Live Depot
 Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
 http://www.tfm.co.jp/senri/


Vol.124 2003/09/25 ON AIR (guest:小林建樹
「こんばんは!大江千里です。どうもこんばんは。ラジオを聴いてるみなさんもこんばんは。今夜もこのTFMホールから素晴らしい音楽を生でお届けしたいと思います。さて、早速今夜のゲストをステージにお招きしましょう。二年ぶりのこの番組への登場です。ミュージックマン小林建樹!拍手ー!」
(小林建樹登場)
小林「こんばんは、小林建樹です。よろしくお願いします」
千「どうもよろしくお願いします。今日は僕もキャスケットですけど小林さんもキャスケットで。帽子をかぶって」
小林「夏ぐらいに坊主にしまして、それを機に」
千「じゃ、今ちょっと伸びてきたような感じなんでしょうか」
小林「ええ。あのー、たこ焼きみたいに」
千「たこ焼き(笑)。自分の頭をそんな(笑)。小林さんを簡単に紹介させてください。1999年にデビューして今年は四年目ということですけど、この夏にご自身のレーベルを立ち上げました!」
小林「(会場の拍手に対して)ありがとうございます」
千「そのアルバム『WINDOW』をリリースされて。結構レーベルを自分でやるっていうのは、作ること以外に売ってかなきゃいけないってことで大変なんじゃないですか、今」
小林「本とか出てるじゃないですか、今。なんとか権利本とか買ってきたんですけど難しくて、やっぱり中々」
千「勉強中?」
小林「えっと、誰でも分かるなんとか入門…」
千「印税のなんとかとか?」
小林「権利入門とか。その入門を分かるための本がいるんです」
千「(笑)、じゃ、それを分かるためのまた本がいって(笑)」
小林「五個ぐらい遡らないと分からないです」
千「なるほど。かなり忙しい日々を過ごされてると思いますけど、二年前にここに登場してくれたときはお一人だったんですけど、今回はバンドでということで、ドラムの宮川さんとベースの千ヶ崎さん。この三人でのライブっていうのは、レコーディングもそうですよね」
小林「そうです。最近ずっと、三人で活動できるときは活動していって。すごく頼もしいですね」
千「アルバムの音を今日聴けるっていうのは嬉しいですね。このTFMホールっていうのは結構天井高いんですけど、小林さんは相性のほうはどうですか」
小林「すごく良くて。ここで昔、前も言ったんですけど、やった曲の録音テープを家で聴いて、その歌い方を参考にしたりしましたね。声がすごく伸びた感じがするので」
千「教会みたいな」
小林「そうですね。すごく気持ちがいいです」

-CM-

(小林建樹ライブ)
『満月』『TUGUMI』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏に途中からドラム、ベース、ギターの音が入ってくる)東京FMホールから生中継、大江千里のLive Depot、本日のゲストは小林建樹ー!オンギター!ステージ中央で座っています。そしてベース千ヶ崎学ー!ステージ上手側です。そしてドラムス宮川剛ー!見えないかもしれないけど宮川さんはゴールドのスニーカーですね、今日はね。あ、いやいや、脱がなくていい、脱がなくていい(笑)。かなり足元で光ってるのがね、さっき見えてたんですけど。このメンバーで、建樹さん、いきましょうか、早速」
小林「大丈夫ですか、靴は」
宮川「(オフマイクで)大丈夫!」
(セッション)
井上陽水『氷の世界』
(四人でのバンドスタイルでの演奏にボーカルは千里さんと建樹さん。かなり独特な雰囲気に仕上がってました)

千「73年、30年前ですね、これは」
小林「そんなに昔の曲なんですか、これって。すごいですね」
千「これは結構好きで影響を受けた曲ですか」
小林「僕は母が音楽が好きだったもので、ベスト盤というのがあって、井上陽水さんの昔出た、それに入ってて、すごく好きだったんですよ」
千「でも人前でやるのは初めてだという…」
小林「多分ね。こんなにやったことはないんですよ」
千「こんなに長くってことですか」
小林「ちゃんとやったことがないんですよ。さわりだけとかやったことがあるような気がするんですけど、こんなにビシッとやったことはなくて」
千「いかがでした?」
小林「もうなんかね、素晴らしいなって感じですね。素晴らしいと思います、この曲」
千「このテンションね、時代流れても色褪せないですもんね」
小林「ちょっとおかしいなーって曲ですよね、この曲」
千「決して王道ではないですよね」
小林「そうですよね。歌詞も、ほら歌詞が分かりにくい、どうのこうのって話が巷では昔ちらりほらりあったりしたじゃないですか。そういうのからいくと分かりにくいじゃないですか」
千「まぁズバッとではないですからね」
小林「りんご売ってたって、訳分かんないけど」
千「ノーベル賞とかいってますもんね」
小林「そうなんですよ。でもなんかね、すごく分かるって感じがあったから、ものすごく好きです」

千「この夏はご自身でレーベルを立ち上げられて、8月20日にアルバム『WINDOW』が出ました!きっと『WINDOW』というタイトルにはいろんな想いがこもってんじゃないかと思うんですが」
小林「窓なんですけど、窓を通り過ぎていって僕の中で一曲できて、そしてまたっていう。窓からすべて入ってきたって感じがあって。昔、実家にいたときにキーボードを窓の前に置いて、ずっと作曲してたんですけど、だからそのときに窓の向こうからインスピレーションがきて、それで曲ができてたのかなって思って、タイトル曲がすごく昔の曲なので、いいなーと思いまして」
千「自分の再スタートに昔、自分がすごく意味を持って作った曲を…」
小林「なかなか歌う機会がなくて、すごくいい曲だったんですけど、なんかピタッと合うときがなかったんですけど、今かなぁと思ったので」
千「音楽的な作るって作業もそうなんですけど、それを伝えていく、売っていくってことも考えなきゃいけないっていう、レーベルの長としてはいろいろ、そういうこともやらなきゃいけなくて…」
小林「でも本当にそういうことができるミュージシャンの人っているんですかね。(会場の笑いに)ミュージシャンってそういうの作ったりするの好きじゃないですか。レーベルとか憧れるじゃないですか。でも運営となると話は別じゃないですか」
千「そうなんですよね」
小林「かっこいいけど、手に入れてみたけど、なんかよく分かんないって」
千「なんかがむしゃらにやってるうちに時間が過ぎていくって感じ…」
小林「全然分かってないです、僕、今も。あとでこっそり教えてもらいたいな、なんて(笑)」
千「(笑)、誰にですか」
小林「いや、千里さんに」
千「僕にですか(笑)。えーと、今日会場にいらしてるかたのメッセージですけど『千里さん、建樹さん、お二人ともピアノを弾かれるわけですけど質問です。ピアノを弾こうとピアノの前に座るときについつい弾いてしまう曲っていうのはあるんでしょうか』」
小林「(結構長い沈黙)千里さんて何弾かれるんですかね」
千「僕は作るんですよね」
小林「あ、いきなり?」
千「いきなり作るんですよ。窓から入ってくるインスピレーションじゃないんですけど、ピアノの前に座るとボロボロボロって作っちゃうんですよね、短い曲を。小林さんはどんな感じですか」
小林「僕もわりと作るまではいかないですけど、指を好きに動かすんですけど。特定の曲というと何だろう?昔はベタなんですけど『戦場のメリークリスマス』とか(笑)、ずっと弾いてました(笑)。今でもちゃんと弾けないんですけど。あと『エリーゼのために』とか。僕ね、ピアノ習っていないので恥ずかしい曲ってないんですよ」
千「習ってないんだ。クラシックをちっちゃい頃にやっていたとか」
小林「バイエルとかいい曲はいい曲で曲の中に入れちゃうので」
千「じゃ、クラシックでちっちゃい頃やって、あれ、先生から習わされてイヤ!って、そういうの全くないわけですね」
小林「妹は多分気持ち悪いとか…」
千「あ、妹さんは習ってて?」
小林「でも僕は全然ないんで」
千「ちなみにバイエルで好きな曲とかありますか。ソナチネとか」
小林「バッと分からないですけど『気のいいガチョウ』って曲が(笑)」
千「(笑)」
小林「バイエルじゃないですかね。妹が持ってた子供の本に載ってたんですけど」
千「ヘー、『気のいいガチョウ』」
小林「♪ダンダダダダ(とメロディを口ずさむ建樹さんに別のメロディで千里さんが合わせてきたので)知ってます?この曲」
千「いや、知らないですね(笑)。適当にノッてしまいました」
小林「(笑)。これは今でも口ずさむんですよね」

千「自分でセルフプロデュース、一から十まで手掛けるのっていうのは楽しさもあり大変ですよね」
小林「でも手伝ってもらってる人もいるので。オール一人でという感じではないんですけど悩みますね、自分のパートのところは」
千「今回のミュージシャンの人たちはレコーディングで一緒に演奏されている方々だというふうに聞いてますけど」
小林「ドラムの宮川さんはデビュー前から知り合いで、デビューしてからずっとドラム叩いてもらってるんですけど、ベースの千ヶ崎くんは今年の四月に知り合ったばっかりで。宮川さんの紹介で。宮川さんが紹介してくれる人ってたいてい合う人が多いので何の心配もせず会ったら、やっぱりすごい上手だったです」

(小林建樹ライブ)
『DIARY』『Shadow』
-CM-
千「お疲れさまでした!」
小林「ありがとうございました」
千「このホールはすごいやりやすいっていうような話を冒頭でされてましたが、どうでした?」
小林「レコーディングスタジオって基本的に音が鳴らないように作ってあるじゃないですか」
千「うんうん、吸収してね」
小林「気持ちが悪いじゃないですか、不自然で」
千「オナラも吸収されそうなね」
小林「(本当にビックリした様子で)えっ!?」
千「あ、失礼しました(笑)。しょうもないこと言ってしまいました、ハイ」
小林「ここは音が自然以上に回るので、お風呂場で歌を歌うと気持ちいい、いくらでも歌っちゃうってあるじゃないですか、あれにかなり近いものがあって、すごいやりやすいです」
千「今日は八月に出たアルバム『WINDOW』から二曲、そして新曲の『Shadow』も披露してくれましたけど。『WINDOW』、『SHADOW』って今度は結構陰影が深いっていうか…」
小林「曲をいっぱい書いたんですけど、一緒にやってる人がいて、その人が二枚に分けたらどうだいっていうアイディアをくれたんで。僕は一枚で作ろうと思ったんですよ、フルアルバムで10曲って思ったんですけど。いつも懸念してることがあって、懸念というと大人っぽいんですけど、僕の音楽、少し難解なところがあるとよく言われるんですよ。ポップスをやってるつもりだから、わりと分かりやすく、分かりやすくしようと思ってたんですけど、自分で考える分かりやすさってやっぱりちっちゃい分かりやすさなんでマイナーチェンジしかないんですよね。おっきいモデルチェンジぐらいになるのが、その人に言われた二枚のアルバムに分けるっていうのがいいかなと思って、曲単位というか、おっきくざっくり分けて明るい曲と暗い曲で。そうすることによって自分が一体どういう人間なのか分かるんじゃないかなっていう」
千「二面性みたいなね。『どれぐらいの進行状況なんでしょうか。聴ける日を楽しみにしてます』というメールをいただいてますけど」
小林「あと一曲ってとこなんですけど」
千「あ、もうええとこまできてるじゃないですか。あと一曲でしょ?12月の何日発売?」
小林「12月のたぶん10日とか、そのへんに出せたらいいなと思ってるんです」
千「俺、12月5日発売やけど、まだ一曲もやってないよ」
小林「(また本当にビックリした様子で)えっ!?」
千「いやいや、これからですわ」
小林「なんで、そんな強者なんですか」
千「いやいや(笑)。そんなもんかなと思ってんねんけど」
小林「どれぐらいの期間で作られるんですか。二週間とかで?」
千「そうですね。10月に入ってググッと」
小林「作曲はされてるんですよね。曲も詞も全部?(結構追求する建樹さん(^_^;)」
千「セルフカバーのアルバムなんで、まぁそういうのもあって」
小林「あーっなるほど」
千「でも、あと一曲っていうのを聞いて今ドキッとしてしまいました」
小林「でもエンジニアっていう仕事の人がいるじゃないですか。CDを聴く人はエンジニアが何する人か分からないと思うんですけど、レコーディングエンジニアですごく音楽が変わるじゃないですか。例えばリズムトラックをすごく効かせるのが上手な人がいたり、バラードがうまい人がいたりして。今回は二人エンジニア、好きな人がいるんですけど、『WINDOW』は…」
千「一人のかたで?」
小林「一人のほうで、『SHADOW』は別の人にやってもらってるんですけど全然音が違うんですよね。その人と作ったってこともあって気分的にも変わったんで、随分最初の設計図も書き換えたりしてるので、その中で一番いいものを作ろうとしてるのでなかなか投げ出せれないなぁと思って」
千「『WINDOW』聴いてて、すごく音がミニマムになってて、その分声が泳いでるっていうか、すごくグッと気持ちが浮いてくるっていうのがあったよね。思わず電気を消してボリューム上げて聴いてしまうような(笑)、ノリありましたけど。『「BRAZIL」って曲がありますが、なぜブラジルなのですか。行ったことあるんですか。ちなみに私はブラジルに住んでいたことがあり、とても懐かしいです』」
小林「行ったこともないし話だけなんですけど、すごい好きで。南米の人とすごく親近感を感じるんです。すごく情熱的じゃないですか。僕は結構情熱的なんで、そこ似てんのかと思って」
千「そんな目せんでも、僕はそう思ってますよ、情熱的だって」
小林「マジですか?千里さんも今日ピアノ、めっちゃ情熱的でしたね」
千「(笑)、ちょっと間違えましたけど」
小林「あ、そうなんですか。僕、全然分かんなかったですよ。情熱的やなと思いました。そういうのが好きなので、単純に南米の」
千「情熱的同士で」
小林「でも、パッと見違うじゃないですか」
千「ねぇ。なんでやろね」
小林「やっぱり派手な顔に生まれなかったせいかも」
千「(笑)、どういう方向の会話や(笑)。ライブの予定、発表しときましょう。10月2日に大阪のBIG CAT、10月の末からは松崎ナオさんと二人でツアー、これは大阪、名古屋、福岡、そして11月の10日には下北沢CLUB251。イベントですよね、これは。11月の30日、渋谷spuma」
小林「広いところじゃないんですけど、ご飯がすごいおいしいところで」
千「詳しいことは建樹さんのオフィシャルHP『風の発光体』で要チェックです。ライブ楽しみにしてますんで。僕も時間があったら是非伺いたいと思いますんで」
小林「はい、是非」
エンディングテーマは『もしもゲストが建樹なら』(←どういうタイトル(^_^;)