エキノプシス属

  エキノプシス属は短毛丸、花盛丸、等、栽培が楽で、成長も早く、比較的大型に育ち、しかも大きな花を咲かせるものが多いためサボテン愛好家以外にも栽培を楽しんでおられる方が大勢おられるようです。

 
 
短毛丸

短毛丸
学名:Echinopsis eyriesii
短毛丸
  エキノプシス属の代表種です。よく軒下や道ばたで栽培されていますが、その多くがこの短毛丸かその交配種だと思います。初めは球形で、後円筒形に育ちます。よく子吹きして群生株となります。寒さや暑さにも強く、水やりも好むため、日本の気候によくマッチしたサボテンです。成長も早いため、接ぎ木の台木としてもよく用いられます。このサボテンも雪や霜が直接当たらないようにさえしてやれば路地上でも大丈夫です。むしろその方が立派なものが出来上がります。
  このように栽培、繁殖も楽で、しかも大きく美しい花が咲き、しかも花付きが良い、と良いこと尽くめですので、所謂「花サボテン」の親株としてよく利用され、純粋な短毛丸が入手しにくくなってきました。この株は行き付けのサボテン屋さんでみつけたもので交配種ではないものと思われますが、床下に一見無造作に置かれていて正に「掘り出し物」といった感じでした。

短毛丸の白い花
夜咲きの白い大きな花です。
  さて、短毛丸の特徴としては、先ずは白い大きな花があります。花はラッパ状で花の大きさは直径10cmにも及びます。株の直径が5cmくらいになると蕾を付け始めます。ただ、花の大きさはやや小さめになるようです。実際我が家で咲いたものは直径8cm程度でした。恐らく株の大きさが一定の大きさに至るまでは花径もそれなりに小さくなるのものと思います。
  花は夜咲きで、私のものは約1日(約24時間)咲き続けました。夜咲きの花の特徴として、香りがあります。私も早速匂いを嗅いでみましたが、どちらかというと所謂「腐臭」に近いもので、お世辞にも「いい匂い」ではありませんでした。幸い、弱い匂いですので近所迷惑になるようなものではありませんでした。

  もう一つの特徴としては、子供の時期と大人になってからで株の形が変わる、ということです。正確に言えば、刺の感じが変わる、と言った方が良いでしょう。見てのとおり、また、名前に示されているとおり、短い刺が生えていて肌が露になっています。しかし、子供の時は、密集した刺で体全体が覆われる形となっています(写真下参照)。ですから、子供の時と成長してからでは全く感じが変わってしまいます。ただ、このからくりは、刺の大きさ、長さ、太さが成長していってもそれ程変化しない一方で、アレオーレは株の成長とともに大きくなっていくためです。つまり、相対的に刺が小さくなるため、次第に肌が露になってくる、ということです。
幼い頃の短毛丸。まだ刺が全体を覆っている。
幼い頃の短下丸
で、肌が露になってきたら蕾が付く、と考えて良いと思います。

  育て方としては、よく日光に当てることと、水やりを好みますので他のサボテンよりは多めに水やりをします。また、肥料も好みますので植え替えの際に牛糞や堆肥のような元肥を多めに施して下さい。追肥でもOKですが、通常の希釈率よりも更に5~10倍くらい薄いものを与えて下さい。寒さ、暑さに強いのでもよく日の当たる土地、空き地がありましたら路地植えにしてみることをお勧めします。
  なお、このサボテンは根詰まりすると成長を止め、根が伸びている間は成長を続けるようですので、鉢植えにされる場合も、やや大きめの鉢に植える方が早く大きくなると思います。基本的に地植を好むようですので、極端に言えば鉢は大きければ大きい方が良いとも言えそうです。


 
金盛丸

金盛丸
学名:Echinopsis calochlora
金盛丸
  これも旺盛な成長力があり、この1年で随分大きくなりましたし、沢山子吹きもしました。若草色の光沢のある肌が綺麗です。現在は、中央の玉の大きさは約7cm程度ですが、蕾を付けるのはもう少し大きくなってからかと思います。
  暫く名前が分かりませんでしたが、Yosimi さんからお便りを頂き、名前が分かりました(Yosimi さん、どうも有り難うございました)。

金盛丸の見事な花

  さて特徴ですが、このサボテンは水やりを好み、多少の寒さは平気です。雪や霜を直接当たらないようにさえすれば路地植えでも育てられると思います。最も育てやすい種類のひとつでは、と思います。大きな花を咲かせるはずですので楽しみにしております。

  といってるうちに順調に育ち、何とか花を咲かせるに至りましたので報告します。花は写真右に示すとおり、真っ白です。花びらだけでなく、雄しべ雌しべも真っ白です。夜、暗くなってから開花し始め、約2日間開花し続けます。このあたりも含め、一見した感じでは下の短毛丸によく似ています。花の大きさは短毛丸よりもやや小さめ直径8cm程度ですが、株が大きくなると更に大きくなるのかもしれません。
  と申しますのは、短毛丸の欄に示すように、株が小さいときはそれなりに小さい花を咲かせるようですので、同じ属であるこのサボテンもその傾向がある可能性が高いと思われるからです。
  …と思いつつ、その後のレポートです。こちらでもご報告致しましたが、やっぱり株の大きさに関係あるようです。プランタ植えして群生した金盛丸、写真左下にありますように真夜中に満開になりました。

真夜中に満開となった金盛丸の花
  写真のものは直径がおよそ12cmにもなりました。見てのとおり、花びらは完全に開ききっています。右上の写真は夜が明けてからのものですので、明け方になるに従って徐々に花びらが閉じられていくのでしょう。夜咲きのサボテンはその花を愛でることができるのはそれを栽培している人のみの特権、と言われますが、確かに一番の見頃が真夜中、ということであればそれも致し方ないことかもしれません...
  ただ、栽培しやすいサボテンですので、もし暖地であれば地植えで、寒冷地でも、最初から大きな植木鉢か幅の広めのプランタに植えて冬場のみ屋内に取り込む等すれば左のような見事な花を楽しめるのではと思います。



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