へと分岐する。ここからは昨日までとは違い他の登山者に会うこともほとんどない。(この日ルート上で会った登山者は5人程度)多くの人が白馬岳だけをピストンしているようだ。
そんな僕達をビックリさせたのは登山道を彩る多くの花達。特に鉢ヶ岳東面から雪倉岳・ツバメ岩に続く辺りではマツムシソウの群落が点在し、ウサギギクが明るく咲き、花の数の多さに圧倒されてしまう。
途中遙か遠くの尾根上に今日の泊まる朝日小屋の赤い屋根が可愛らしく見えている。その小ささがそこまでの道のりを暗示させている。雪倉岳避難小屋と山頂を過ぎ最低鞍部まで長い下りをこなし。水平道を辿るようになるといくつかの沢筋を越えて行きます。その頃にはだんだんとメンバーの口数が減り、足下が怪しくなって来る。途中軽食を口にする度に小休止。私は沢に出会うとその水を口にしている。
それでも1時過ぎには小屋に到着。ガスがかかり始めた小屋前の広場から今日辿ってきた尾根を眺め直し、昨日までとは全く違った山容を見せる白馬岳を肴に乾杯。ルート上で見た花達を話題にして感激に浸っています。
しばらくすると到着する登山者が増えてくる。中には蓮華温泉から白馬大池経由のルートを1日で上ってきたというすごいお婆ちゃんがいたりして脱帽。
そしてこの日最後にビックリしたのは朝日小屋の夕食のすばらしさ。質量共に今までの小屋の中でもピカイチ。ちょっと口うるさそうなお母さんも好感度満点。
<< 8/24 >> 快晴 朝日小屋〜朝日岳〜五輪尾根〜白高知沢〜蓮華温泉
ア〜ア、山や花に魅せられて巡ってきた今回の山行も早最終日。長いルートとはいえこれで山ともお別れ。この日も自炊(小屋弁当)朝食を済ませて5時には出発。昨日のスケジュールとほぼ同じなので慣れてきた。まず、小屋眼前の朝日岳に登る。薄闇の中ではあるが足下はしっかりしている。小一時間で山頂。山行最後の展望を目に焼き付ける。
五輪尾根へと続く下山道は昨日の登山道と同様、多くの花々に恵まれた花の山旅を与えてくれる。こちらの道は昨日の道より花の種類が豊富な気がする。しかし、この下山道にある茶色の岩はすごく滑る。疲れのたまった身体に力を入れて踏ん張ります。それでも何回か尻餅をついてしまう。
次第に木道が多くなってくるとそんな警戒感も薄れ先を急ぐ、やっと白高知沢。ひときわ大きな沢で仮設の橋が架かっているが、ちょうど涸沢からの帰り本谷橋にたどり着いたような気分、ここで最後のランチ。
重い腰を上げ蓮華温泉直前に待っているという登り返しに向かいます。この登りは決して厳しいものではありませんが長い縦走の最後にあるためひときわ苦しい思いをさせてくれます。
それでも午後1時前には蓮華温泉に到着。4日間の汗をゆっくり流そうと風呂を借りに行くと温泉スタッフが「13時35分が最終バスだよ。」と教えてくれる。「エッ、16時5分じゃないの?」と聞くと「それは昨日まで、今日からは運休。」と冷たい返事。慌てて風呂に行く。何とか最終バスに乗り込むと後は東京までの長い道のりを交通機関に委ねる。
今回の山行は”花”と”天気”に恵まれ、最高でした。また、仲間を連れて行ってみたいな!!
<< 情報 >>
1、今回利用した長野新幹線はgood!!特に白馬方面にはお勧め「早い!!」
2,この時期の小屋オリジナルTシャツなどはサイズが不揃いで売れ筋のサイズはありませんでした。(白馬山荘・朝日小屋共に)
3,今回のルートはすべて水の入手に事欠かないと言っても良いほど沢に近いところを歩きました。
4,雪倉避難小屋は内部も綺麗で十分使えそうです。しかし、ここだけは近くに水場はありません。
5,帰りの大糸線平岩駅は無人駅で切符もジュースも売っていません。JR東西各社のサービスが継続されていないのも困りもの。
三国境から雪倉岳を望む
白馬大池・山荘・小蓮華山方面
山荘を後に登り始める
三国境辺りから白馬岳山頂を臨む
白馬岳山頂からのご来光
雪倉岳山頂にて
朝日小屋前から白馬岳を遠望する
朝日岳山頂にて
下山道にある花達