Live Depot
Every Thursday, PM8:00〜 from
TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri/
Vol.130 2003/11/06 ON AIR (guest:赤木りえ)
「こんばんは!大江千里です、ようこそTFMホールへいらっしゃいました。ラジオをお聴きのみなさんも一週間のご無沙汰です。さて東京FMホールから生中継でお送りしていますこのLive
Depotですが、先週はコミックパンクお笑い芸人はなわが盛り上げてくれましたけど、今宵はジャズです。カリビアンフルートの素晴らしいグルーヴをお届けしたいと思います。赤木りえさんです」
(赤木りえ登場)
千「こんばんは、久しぶりです。この番組二度目の登場で二年ぶりですね」
赤木「そうですね。あっという間の二年ですね」
千「ちょうど文化何とか制度でプエルトリコ、カリブに行かれて帰って来たときでしたよね。あれから二年、プエルトリコで赤木さんの音楽、すごい盛り上がってる…」
赤木「盛り上がってしまいました。すごく楽しいです」
千「そこらへんの話、あとでもっと詳しく聞かせてください。今日はワインカラーの装いに」
赤木「ちょっと枯れ葉をイメージ(笑)」
千「あ、そうなんですか(笑)。ちょっと紅葉って感じで大人っぽい感じですけど。赤木さんはカリビアンフルート奏者、パワフルなラテンジャズスタイルのフルート、まぁ女性でそういうラテンのフルートやってらっしゃるかたっていうのはなかなか…いらっしゃるんですよね?」
赤木「少ないと思います」
千「リハーサルとか拝見してて、フルートっていうと深窓の令嬢が、音符が窓からパパパパパッと、レースの着ながら吹いてるような、勝手な思い込みがイメージとしてあるんですけど、結構フッフッフッてものすごい(笑)、かなり体力を使う楽器なんじゃないかと」
赤木「(笑)、使います。すぐおなかがすいちゃいます」
千「腹筋とか」
赤木「腹筋だけは、他ダメなんですけど腹筋だけはあります」
千「本番前にハッハッハッて?」
赤木「やってないけど(笑)」
千「そこまでは(笑)。この秋はコンサートツアーで大忙しの赤木さんですけど、札幌、金沢そして昨日は銀座でやられて来たってことですけど。先日ニューアルバム『Moon
Island〜Perla Cel Caribe』が出たばかりですけど、このアルバム、プエルトリコでもちろんレコーディングということで、後ほどたっぷり話を聞かせてください。今夜は赤木りえフューチャー・ソウル・ジャズということでこういうユニットで登場ですけど四人編成、メンバーのかた今出てこられましたけど」
赤木「私の大好きなメンバー、ジャズからラテンあらゆるジャンルで今大活躍中です、とっても信頼していますドラムス藤井摂、それから今度『たつやせっしょん〜其ノ壱〜』というアルバムがもうすぐ発売されるということで力入ってるベース池田達也、そしてあらゆるジャンルに精通している大変素晴らしいピアニストです、奥山勝」
千「みなさん大人っぽいいい感じのそれぞれ思い思いの。ブロードバンドで見るの楽しみだと思います」
(赤木りえフューチャー・ソウル・ジャズ ライブ)
『キャラバン』『Feliciano』
-CM-
千「セッションタイム!(赤木りえフューチャー・ソウル・ジャズが『COOL』のワンフレーズを演奏)大江千里のLive
Depot、今夜のゲストは赤木りえフューチャー・ソウル・ジャズ!今からやる曲のワンフレーズを今ちょっとやってみましたけど今日一緒にお送りする曲は僕が1987年ぐらいかな、郷ひろみさんに書かせて頂いた『COOL』という切ない曲があるんですけど、これをいきたいと思います。今日は私、フロントで歌わて頂きます」
赤木「踊りも」
千「みなさんが拍手をして頂ければダンスなんかもご披露しようかな、なんて思ってますのでよろしくー!」
(セッション)
郷ひろみ『COOL』(赤木りえフューチャー・ソウル・バンドのボサノバ調演奏にあわせて千里さんが歌ってます)
千「いろんなこと思い出しちゃいますね。なかなか難産だった曲で、テレビを見てると歌番組で郷ひろみさんが司会者のかたに『もうアルバムがそろそろ完成するらしいですね』なんて話をしてて、『ええ、あと一曲だけできてないんです』って。それ、僕がピアノに向かってテレビ見ながら書いてたっていうね。無事にできて曲がいろんなふうに成長して、自分でこうやって歌う機会をもらって嬉しいなと思ってます。ボサノバの素晴らしいアレンジを考えてくださった赤木りえさんにもう一度みなさん大きな拍手!」
赤木「どうもありがとうございます」
千「非常に気持ち良かったです、ありがとうございます。譜面も頂いたので家宝にさせて頂きます(笑)」
赤木「かっこいい曲ですね」
千「あ、ありがとうございます。結構展開がいろいろ、大サビがあったりするんでアレンジしにくかったんじゃないですか」
赤木「でももうこれは最初に聴いたときから、あ、ラテンでいこうと思いました」
千「どこらへんで?」
赤木「『♪COOl GIRL』のところがいかにも盛り上がれるって感じですよね。あそこで」
千「なるほど、ありがとうございます。嬉しいですね。前回赤木さんがこの番組に来てくださったときっていうのは2001年、ちょうど文化庁の芸術在外派遣員、半年とか一年とか」
赤木「私は200日間行ってました」
千「この番組でも国本武春さんってかたが今行かれてるんです。初めてプエルトリコの長期滞在されていたのがちょうど2001年、そのあとにこの番組に来て頂いて、そのあとプエルトリコには」
赤木「レコーディング等も含めて何回もそのあと足繁く通ってます」
千「コンサートツアーをやられて、10月上旬に」
赤木「今日のドラムの藤井摂さんも一緒に」
千「摂さん、いいっすね。笑顔もたまんないですよね」
赤木「彼はずっと笑いながら叩いてるっていうんでプエルトリコでも結構有名になったんですけど(笑)。彼とくしくも二年前に出演させて頂いたときのキーボードを弾いて頂いた吉弘さん」
千「上手な、ってプロのかたに失礼ですけど素晴らしい…」
赤木「彼女はつい先頃帰って来たんですけど文化庁の在外派遣でニューオリンズにいたんです。あとは多分来週の出演になると思うんですけどベースの八尋洋一さんとそれからパーカッションの田中みちあきさんと五人でニューオリンズとプエルトリコツアーで行ってきました」
千「海外でツアーやりたいっていってもなかなかスポンサーが付かなかったりとか実現にこぎ着けるのって、楽器の輸送とかいろんなお金がかかるわけだし大変じゃないですか」
赤木「そのへんは大変苦労しまして。国際交流基金という基金にちょっと助けて頂いて、でもそれも一部だったので。あとはもう本当に胃が痛くなるような日々をこの夏は過ごしてました(笑)。楽器車というか大きな車でみんなで動いて」
千「まさにロードですよね」
赤木「本当に野球の向こうのメジャーじゃないマイナーリーグの人たちってこういう生活なのかしらなんて思いながら(笑)」
千「ガソリンスタンドに着いたら給油して、みんなでサンドイッチとかバーガーとか食べて」
赤木「そこまではなかったです」
千「あ、すいません、ちょっとのってしまいまして(笑)。向こうのお客さんの反応ってどうでした?」
赤木「音楽が鳴った時点でピーピーキャーキャーっていうのが始まって」
千「それは演奏が素晴らしいって?」
赤木「演奏がダメだと静かなんですって。ものすごくハッキリ」
千「(笑)、気遣いってものはないんですか、日本みたいに」
赤木「下手すると帰られたりするんですけど」
千「お前の演奏は今日はダメだよと。帰って犬の散歩するわよと」
赤木「けどいいとなるとキャーッていう感じで(笑)。でもメロディは結構一生懸命聴いてくれるので、例えば日本の曲もやったんですけど『赤とんぼ』なんかじーっと聴いてて終わったらまたギャーッて感じなんですよ(笑)」
千「(赤とんぼのメロディを弾いて)他にはどんな曲を?『上を向いて歩こう』とか」
赤木「『上を向いて歩こう』はニューオリンズで私がレゲエ風にやったんです(笑)。(千里さんがメロディをピアノで弾いて)そうそう。そしたらうけちゃいまして。アメリカではまだまだ『スキヤキ』はすごい流行ってるんですよ、いろんな形で」
千「そのときはそのメンバー、ビタースイートグルーヴとして行かれて。そのキャラバンな感じっていうのは」
赤木「楽しかったですよ、大変だったけど。大変な分やって良かったなぁっていう」
千「赤木さんは初めてお会いしたときに本当に華奢でいらっしゃるというかスマートだし、いきなり吹きはじめるとすごいエナジーっていうか感じるんですけど、そのキャラバンっていうのも赤木さんの音楽が生まれてくるっていう。普段の生活でもなんていうか」
赤木「普段はあまり元気ないんですけど(笑)。結構この人大丈夫なのかしらって言われちゃったりもするんです(笑)」
千「プエルトリコに惹かれてらっしゃいますけど、前回出演されたときにすごいでかい蟻が出て来てビックリしたっていう話を聞いたのを」
赤木「蟻の行列が部屋の中で。ありました、ありました」
千「今回面白かったこともしくはプエルトリコの一番の赤木さんにとっての魅力っていうのは何なんでしょう」
赤木「音楽がもっともっと身近にあるというところですね。普段の生活に密着しているという」
千「日本よりもそれを感じますか」
赤木「すごく感じます。ものすごく素晴らしいアーティストでもすぐそこで演奏しているのをただで見られちゃったりとか、そういうことだらけなので、すごく楽しいですよ。みなさまも是非一度プエルトリコにいらっしゃいませ」
千「スペイン語なんですよね」
赤木「ええ、両方大丈夫です」
千「英語も大丈夫なんですか。さっき関係者のかたにプエルトリコっていう写真集を本番前に、ちょっとこれでテンション上げてくださいって写真集を渡されまして(笑)。もうすっかりプエルトリコに行ったような気分になってますけど」
(赤木りえフューチャー・ソウル・ジャズ ライブ)
『Preciosa』『Obsesion』
千「お疲れさまでした、ありがとうございました。今日もかなりのエネルギーが炸裂しましたね。赤木さんの得意のダンスも入りつつ」
赤木「一曲30分ぐらいはできますね、盛り上がると(笑)」
千「陶酔というか、すごい世界ですよね、気持ちいいですよね」
赤木「あの感じはそういう世界なんでしょうね。向こうの人たちはみんなそうなんだと思います」
千「今日は久しぶりのこの東京FMホールはいかがでした?」
赤木「私の大好きな仲間たちとすごく気持ち良く演奏させて頂いて、またとっても私たちにピッタリな曲を、セッションの曲、『COOL』を選んで頂いてありがとうございました」
千「こちらこそありがとうございます。10月22日にニューアルバム出ました。プエルトリコでレコーディングされて。向こうのミュージシャンっていうのは」
赤木「雰囲気で行きますのでレコーディングもみんなのるとどこまでもいい演奏をしてくれる感じです」
千「レコーディング、すごい楽しかったんじゃないですか」
赤木「もちろん辛いこともいっぱいありますけど、でも楽しいことのほうが大きいです、エネルギーが」
千「いっぱい出すけど、またもらえるっていうレコーディングっていいですよね」
赤木「その循環がとても気持ちいいです」
千「CDって上がると、ああすればよかった、こうすればよかったっていっぱい出て来て、また作ってやるぞって思っちゃうってね」
赤木「そうなんです。終わった直後から反省は出てきますよね」
千「まだ発売になってないのにね」
赤木「なってないのに次はあれをやろうとかね、ありますね」
千「わたせせいぞうさんの『ハートカクテル アゲイン』というCDとDVDも先月リリースされて、こちらにも参加されていて。松岡直也さんとか来週ゲストでいらっしゃる国府弘子さんとか」
赤木「私の親友なんですけど」
千「そうなんですか。(コンサートのお知らせ)来年もプエルトリコに行かれると思うんですけど、僕小耳に挟みましたけど、あちらでアルバムがリリースされるというニュースを。みなさんご存じですか」
赤木「(会場の拍手に)ありがとうございます。そちらもワクワクで」
千「今後はどんな感じになっていきそうですか、赤木りえとしては」
赤木「赤木りえとしてはプエルトリコでももちろん日本でもやっていきたいなって思っています」
千「日本のファンのみなさん、プエルトリコのファンのみなさんって若干曲調を変えたりとか選曲を変えたり?」
赤木「そうですね。日本のみなさんにはしっとりと聴いて頂く部分をお送りしたりして」
千「エキゾチックな感じを入れたりもするんですか、向こうのお客さんには」
赤木「ありますよ。ときどき、私、篠笛も吹いてるんですけどとても不思議がられて。これが日本の伝統楽器かとか言って。なんかサムライとか言われたりします(笑)」
千「エネルギッシュなステージ、三回目を期待していますので。セッションも楽しみにしてますので是非」
エンディングテーマは『彼女の声が聞こえる』