Live Depot
Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
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Vol.100 2003/04/010ON AIR (guest:根本要 from STARDUST REVUE)
「こんばんは、大江千里です。木曜日の夜八時は素晴らしいアーティストのパフォーマンスを生中継する大江千里のLive
Depot、みなさん、ようこそおいで下さいました。ありがとう!ラジオの前のみなさんも一週間のご無沙汰です。2001年の四月にスタートして三度目の春を迎えました。今日はついに100回目の放送です。(会場の拍手に)暖かい拍手をありがとうございます。それでは記念すべき今夜のゲストをお迎えしましょう。この人のようにパワフルに素敵に音楽を長く楽しく伝えたいと僕も切に思いますけど。ライブといえばこのかたでしょう。日本のポピュラーミュージック界を代表するエンターテナー、根本要
from STARDUST REVUE!」
(根本要登場)
根本「どうも〜」
千「会場、興奮のるつぼです」
根本「しかしすごい紹介の仕方だったね。日本を代表する…」
千「並べた、並べたって感じで(笑)。今日は片手をポケットに突っ込みながら…」
根本「ちょっと寒いって…」
千「シャツがピンクの…」
根本「歳考えろって感じあるんだけどね。まぁいいじゃないか。久しぶりにテレビ出るからさ、ものすごい気合い入っちゃってさ」
千「今日頭はスッといってくださいって台本に書いてますんで(笑)、みなさん、ひとつよろしくお願いします。STARDUST REVUE、81年にデビューして22年目ですね。年間70本を超えるライブをやって、いつも超満員と」
根本「んなわけないじゃんかよ(笑)。今日の番組はJAROに訴えられるよ。むちゃむちゃ誇大広告してるよ」
千「(笑)。先日40枚目、40枚目の!」
根本「いちいち驚くなよ、こうやって(笑)」
千「シングルをリリース!」
根本「(会場の拍手に)昔の人はいいこと言いましたよ。どんな大きな拍手より一枚のCD買わないと。やっぱり拍手してもらってもね」
千「拍手するよりも買えよと。今月の末にはニューアルバム『Heaven』も出るよと」
根本「さっきから書いてあること読んでるだけじゃないかよ」
千「いいじゃないですか(笑)。今怒濤のキャンペーン中ですよね」
根本「インストアライブとかもやってるんですけど、普段のツアーとかだと二日やって一日休むんですけど、インストアライブは五連ちゃんとか平気でやってますからね。ただのライブだと全然気にしないっていうね」
千「ライブには変わりないから、すごく近いところで、また違った…」
根本「この間インストアライブが二時間におよんで」
千「(笑)。それ、次の人に遠慮してくださいよ、いくら盛り上がってもね。今日はスタレビを代表して一人で特別に…」
根本「さびしい〜!」
千「いやいや、要さんを迎えるってことで豪華なセットを用意してますんで。みなさん!どうでしょう、これ。番組がスタートして以来のみなさんのサインを、ミュージシャンの汗と演奏の結晶ですよ」
根本「ただの木の板じゃねえかよ、もう。セットかよ、これ」
千「(笑)。でもこのセットをバックにですね、今日思いっきり楽しく二人でいきたいと思いますんで(笑)、よろしくお願いします」
根本「(このあと番組HPのURLを紹介する千里さんに)それ読んだっていいんだよ、別に。自慢げに言ってるけどさ。それは読んでもいいと思うんだ、俺は」
千「(笑)。さてCMに続いて根本さんのステージをお届けします」
(根本要ライブ)
『夢伝説』『今夜だけきっと』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏と要さんのギター)今日はあの曲をやるんですよね」
根本「緊張するな。ディレクターの人が前に出てくるたびに俺は間違ってないのか、どうしようか、ここにいていいのかどうか、すごいドキドキしてるんだけど、今んとこ間違ってないよな?」
千「(笑)。間違ってないですよ!100回記念てことで、これを成功させたいって思いがね、ありますんで」
根本「千里、お前は向こう側の体制の人間だね。お前は全然崩れないもん、一人で。卑怯者」
千「(笑)。じゃ、早速いきますね」
(セッション)
STARDUST REVUE『木蘭の涙』
千「今日二人でお送りした曲は『木蘭の涙』、これはリリースされたのは93年の、10年前ですよね」
根本「もうそんなに経つんだね。時代は昭和だったかな」
千「ちょっとずれてるような気がするんですけど(笑)。小田さんと一緒にやられてる…」
根本「そうなんですよ。小田さんがすごく『木蘭の涙』やろう、『木蘭の涙』やろうって言ってくれて一緒にやったんだけど、なんで小田さん、この曲選んだんです?っていったら、これしか知らないって」
千「そんな(笑)」
根本「すごい早い、即答だったね。ありがとうございましたって感じだったんだけど」
千「小田さん独特の歌を…」
根本「もうたまんないよね。じゃお前が歌ってる後ろでカウンターメロって、主旋に絡み付くようなメロを小田さんは当ててくるんですけど、どうだ、俺につられそうになるだろうって(笑)。もうくそ親父だね、ああなってくると、ホントに」
千「ひっかけじゃないですか(笑)」
根本「すごいホントにメロディをきれいに糸で紡いでいくように歌っていくんだよ。あれはかなわないね」
千「つい先日もサムエルの伊藤さんとこの曲をセッションされたという話を」
根本「みんな、なぜかこの曲しか知らないんだな」
千「(笑)。そんなことないんですけど。なんか一緒にやりたいっていう日本的な郷愁をこうグーッと…」
根本「そういってみんな言うんだよ。それしか知らないって。もっとうちはいっぱいあるんだぞ、『SAY YES』とか『YA YA YA』とか」
千「『SAY YES』を忘れてましたね(笑)。STARDUST REVUEといえばライブ」
根本「あ、早いね。それも即答だね。他にないのか、それ」
千「ライブでこれだけ、22年、すごいですよね」
根本「でも元々アマチュアの頃ってライブやりたくてバンド組むわけじゃんか。レコーディングしたくてバンドを組む人、そういないもんね。ライブやりたいから組んで、ずーっとやってるうちにデビューしてから1400ぐらいやってる。すごいだろう?やっとさだまさしの半分だよ(笑)。全然すごくないじゃん(笑)」
千「(笑)。かたやね、ライブをずっとやり続けてらっしゃるかたもいらっしゃいますからね」
根本「もうそれっきり本数競うのをやめました、俺たちは。何か一番になりたいなって思ったんだけど」
千「でも1500本てすごいですよ。この番組も今日で100回目ですけど」
根本「すごいね。この100って数字見て、一昨年の夏に嬬恋で100曲ライブってやったんだよ。それを思い出したよ。うちはこれがだんだん一曲ごとに減っていくんだ」
千「カウントダウンね」
根本「途中、俺たちがずるすると×ってなって。結局101曲やったんだけどね。楽しかったな、あれは。誰にも邪魔されずに101曲」
千「会場は途中でトイレに行ったりとか」
根本「それをして欲しかったんだけどね。みんな木陰に集まっちゃって。もう蟻塚みたいになっちゃって」
千「蟻塚(笑)」
根本「でもホント楽しかった。一生もんだね、あれ。もう俺、いつやめてもいいよ」
千「いやいや、そんなことを言われてもね(笑)。この番組の100回記念で」
根本「これが1400回となるまで」
千「なんでそんな半端なんですか(笑)。でもあれですよね、一番100曲といえば…、(笑)、なんでそんな残りの分数を出すんですか。一番きつかったのは何時間目ぐらいですか」
根本「きつい時間とかなかったの。お客さんはすごく暑くて申し訳ないなと思ったんだけど、僕らのほうは屋根あったりとかして全然苦にならなかったんだけど、最後の10曲さ、急に声が出なくなったんだよ。あれ?と思ったら最後にシングルをバンバンバンとやってたんだわ。自分がただ感極まってるだけだったという。調子悪いんじゃないんじゃん、これって。俺も90曲で限界かって思ったんだけど、ただ気持ちがグーッと前行っちゃって、一生懸命いらぬ力を入れたら声が出なくなったっていうね。でも100曲って意外と歌えるもんだよ」
千「そうすか」
根本「あんときは東急ハンズとかで詰め替え用の喉、100曲用の喉買ってきて、三つぐらい用意しといんたんだけど。聞けよ、千里、俺の話を」
千「一応ね、MCをやらなきゃいけないんでね(笑)。そろそろね、演奏の後半の準備なんかをやっていただきつつね」
根本「何も喋ってないような気がするんだけど(笑)」
千「いやいやいや、十分ですよ。さっき一曲目、二曲目の間にMC入れますかって話をしてたら、いや入れません、一分ぐらいかな?って言われたときはドキッとしましたけどね(笑)。一応生放送なんでね」
(根本要ライブ)
『My pride, your pride』『Rock & Roll Bible』『ブラックペッパーのたっぷりきいた私の作ったオニオンスライス』
(最後の曲を千里さんは『〜オニオンライス』と言い間違えまてお客さんにつっこまれてました(^_^;)
-CM-
千「要さん、お疲れさまでした」
根本「今マイク持たないで喋ってたよ(笑)。ポカリスエットに目がいっちゃってたね」
千「盛り上がりましたね。やっぱり、さすがですね」
根本「さすがって…ちょっと待っててね」
千「さすが。マイクを持ったまま飲み物のふたを開ける…」
根本「普段バンドでやってるじゃん、心細いんだよ。やっぱりバンドっていいな、こういうとき改めて思うよ。でも少し一人でいいなって気がする(笑)。すごいうけちゃったりするとな(笑)」
千「流れがとんとんとんっていってるときにピッと止めたりするあの気持ちの良さがね」
根本「一体で演奏するってのは俺たちにしか出せない音があるような気がするわけよ。うまい人たちはもっとたくさんいるんだけど、バンドってのは長いことやってるとその音が出てくるんだよね。ストーンズなんかもそうだし。ま、ストーンズと俺たちを一緒にするのなんだけど、ホントにあの音はあいつらしか出せないんだもん」
千「それはやっぱり羨ましいですよね。俺なんかソロやからね」
根本「でしょう(笑)?」
千「STARDUST REVUEっていう、男が主人公になってるラブソングだったりするんだけど、僕は聴いてると根本さんのようでスタレビっていう別の男がいて。ていう、なんかスタレビっていう映画を生きてるのかなって錯覚をするときがある」
根本「きっとSTARDUST REVUEっていう別人格があると思うんだよね。それを僕らがいつも遊んでる。だってその人格っていうのは当然20年生きてくればバンドだって二十歳になってくるわけだし、だんだん考え方も変わったくるし。そういうのを自分たちで楽しんでる。自分と全く同一のものがバンドの中にあるわけじゃないけど、それをメンバーが補ってくれたりとか新しい方向見せてくれたりするから、みんなそれぞれ飽きないでバンドを楽しめるんじゃないかなって気がする」
千「なるほどね。みなさん、やっぱりもうちょっと聴きたいでしょ?演奏。盛大なる拍手は…お〜きましたね。このあと会場とブロードバンドでアンコールライブ、Yeah!よろしくお願いします。で、STARDUST
REVUEは今月23日にニューアルバム『Heaven』が」
根本「これは何がすごいって、おまけ(笑)。中身の内容、全然言わないけどね。おまけすごいよ。DVD付いてんだもん、だって。こっちのほうが高いって噂があるぐらい」
千「(笑)。制作費かかってる?」
根本「それで何が入ってるかっていうとスタジオ風景、レコーディングの風景とかさ。その他にライブ映像が二曲、すごいよ、十何分に及ぶね。すごい大曲じゃん、十何分の二曲。ほとんどMCなんだけどね。一応MCも見てもらおうと思ってさ。もうMCはよくできてるよ、いや楽曲ができてないんじゃないよ」
千「それはサラウンドで聴いたほうがいいんですか」
根本「(笑)。MCはサラウンドになってないけど。でもこのMCはよくできてるな。自分で大笑いしちゃうときあるもん。こいつ、面白いんちゃうの、みたいな」
千「要さんはじゃあ自分のステージのテープとか聴くときに」
根本「ダメ、聴かない、俺。おっかなくて、もう。すごい恥ずかしいし絶対間違ってるじゃん」
千「うん、いやいや(笑)、うんってことはない(笑)」
根本「でも絶対間違うよ。完璧な演奏なんかない。だから俺は明日はもっといい歌歌えると思うんだよ。明後日はもっといい歌」
千「何かええ方向に話いきましたよね」
根本「いい感じでしょ(笑)?これがライブだよ」
千「『Heaven』っていうことでHeavenの話もちょっと聞きたいんですけど、これは楽園てこと?」
根本「人間が人間らしさを何で感じるんだろうと思ったら切なさだと思ったわけ。動物だって喜びは表現するじゃん、怒りだって表現するよね。切なーいって気持ちは人間にしかないような気がするんだよ。そういう心の中の切なさがギューッと集まって漂ってる世界をHeavenていうのかなと思ったの。それは楽しいもんじゃなくて、例えば死後の世界かもしれない、自分が残してきてしまった人たちに対する思いとか。その人たちが頑張ってるところを見て自分が喜んでる、ただその切ないって気持ちがずっと漂ってるような世界っていいなっていうか、実際にはどういうもんかわかんない。僕の心の中にあるものなのかもしれないし、今のこの世の中がHeavenなのかもしれない。死後の世界なのかもしれないけど、俺たちは何のために生きてんだろうとか、こういう時代だから考えちゃったね」
千「演奏してる人もユーザーの人たちも年齢を重ねてきてて、エルダーマーケットっていう、そこらへんのAORの好きな人たちも多いと思うんですけど、ラブソングが主流だったりするけど、きみと僕だけじゃなくて、いろんなラブソングがあっていいわけですからね」
根本「自分の時代背景とかね、背負ってるものはちゃんと語っていきたいなって気がした。今回はホントに詞にも力が入ったし、僕は28枚目にしてメッセージアルバムができたような気がする」
千「メッセージっていうのは大きく外に発信というか」
根本「自分自身をいろんな角度から伝えようと思って。自分から溢れ出るものを作ったんじゃなくて、わかって欲しいと思って、こんなにエネルギッシュに作ったの初めてだよ」
千「そのわかって欲しいっていう思いは詞を書くときはどういう変化になって出たんですか」
根本「書けないっていうね(笑)。もう悩んで悩んで悩んで。ヘド吐くみたいにこうやって。それが自分でメロディに乗っけたら、お、すごいぞと思った。ある意味自分から離れたっていうかね」
千「僕は聴かせてもらったんですけど、すごく何て言うのかな、繰り返し聴きたいですよね」
根本「一回じゃダメか、やっぱり」
千「(笑)。一回でもいいんだけど、あるときは個人的に聴くんだけど、あるときはすごくでかいテーマを歌ってる気がするわけ。だから、Heavenっていうとレッド・ツェッペリンとかボブ・ディランとか、そういうのを連想する」
根本「結構みんな切ない曲が多いんだよ、Heavenって付いてるのは」
千「切ない年齢になって切ない音楽が成熟して、それを楽しく堂々とやってるっていうね。その大手を振ってる感じが気持ち良かったです」
エンディングテーマは『音の旅人』
放送終了後のアンコールライブは『LISTEN TO THE MUSIC』『Oh! Darling』『追憶』『Let it be, SWEET』(千里さんとのセッション)