Live Depot
 Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
 http://www.tfm.co.jp/senri/

Vol.131 2003/11/13 ON AIR (guest:国府弘子
「こんばんは!大江千里です、ようこそ!ラジオを聴いてるみなさんとは一週間ぶりです。秋も深まってまいりましたけど、しし座流星群、今週もうすぐ見れるらしいけど、さっき天気予報を聞くとところどころ雲が途切れてて間から見えるらしいですね。先週のカリビアンフルートに続いて今宵はピアノです。思いっきりリラックスして楽しんで頂きたいと思います。早速紹介しましょう、国府弘子さんです。どうぞ!」
(国府弘子登場)
千「はじめまして!」
国府「どうもはじめまして。みんな、よろしくお願いします」
千「ネイティブアメリカンのデザインのGジャンに赤い、そしてブーツですけど」
国府「なんか合ってますよね、千里さんとなんとなく」
千「僕もちょっと今日いろいろ混ぜて来たんですけど」
国府「ですよね。楽しみにして来ました」
千「ありがとうございます。国府さんの簡単な紹介をさせて頂きます。音大ピアノ科のときにジャズを聴いて、それからニューヨークに行かれて87年にプロデビュー。年にほぼ一枚のペースでアルバムをリリースしてデビューから10年。いかがですか、最近はライブで赤木さんとも一緒に」
国府「あ、そうそう、フルートの赤木りえさんね。彼女とはもうフルート、ピアノであうんの呼吸で。フルートとピアノっていうと一見上品なクラシカルな取り合わせなんですけど二人でアドリブ三昧でラテンやったりジャズやったりロックやったり、ずっと。ついこないだ北海道、北陸と旅してきました、二人で」
千「いいですね。楽しみにしてますんで今日もちぎれてください(笑)。よろしくお願いします。今日の編成はすごいですよ、強者ぞろいのミュージシャンが。ベースの八尋さん」
国府「八尋くんはスペイン育ちのラテンなベーシストで」
千「ドラム、パーカッションが仙波さん」
国府「仙波さんはこれがまた邦楽の仙波流の名取りっていう、もう本当にいろんな音楽のフュージョンって感じですね」
千「ある意味、雲の上の存在です。そしてギターが三好さんということで」
国府「彼はジャズのアルバム何枚も出して、そして矢沢永吉さんのバンドのリーダーも務めてらっしゃるというロックな男で。いろんな音楽が混じった私のバンドのメンバーね、今日は一人ずつ増えて行く感じでじわじわと」
千「まずは弘子さん一人で始まって、どんどんミュージシャンがそこに加わっていくって。楽しみです」

(国府弘子ライブ)
『星に願いを』『Success Moon Dance』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノと国府さんのピアニカの演奏)今夜のゲストは国府弘子さんでーす!ほとんど不意打ちのように今(セッションを)仕掛けてみたら(笑)」
国府「もう始まっちゃいましたね(笑)。ビックリしましたね」
千「今日はセンターにスツールがあって、そこに国府さんは腰掛けていらっしゃいまして。Gジャンを脱いで」
国府「もうダメでした、暑くて」
千「暑くてノースリーブですけど、ピアニカを持って」
国府「そうなんです。この楽器は小学校の音楽の授業とかで使ったことあるかたいると思うんですけど、これを持つようになってバンドの演奏でも使うんですけど、同業者のピアノ同士で何か盛り上がってセッションしたいなっていうときに。今まではピアノ同士で、ま、並んで座って」
千「並んで連弾するとか二人羽織で、いや、そんなことはないですけど(笑)」
国府「(笑)。これですごいピアニストのかたとセッションできるようになってめちゃくちゃ嬉しい」
千「今日は僕は国府さんがさっきまで弾いてたピアノの前におります。カーペンターズの『Close To You』という曲を歌わせて頂きます。そして国府さん、ピアニカを吹いて頂きます」
国府「はい、ついて行きます」
千「ついて来い、あ、違うか(笑)」
国府「お前こそついて来いよ、なんて思わず言っちゃったりして(笑)」
千「わかりました(笑)、お姉様」
(セッション)
カーペンターズ『Close To You』(ボーカルは千里さん。千里さんのピアノに国府さんのピアニカが絡んできます)

千「いやー楽しかった!ありがとうございます。今回のアルバムでもレコーディングのときトゥーツ・シールマンスさんからサインを書いてもらったという(ピアニカの)鍵盤」
国府「そうなんですよ。何かついてるなって目の前で聴いてらしたかたは。TOOTH LOVES MEって書いてもらった…」
千「これ、セロテープ貼ってますけど、はがれないようにってことですか」
国府「消えないように」
千「消えないように上からテープ貼ってあるんですか(笑)。いや、ありがとうございました」
国府「すっごく楽しかったー」
千「どうでした?このFM東京ホール」
国府「普通、生放送っていうとちょっとは事故なく終わろう、無難に、守りに入ろうとね。でも全然ライブって感じがして、いや本当楽しかったです。千里さん、ジャズメンですね」
千「(笑)、上着を脱がせて頂きます。国府さんだけ脱いでるんでね、僕も脱がせて頂きます。ピアニカの魅力っていうのは、例えば国府さんは小学生の前で演奏されたりとかあると思いますけど、身近な楽器ですもんね」
国府「まず、今はマイクをつけてますけど、電気をつながないと出ない楽器も多い昨今、アコースティックピアノも生ですけど、これもスイッチとか。私、結構バンド生活長いくせに線つないだりとかスイッチ入れたりするの苦手で(笑)。これは例えば停電になってもみなさんにお届けできる楽器、それからピアノと違うところっていうのはピアニストっていつもお客さまにいつも半分背中向けた状態で斜に構えてあれの前に座ってないと何もできないんだけど、これを持って客席に乱入したりとか」
千「乱入とかもやられるわけですか」
国府「乱入とかプチロッカーみたいなことを(笑)」
千「国府さん、さっきリハーサルとのときも歌われてたじゃないですか、フレーズ弾きながら。ピアノで歌ってんだなぁって感じがすごい伝わるんですけど。ピアニカで歌いながら吹くっていうのは(笑)。息吹をそのまま楽器に入れていくっていうか」
国府「まさにそうですね、歌うようにっていう気持ちを。歌、好きなんですけど、あまり売り物になんないもんで千里さんとか羨ましい」
千「何をおっしゃいますやら。九月に出たニューアルバム『ピアノヴォイセス』、この中でトゥーツ・シールマンスさんとも競演されて。僕なんかもすごい憧れの人で」
国府「ピアニカと音色は似てるんですけどハーモニカのベルギーの巨匠で、なんと今年、私も念願叶ってご一緒したとき81歳で。でもすごく色っぽい素敵なおじいちゃまで、ちょっとキュンキュンきちゃって嬉しかったです」
千「ミュージシャンの大先輩ですけど同じ音楽を通して演奏して、弘子、こうやりなよなんていうアドバイスありました?」
国府「ありましたね。今みたいに、千里さんとやったみたいに、ほとんど打ち合わせもない状態でレコーディングして」
千「僕、まだ汗ひいてないです(笑)」
国府「玉のような汗が」
千「ラーメン屋に入ったときのように眼鏡が曇っています(笑)」
国府「大丈夫ですか、これをお使いください」
千「あ、すいません。おしぼりを頂きました」
国府「それでトゥーツさんが言ってくれたのはビッグイアー、大きな耳っていうのは私の耳が大きいわけじゃなくて、お互いに、特に二人でやるときってコツは相手の音を思いっきり耳を開いて聴くことだと思うんですよ。それはそう思って一生懸命やったんですけど、弘子もビッグイアーの、よく聴いてくれる人だから、これから本当に楽しい長い音楽人生を送るためにアドバイスは一つだけだ」
千「一つだけ?何だったんですか」
国府「Keep doing just your favorite music.素敵なスタイルの音楽、好きな音楽だけをやっていけって言われて。そうしますって言ってふと考えたら、好きじゃない音楽ってそういえばやったことあるかなぁって思ったらなかったんで、結構幸せかもって(笑)、確認させてもらっちゃいました」
千「国府さんもマインドが開いているから何でも、何でもってことはないと思うけど好きになっちゃうんでしょうね。音楽に壁がないっていうか」
国府「今のセッション、本当に何の打ち合わせも(笑)」
千「あんなホンキートンクな感じになるなんてね(笑)」
国府「ねぇ、すごい面白くて」
千「ありがとうございました」

(国府弘子ライブ)
『Go Go Godzilla(N.Y. Version)』『Starland』
千「見事に一曲目の、今週はしし座流星群が来るなんて話をしてて、『星に願いを』」
国府「突然思いつきまして、ちょうど、そのご紹介頂いた『ピアノヴォイセス』というアルバムの中でも弾いてたんで、ちょうどいいやと思って」
千「あそこ、ピアノ一本の世界から始まって」
国府「今夜は癒されるぞと思ったかたにはちょっと詐欺な感じも(笑)」
千「いや、いい感じで汗がじんわりね」
国府「お互い汗いっぱいかきましたね」
千「僕は眼鏡が曇ったままですよ(笑)。いかがでしたか、今日のこの一時間」
国府「こんなに生放送で思いっきり後先考えず燃えさせて頂いたのは珍しいです(笑)」
千「(笑)、こちらこそありがとうございます。先ほどにもお話に出ましたけどアルバム『ピアノヴォイセス』が出ました。ツアー中ということですけど、あと残すは東京だけです(ライブのお知らせ、DVDのお知らせ)。聞いた話なんですけど二年連続でラオスのほうに行かれたっていう」
国府「ラオスってあまり観光に行く人少ないと思うんですけどタイとかベトナムの間に」
千「僕、友達が嫁にいったんですよ、ラオス人のところに」
国府「えっ?そうなんですか」
千「今、向こうでカフェやってて、えらいカフェが大きくなって。今度カフェのアドレスをお教えします」
国府「是非お願いします。多分三回目も行くと思うんで」
千「ラオスはお好きですか」
国府「大好きになっちゃいました。ヴィエンチャンはまだ都会なんですけど本当に純朴で優しい人たちで、なにしろ旅先で大事なことってのはまず食べ物がピッタリくるっていうのがね。ピッタリきちゃったんです」
千「辛めですか」
国府「いや、タイ料理から辛さをちょっと取ったかなって感じで。ラオスは是非みなさん機会があったらご一緒しましょうっていうぐらい」
千「ご一緒しましょうって『国府弘子と行くラオスの旅』みたいなね(笑)。今後いろんな活動の中でこれからどんなふうになっていくんでしょうね」
国府「すごく今年思ったことはいろんな、今日の千里さんもそうですけど歌手のかたとかいろんな楽器の奏者と共演してきて、過去に確かすごく悩んでたんです。クラシックの学校出てジャズの勉強して、でも生粋のジャズミュージシャンかといわれると自信ないし、クラシックピアニストかといわれると自信ないしっていう悩んだ時期があったんですけど、今年フッとそれが全部抜けちゃって、あ、音楽のおいしいとこいっぱい栄養もらって自分の音楽を出せば、いっぱいいろんなジャンルの音楽が好きだっていうのはもう百利あって一害なしっていう結論に達しまして。ロックでもラテンでもポップスでもジャズでもクラシックも含めて。悩むことはないんだと思いました」
千「『ピアノヴォイセス』の中に詰まってますもんね、いろんなミュージシャンと一緒に二人でやってるテイクがいくつか入ってるんですけど、きっと知らない自分を一緒にやってるそのミュージシャンの人に引き上げてもらうような、お互いにそうやってテンションが高まっていくような、そんなアルバムに聴こえました」
国府「ありがとうございます」
千「また番組に遊びにきてください」
国府「いいですか」
千「もちろんです」
国府「じゃ来週」
千「来週はそこらへんに座ってて。いや、そんなことはない(笑)」
エンディングテーマは『弘子の秋時間』