Live Depot
 Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
 http://www.tfm.co.jp/senri/


Vol.126 2003/10/09 ON AIR (guest:矢野顕子
「こんばんは、大江千里です。今日はようこそTFMホールへ。ラジオをお聴きのみなさんも一週間のご無沙汰でした。先週からこのラジオ、パラオのほうでも放送されているということで。中国、そしてパラオ、そしてインターネットで同時に見てらっしゃるかた、ご無沙汰です(笑)。今日も東京FMホールは超満員ですけど、早速ゲストを紹介したいと思います。本当にみなさん待望だと思うんですけど、あのかたが遂にこの番組に出演頂けることになりました。ちょっと緊張しておりますけど。みなさん、最大級の拍手でお迎えしましょう。矢野顕子さんです」
(矢野顕子登場)
千「ようこそ!よろしくお願いします。黒の衣装ですけど。矢野さんは10月1日に弾き語りのベストアルバム『ピヤノアキコ。』、これが出たばかり」
矢野「はい、そうです(笑)」
千「ちょっと堅かったですか(笑)?」
矢野「いやいや(笑)、O.K.」
千「今はニューヨークからこちらに来られたばかりなんですか」
矢野「はい、今週来ました」
千「どうですか、時差ぼけのほうは」
矢野「バリバリです。今いい感じですよー」
千「時差ぼけにバリバリって言うんですよね。かなり、この時間帯はきてますか」
矢野「ええ、でも大丈夫です(笑)」
千「この満面の笑みの訳は(笑)?」
矢野「のはず!です、はい」
千「じゃ、みなさん、フーッて矢野さんがなったときは拍手で起こしましょう」
矢野「是非お願いいたします」
千「今日のステージはもちろん弾き語りですけど、このホールのピアノ、リハーサルのときから弾いてらっしゃいますけど、どうですか」
矢野「はい、いいピアノで。弾かせて頂いて嬉しいです。リハーサルのときから弾いてましたので、いい感じになってると思います」
千「やっぱりピアノっていうのも人見知りしたりとかってするもんなんですか」
矢野「まぁありますね。あまり弾かれてないピアノだったりするとなかなか心開いてくれなかったりするでしょ。コンサートでやってるうちにちゃんと返事とかしてくれるようになって、友達になれそうかなーって思ったときはコンサート終わってる、みたいな」
千「ものすごいいい相棒になりそうなピアノに出会ったときは、そのまま連れて帰りたいような気持ちになったりとか」
矢野「ええ、名前書いちゃったりとかしますね(笑)」
千「(笑)、このピアノもそういうふうになって欲しいもんですけど」
矢野「(このあと番組HPのURLを紹介する千里さんに)よく言えるねぇ」
千「これを言えるようになるまでに三年かかってますから、僕。まだちゃんと言えてないですから」
矢野「やっぱりねー、難しいよね(と感心するあっこちゃん)」
千「今日の意気込みというか、ラジオ聴いてるみなさんに一言抱負などを」
矢野「いろんな曲をやりますんで、知らない曲だからといって知らん顔しないでください。みんないい曲です!是非楽しんでください」

(矢野顕子ライブ)
『電話線』『また会おね』『椰子の実』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)東京FMホールから生中継、大江千里のLive Depot!今夜のゲストを改めて紹介しましょう、矢野顕子さんです!矢野さんはアコースティックピアノの前、そして僕は上手キーボードのほうから中央のほうに移動しましたけど。今日は矢野さんにピアノ弾いて頂いて私に歌わせて頂きたいと思います。曲目はですね、『アベ・マリア』です。嘘です、嘘です(笑)。(あっこちゃんの笑い声も聴こえる)やりましょうか(笑)」
(セッション)
渡辺美里『10years』
(あっこちゃんのピアノアレンジはちょっと変わっていて、PIANISMで千里さんが弾き語ったのとはまた違う雰囲気でした)


千「今日は僕が渡辺美里さんに曲を書かせて頂いた『10years』という曲を矢野さんのピアノで歌わせて頂きました。ありがとうございました」
矢野「いや、とんでもない。最初、歌いにくかったでしょ?ごめんね、私がね、テンポ早かったんです。私が悪いんです。でも気がつかなかったでしょ?(会場から笑い)」
千「もうグイグイ矢野さんトーク、みなさんの気持ちを掴んで持っていきますね」
矢野「(笑)、図々しいだけです」
千「矢野さんに会うのは何年ぶり?五年ぶりぐらいですか」
矢野「前に、そうだよね、テレビのときにね」
千「今回の弾き語りのアルバムタイトル、なぜ今まででなかったんだろうって思うぐらい、『ピヤノアキコ』、これはまりのいいキャッチーなタイトルですけど、これ、矢野さんがつけたんですか」
矢野「まさか(笑)。糸井重里がね。むかーし出た『スーパーフォークソング』っていうピアノの弾き語りアルバムの帯コピーだったんです。今回レコード会社が、これでいきましょう!って。私は、えーっ、ちょっとあんまりじゃないかいって思ったんですけど。でもみなさまに好評でよかったなと」
千「僕、好きですよ。みなさん、どうですか、『ピヤノアキコ』。(会場から拍手)ねぇ!」
矢野「ありがとう。糸井に言っときます」
千「聴いてらっしゃるかもしれないですけどね。選曲とか結構いろいろ大変だったんじゃないですか。ご自分で選曲されたりしたんですか」
矢野「まさか(笑)」
千「まさか第二弾(笑)」
矢野「自分で自分の曲選ぶと大体自分でうまく歌えたとかうまく弾けたとか、ねー、それで選んじゃうでしょ?だから人に選んでもらって大体決めました」
千「じゃレコード会社のディレクターとかマネージャーさんとか」
矢野「まさにそういう感じで」
千「『ばらの花』でしたっけ?ああいう曲とか、もう少し前だと『中央線』とか、人の曲とかでもこだわりなしというか、分け隔てなく歌ってらっしゃるじゃないですか。ああいうのって自分で矢野流になるまでって結構時間かかったりするんですか」
矢野「曲によりますね。基本的にはやっぱりその曲を歌いたいっていう気持ちがまず、そういうような曲であることが大事なんですよね。そうすると大体やってるうちに、ピアノで練習してるうちにその曲が持っていってくれるっていう感じで。だから三時間ぐらいでできちゃうのもあるし、二ヶ月ぐらいかかるのもあるし」
千「『10years』はいかがでした?」
矢野「なかなか含蓄のある…」
千「含蓄のある(笑)」
矢野「(笑)、伴奏しながら、そうか、こうだったのかって、でも美里さんが、随分昔の曲でしょ?」
千「86年とか、それぐらいだと思いますけど。曲の中で十年後とか十年経ったとき、なんて書いてて、もう20年経ってたりとか」
矢野「経ってしまいましたもんねー。あっという間ですね。この分だとデビュー50周年、すぐですよ」
千「あー(笑)、さっき僕がデビュー20周年だって言ってて。僕がデビューするときに大村憲司さんというかたにプロデュースをして頂いてて、で、憲司さんから矢野さんに僕のデモテープを聴いて頂いたことがあったんですよね、20年前に」
矢野「『ワラビーぬぎすてて』って(笑)」
千「(笑)、あれから20年ですね、ほんとにね」
矢野「早いですねー」
千「今ちょっと茶飲み友達みたいになってしまいました(笑)。矢野さんとピアノは、今日もライブ前一時間ぐらいピアノを弾いて本番に臨まれたみたいですけど、元々ピアノを弾き始めたっていうのはどういうきっかけだったんですか。意外に僕知らないんですけど」
矢野「それはみなさんと同じ、親に勧められて習い始めてっていう。三歳のときですから今を去ること、はい(笑)、なーん年前でしょうか」
千「クラシックの練習とかって飽きなかったですか」
矢野「練習は今でも大っ嫌いよ。練習は嫌いだし決められたことを決められたように弾くのはどぉーしてもダメで。それで好きなように弾いてるうちに、それが今の姿になるわけです」
千「ある意味、10本の指の中にオーケストラが入ってたりスリーピースのバンドだったり、いろんなふうにイマジネーションしながらお客さん、聴けるわけじゃないですか。声とピアノだけっていうのはある意味で究極のシンプルな、その中で表現していくっていうのはものすごい指練習とか必要なんじゃないかなって思うんですけど。指練習とか毎日やられてるんですか」
矢野「えーと」
千「なんという質問や(笑)。アルバムのこと聞けって感じで(笑)」
矢野「いやいやいや。練習ね、毎日したいとは思ってるんですけど、やる気がないわけじゃないんですけど、わりと…、ま、15分でも弾くようにはしてますが弾かないときは一週間ぐらい全然弾きません。弾くときは一日十時間ぐらい弾いちゃったりしますけど」
千「ピアノの魅力っていうか、他の楽器にない、矢野さんの今回ピアノとボーカルだけっていう、そこでかもし出される魅力っていうのは何だろうっていうふうに?」
矢野「何だろうね。何だろう。何、何?」
千「どっちが伴奏なのか分かんないよっていうと的確じゃないのかな。なんかね、ピアノが主体になって、それを声がサポートしてるように思うときもあるんですよ。ピアノと二人芝居をしてるような」
矢野「二人羽織だよね(笑)」
千「二人羽織でスパゲティ食べちゃったりとか(笑)」
矢野「それも曲によるんですけど、ピアノが伴奏で、それに歌をのっけっていうのはわりと私の場合少ないかもしれませんね。ピアノって本当に音域も広いし、そして基本的に打楽器ですからリズムを作り出す要素もあるし、オーケストレーション、和音をかもし出すこともできるし、ま、便利ですね」

(矢野顕子ライブ)
『塀の上で』『スーパーフォークソング』『ばらの花』
千「さっきも話、ちょっと出てましたけど10月1日に弾き語りのベストアルバム『ピヤノアキコ。』が出たばかりです。このアルバムは新しくまたなんか、矢野さんのアルバムはたくさん出てるけど、何から聴いてみようって思った人は原型であり、すごくいろんな色を感じられるアルバムですよね」
矢野「そうですね。だと嬉しいな」
千「そして同じ弾き語りのライブDVD、『ライブ・ピヤノアキコ。』も出ました。ロンドン、パリ、ニューヨーク、六本木、日光、沖縄(笑)?いろんなところで世界中弾き語りをしたライブ映像集です。そして11月には全国ツアーがあります。今回はピアノの弾き語りですよね。こういう場合はピアノの前から動いたりはしないんですか」
矢野「今ね、どうやって脱出しようかと考えてる最中なんですけど」
千「(笑)、気持ち的にはちょっと動きたいような感じもありますよね。楽しみにしております。あっこちゃん、どうもありがとう」
エンディングテーマは『ひみつのあっこちゃん』
(後半のライブでかなり時間を食われたようで最後は駆け足で終わった感じのある放送でした(^_^;)