Live Depot
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TOKYO FM HALL
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Vol.110 2003/06/19 ON AIR (guest:森山直太朗)
「こんばんは、大江千里です。ようこそ。ラジオをお聴きのみなさんも一週間のご無沙汰でした。会場は超満員です。ヒタヒタヒタとエネルギーが寄せてくるのがわかりますけど」
(森山直太朗登場)
千「こんばんは。まずはラジオを聴いてるみなさんにご挨拶をお願いします」
森山「え〜夕暮れの代弁者(笑)、森山直太朗です。よろしくお願いします」
千「夕焼けの代弁者ということで。この懐かしいというか、クッと来る切なさを、その夕焼けの…」
森山「夕暮れです」
千「夕暮れ(笑)、すいません(笑)。今日は白の半袖のシャツを開けて下を、重ね着っていうんですかね」
森山「そうですね。いきなりのファッションチェックです、大江千里さんの」
千「全国をキャンペーンで回られたりするときも、こういう重ね着を?」
森山「今、本当に東京に帰って来れる日がないぐらいの旅が続いてますので、なるべく荷物にならないようにタンクトップ、タンクトップで五枚ぐらいをいろいろ組み合わせることで、という感じで」
千「森山さんはシングル『さくら』がロングヒット中です。昨日、二枚目のミニアルバム『いくつもの川を越えて生まれた子供たち』が出たばかりです」
森山「大江千里さん、言葉たち」
千「今、なんて言いました?僕」
森山「子供たち」
千「(笑)、失礼いたしました。みなさん、ちょっと頭の中をテープ巻き戻して頂いて、昨日、二枚目のミニアルバム『いくつもの川を越えて生まれた言葉たち』!出ました!」
森山「よく間違えられるんですよ」
千「いやいや、僕ちょっと緊張してますね、今日ね」
森山「そうですか、僕もです」
千「こういうホールで、こういう形で生で歌われるのって、あまりないですか」
森山「そうですね、なかなかこういうホールで歌わせていただくこと、あんまりないですね」
千「今日はどんな感じでしょうか。構成はピアノの…」
森山「ピアノとギターといういたってシンプルな形です」
千「じゃFMをお聴きのみなさんに一言、今日の、こんな感じの時間にしたいな、みたいな」
森山「郷愁感と季節感と、そして日本語の面白みっていうものが伝わればいいなと思ってます」
-CM-
(森山直太朗ライブ)
『風唄』『約束』
千「改めまして森山直太朗さんです。前半二曲歌って頂いたんですけど、まずは『さくら』の大ヒット、おめでとうございます」
森山「あ、ありがとうございます」
千「今年の三月、四月は桜前線北上ツアーということで、ほとんど毎日『さくら』を歌って」
森山「そうですね。延べ300回ぐらいは。だから、きっとこの春、さくら、さくらと連呼したベストスリーにはきっと入るんだろうなぁと自負してます。ベストスリーってところが謙虚ですよね」
千「自分で言うなよ(笑)。どうでした?各地の反応っていうのは。いろんなとこで歌ったんでしょ?」
森山「ちょっと自分の中であまり…。歌ってることに精一杯で」
千「(笑)、もう歌の世界で表現することに精一杯で?」
森山「もう正直言って僕がもうどこにいて誰がいて何をしてみたいな。何をするかは朧げにわかるんです、『さくら』を多分歌えばいいんだって(笑)。それ以外ホントに各地を転々としてまして」
千「荷物も大変でしょ?ギターしょって。さっき言ってたけど重ね着を組み合わせて」
森山「そうですね、手を替え品を替え。ちょっとしたお泊まりセットを」
千「お泊まりセット(笑)」
森山「諸々重なりますよね、あ、かさばりますよね。大江さんもきっと旅は、まさかこれを背負って、キーボードを背負って」
千「背負うときありますよ」
森山「え、ホントですか」
千「ホントですよ、キーボードをこう背負って、いや軽いやつですよ、こういうやつを背負って。こっち向きに別のバッグをかけて、ねんねこたすきがけみたいな感じで(笑)。こうやって移動するときありますよ」
森山「すごいですね、いや〜素晴らしい。素晴らしいって意味が分かんないですね(笑)」
千「そもそも音楽を始めたっていうのは大学時代なんですか」
森山「そうです、二十歳過ぎぐらいです」
千「それまでっていうのは音楽ってどういうふうに森山さんの中で聴いてたの?」
森山「ずっと家族が何かしら音楽を生業にしてたので反発してたみたいな。僕だけは真っ当に働くんだと」
千「真っ当にって(笑)」
森山「ママ、パパ」
千「あ、なんか傍でね、そういうのを見て」
森山「マミィ、ダディ」
千「(笑)、あのひとりで行かないでください(笑)。僕、一生懸命、一緒に二人三脚で歩いてますんで。自分の中で音楽の、音楽への…、僕も緊張したやないか(笑)」
森山「すいません(笑)、音楽、音楽って」
千「ラッパみたいに(笑)。音楽の存在が変わってきたっていう変遷はどこらへんなんですか」
森山「家族の影響を受けて、母だったり、姉だったり、祖父母だったり、みんなから影響を受けていたので、受信するほうはいっぱいしてたんですけど、なかなか発信したりするほうが照れくさくて、できなくて。ポロんとマイナーコードで♪人生ってなんでこんなにうまくいかないのか〜みたいな(笑)。フォーク色の強い曲を作り出したのが初めてですね」
千「最初は何分ぐらいの曲?」
森山「分数ですか?4分と42、3秒の曲」
千「僕、最初作ったのが力が入り過ぎて12分でしたからね。5番まであるんですよ」
森山「(笑)、長いですね。オーディション向きではないですね」
千「オーディション落ちましたね。曲をリハーサルでもずっと聴かせてもらって、一曲歌い終わると、これ、いい曲だなーと思って、次の曲聴くと次の曲で塗り変わっていくっていうか、どんどん目の前で歌ってる曲に自分が染まっていくっていうのは、これはなにか…。そうであるべきなんだろうけども、音楽って」
森山「ありがとうございます」
千「これ、もしかしたら忘れてた感覚だなって思いましたね、今日」
森山「あ、いや〜恐縮です」
千「なんか今、梨本さんみたいに(笑)」
-CM-
(森山直太朗ライブ)
『太陽』『夏の終わり』『さくら』
(最後の『さくら』は千里さんとのセッションということで千里さんがピアノ伴奏をしました)
-CM-
千「お疲れさまでした」
森山「お疲れさまでした。ありがとうございました、ありがとうございました」
千「どうでした?セッション」
森山「いや〜なんか緊張しました。ビックリしました。驚きました」
千「驚きました(笑)。またやりましょうね、セッションね」
森山「是非よろしくお願いします」
千「こちらこそ。森山直太朗さん、セカンドミニアルバムが昨日リリースされました。『夏の終わり』って聴くたびにグッと涙腺のあたりがきますね。これはシングルカットの予定はないんですか」
森山「今のところないんですけど」
千「今のところ(笑)、ないですか(笑)。わかりましたー」
森山「すいません(笑)」
(その後『夏の終わり』はシングルカットされて8月20日発売となりましたが、これはこのときから決まっていた?それとも千里さんが言ったから決まった?)
千「すごく懐かしい感じ。景色の中にちょっとセピアがかったような。さっき夕暮れって言葉も出てきたけど、そういうところからかなって思うんですけど。そのへんは自分的には意識をしながら曲書きをするんですか」
森山「そうですね。聴いていただく人との味覚とか臭覚とかね、五感をチクチク小さな針で刺激をできるような、そんな歌を歌っていけたらなぁと思ってます」
千「懐かしさって懐古じゃなくて今を生きてないと懐かしさっていうの切なく感じられないっていうのはあるんだよね。初のワンマンライブが決定しました、『キャラメル通りの配達夫』というタイトルで来週…」
森山「なんで今ちょっと半笑いだったんですか」
千「いや、そう?今、半笑いだった?」
森山「今ちょっとバカにされた予感が…」
千「何を言うんですか、いや、いいタイトルだなって思ったんです」
森山「あ、ありがとうございます、すいません。僕の勘違いだった」
千「(笑)、大きな勘違い。『キャラメル通りの配達夫』ってこれはどういう思いで?」
森山「(笑)、取り立てて意味はないんです。こんなに怒っといて」
千「(笑)、俺を翻弄するなよ。来週の6月27日草月ホール、こちらのほうはソールドアウトということで追加公演が決まってるんですよね。8月26日、東京アートスフィア。こっちのほうも聴くほうもフカッとしたところで、ちょうど届く距離で聴けるっていうね、非常に音に親切なホールですよね」
森山「今日のホールもそうなんですけど、こうやってゆったり聴いていただく、今日、お立ち見のお客さんもいらっしゃいますけど」
千「お立ち見(笑)」
森山「是非ゆったり聴いていただきたいんですよね、座ってゆっくり。そういうホールでできるように、これからも頑張って開拓していければなぁと思ってます」
千「これから10年後20年後、ま、ちょっと先の話をするとあれですけど、例えば10年後ぐらいにはどういう感じになってたいなって」
森山「そればっかりはね、わかりませんよ。ただ、舞台の上で何かをしていたいなぁっていうのはすごく。すごくスリリングなものなので、舞台の上でパフォーマンスをすることは。歌ももちろんですけど、舞台をやってみたいなって」
千「生身の歌声、気配ね、そして汗もね。冷や汗も含めてね。そういうの見てて、お客さんもキューってなりながら一緒に作っていく空気感っていうのはやっぱりいいよね」
森山「ラジオの前のみなさんもどうでしょう。ライブに来て欲しいですよね」
千「そうですよね(笑)。ときどきちょっと僕、ヒヤヒヤします(笑)、どうでしょうっていわれちゃったひには。また、番組にも遊びにきてください。そのとき、今度は何か好きな曲とか一緒に出してやりましょうよ」
森山「はい、すいません。はい、是非よろしくお願いします」
エンディングテーマは『風の中の直太朗』
(番組終了後のトークでは、森山さんがまだ7歳の頃、千里さんのファンだった姉と一緒にスタジオに行って千里さんと会ったことがあるエピソードも披露されてました。ふたりのトークが初対面っていう感じではなく、なんとなく親しげだったのは、そのせいでしょうか?)