秋田駒ヶ岳
今年の夏山は東北の名山を味わう旅となりました。早朝3連休を楽しもうというのか、ざわめく人々であふれる東京駅から新幹線に乗って盛岡へとまっしぐら。2010,7,17〜19

 今回の夏山は参加している山の会”わたぼうし”のO(a)さんが計画してくれた秋田駒ヶ岳と岩手山を巡るプラン。

 朝早い新幹線に乗ると盛岡に到着、レンタカーを借り、ランチをいただき、さらにシャトルバスに乗り継ぎ昼前には八合目の小屋に着いてしまう。

 しかし暑い!!ちょうどこの日気象庁から「東北地方は梅雨明けしたと思われる。」という発表があったのに・・・。この休憩所まえで既に標高が1300mもあるというのに、じりじりとした日差しが気温をどんどん押し上げているようだ。

 さて初日の秋田駒ヶ岳は八合目から登り始め、コースタイムが3時間ちょっとということもあってこのところ登山の足前が不安な私だったが、なんだか楽な気分で登り始める。


 登り始めるとかつての噴火口の跡なのか荒涼としたザレ場のような光景の一角を見ることが出来る。その後おだやかで整備の良い登山道を辿ってゆくと多くの高山植物が出迎えてくれ、さらに遠くには田沢湖がかすんで見えてきた。特に美しかったのは田沢湖をバックにしたニッコウキスゲの群落。

 やがて傾斜が緩くなり木道が現れてくるとたおやかな稜線に囲まれた阿弥陀池が見え、避難小屋を過ぎ、わずかな登りをこなすと秋田駒ヶ岳山頂だ。山頂からは明日登る予定の岩手山も頂は雲に隠れているがどっしりとした姿を見せてくれる。

 その後八合目小屋に戻り、レンタカーを駆って今夜の宿泊地八幡平へと移動、温泉と食事、ちょっぴりのお酒を楽しんだ後正体もなく夢の中に落ちてゆきました。

2日目。今日から岩手山に挑戦だ。

 岩手山でご来光を楽しむためには山頂付近の避難小屋に泊まらなくてはならない。しかも今回泊まった不動平避難小屋には水場が無い!その為今回のリーダーO(a)さんは当初から重い荷物を背負って標高差1200mを登れる訓練をして欲しいと尻を叩いていた。

 この日同時刻に目的地へ到着しようとゆっくりと歩くOldメンバーと重い共同装備を背負って颯爽と登るYoungメンバーで約1時間の時間差スタート。小生はOldメンバーのしんがりを勤めることになり、「良かった。」と内心ホッ。

 この日も薄曇りの天気ながら暑い。新道と呼ばれる登山道を選択した私達メンバーは風の通らない幅の狭い樹林帯の中で悪戦苦闘。この登山道には登った標高により目安とするためか”×合目”という道標が建てられいてなかなか成果の上がらない自分たちの心にグサリ。しかも五合目くらいになると自分の身体から絞り出る汗が臭い。

 六合目ではついにあれほど時間差をつけたYoung組にも追い抜かれ。やっとの思いで皆の待つ八合目避難小屋に到着、ここで水の補給をした後、不動平避難小屋までの残りを喘ぎながら登る。本日はここまで。

 今日はこの小屋で自炊。あれほど苦労して登ってきたKさんはこの日食当に任命されていたので疲れたそぶりも見せずに野菜サラダにうどん作りに大活躍。

 ちょっと一休みした後、皆で小屋裏の小ピーク方向に登ってみる。そこには秋田駒以上の花々が咲いており、さっきまでのつらい登りをすっかり忘れさせてくれる。

最終日、山頂でご来光を楽しもうと午前3時30分に出発。一歩小屋を出るとものすごい風だ。Kさんはなんとメガネを飛ばされてしまった。それでも山頂外輪山にでると小屋前以上の烈風が吹きすさんでいる。私以外のメンバーは外輪山の一角で風の様子を見るという。
私は単独で山頂・お鉢巡りを試みる。所々では立ち止まり対風姿勢を取らなくてはならない。一瞬昨年のトムラウシ事故を思い出した。しかし風は生ぬるい。

やっとの思いで山頂に立つと先行者が2人、カメラのシャッターを押してもらったのが右の写真。ピントのブレが風のものすごさを示している。

 何とか小屋まで戻り、おかゆの朝食をとった後早々に下山。だいぶ軽くなった荷物のおかげで楽々と下りてきた。

<< 情報 >>

1,秋田駒ヶ岳八合目には麓の”アルパこまくさ”から羽後交通が運行するシャトルバスを利用する。しかしこのバス、コースの問題もあるのだろうが運転が乱暴でとっても怖い。乗り物酔いする方は要注意!!

2,不動平避難小屋はとっても清潔。この日ほぼ満員の状態。トイレは小屋内にある。水場はないので八合目小屋からボッカする必要がある。

3,岩手山の登りは新道と旧道があるが、新道は樹林帯の中の道で直射日光を避けることが出来るが風を感じることが出来ない。旧道はその反対。