Live Depot
Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
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Vol.132 2003/11/20 ON AIR (guest:中尾諭介)
「こんばんは、大江千里です。ようこそ。暑いですね。今日絶対冷えると思ってダウンを着て来たんですけど、もう意地になって今ダウンを上までチャックを…ファスナーを、チャックって今なかなか言いませんけどね(笑)、ファスナー上げてますけど暑いです。本番中にいっぱい汗かくと思いますけど許してねという感じですけど。東京FMホールから生中継度でお届けするLive
Depot、今夜のゲストは二度目の登場です。前回はIn the Soupとして結構この番組でも波紋を呼びましたけど、このたびバンド活動と並行してソロ活動をスタートということで今日はソロアーティストとしての登場です。中尾諭介!」
(中尾諭介登場)
千「(笑)、何だそれは。手足を大きく開けてコマネチポーズ、何をやってるんでしょうか(笑)。久しぶりです!」
中尾「お久しぶりです」
千「去年の春ですか、In the Soupで来てくれたときは」
中尾「『グリーングリーン』やりましたね」
千「やりましたね、セッションで」
中尾「顔近くないですか」
千「顔近いですね。僕、結構ダウンジャケット着てこんな近い場所行くと暑苦しいっていうね(笑)。失礼しました。バンドのメンバーいないと勝手が違ったりしますか。今日はどんな気分で?」
中尾「今日のライブですか。今日のライブはしんなりと大人な感じでドカーン!と。ドカーン!としんなりと」
千「どっちなんでしょうか(笑)。今回アルバム『好きです』リリースされましたけど」
中尾「ありがとうございます」
千「僕は二回目なので会うの楽しみにしてましたけど今日もドッカンドッカンいろいろ喋りまくって歌いまくって楽しませてください」
中尾「はい!(千里さんの顔がまた近かったようで)ワハハハハ、ジャケットでこういうジャケットありましたよね」
千「(笑)、結構アップのジャケット多いんでね。また近寄り過ぎてましたけど。今、全国回ってるんですよね」
中尾「インストアライブとか回っています」
千「どうですか、各地の反応っていうのは」
中尾「やっぱり地方色っていうのが。色(しょく)が違いますね」
千「色(しょく)が違いますか(笑)」
中尾「はい」
千「それだけですか(笑)」
中尾「ひとつひとつ言ったほうがいいですか」
千「例えば北海道は?」
中尾「北海道は寒いだけにあったかいんですよ!明日も行くんですけど、もあ〜ん、いや、もあ〜んじゃなくポカーッとしますね。ポカーッというかポカポカしてますね」
千「(笑)、ああ、気持ちがね、伝わってくる。外はしばれるけど中はポワンとしていると」
中尾「反動がくるんじゃないでしょうかね」
千「なるほどね(笑)。じゃ、そんな感じで後でゆっくりそこらへんの話も聞かせてください。今日の編成は中尾さんのアコースティックギターとサポートで鳥羽さんが来てくれてますけど、アコギとバンジョーです。じゃ演奏前にもう一回、中尾さんからこのステージへの誘いをラジオを聴いてるみなさんにどうぞ!」
中尾「あ、ラジオ聴いてるみなさんにですか。中尾諭介です、よろしくお願いします。ラジオ聴いてるみなさん、今日はしんなりといきたいと思いますんで、眠らないように注意してください」
(中尾諭介ライブ)
『相合傘ダンボール』『砂時計』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ)大江千里のLive Depot。東京FMホール、今夜のゲストは中尾諭介!ステージ中央にアコギの中尾くん、そして上手のほうに鳥羽さん、そして下手のキーボードに私、大江千里が板ついております。前回In
the Soupでこの番組に出てくれたときは『グリーングリーン』という曲をやりました。今回一緒に演奏する曲は泉谷しげるさんのあの春夏…」
中尾「秋冬」
千「いきましょうか」
(セッション)
泉谷しげる『春夏秋冬』(三人の演奏にボーカルは中尾さんと千里さんが交互に)
千「いやースリル。リハーサルで二回やって毎回違うよね(笑)。どこを歌うかというのも決めてないのよ。中尾くんがこっちを向くと俺が歌う、みたいなね」
中尾「いやーおいしいところを忘れてましたね」
千「忘れてましたね。なんだっけ?おいしいのって」
中尾「それ以上においしくなりましたね」
千「なんか最後のほう…」
中尾「二人でいくってとこがね。僕、オレオレ症候群なもんで一人でいっちゃいました(笑)」
千「鳥羽さんがね、優しい顔で一瞬グッと止まるんですよね(笑)。フォークって昔から結構聴いてたんですか」
中尾「10代の頃ですね、僕が中学校のときとか高校のときとか聴いてましたね」
千「どんな?」
中尾「フォークソングですか。(上を脱ぎ始めた千里さんに)さすがさり気なく脱ぐところが。落語家っぽいところがありますね。長渕さんとか吉田拓郎さんとか」
千「今回のアルバムにも入ってますよね」
中尾「中島みゆきさんとか聴いてましたね」
千「元々アコギを弾き始めたきっかけっていうのは?」
中尾「きっかけは高一のときに中庭で友達が音楽室のギターを借りて来て中庭でやってて、で、僕が横に座ったら教えてくれて」
千「Gはこうやるんだよって?」
中尾「そうそうそう、僕は無理だからっつって、ギターとかそういうかっこいいのは無理だからって言ったんですね。友達が教えてくれたら、そのGのコードはこうやって押さえるとか指はこうなんだとか、その仕組みがわかったんですね」
千「何個ぐらい教わったんですか」
中尾「四つぐらいですね。Gってこういう形なんだよ、指のGの押さえ方、あ!なるほど!って思って。てっきりオタマジャクシとか五線譜とかそういうのがわからないと無理なもんだと思ってたんですね。それがGとかいうアルファベットを四つぐらい覚えれば、なんかそれっぽく聴こえるっていうのを知って、そこでまたフォークソングとなると結構それでいけちゃうじゃないですか」
千「最初は何を弾いたんですか」
中尾「最初は忘れもしないですけど♪ウォーウォーウォーウォーウォウォウォーウォー、清原の歌ですよ」
千「あー!(笑)、今、一瞬幽体離脱したんかと(笑)」
中尾「あれはG押さえてDやってCマイナーやって、その一個一個をこっちの手でやって、♪ウォーウォー…ウォウォーみたいにやってましたね」
千「なるほど(笑)。昼休みにGを友達から教わるっていうのが」
中尾「その思い出がなんともいえないですね」
千「バンドやってて、それでフォークの原点に戻るような気持ちになったっていうのは自分の中でその原点を忘れたくないというか、そこらへんの気持ちをもう一回やってみようかなっていうきっかけは何かあったんですか」
中尾「きっかけは自分がそう思ったからですね」
千「思ったら、それも吉日で(笑)?」
中尾「30手前だったっちゅうこともあり」
千「あ、30歳になりましたか。アマチュア時代からこだわってる中尾流フォークの美意識みたいなのっていうのはあるんでしょうか」
中尾「特にないですね」
千「自分でやるときに何にこだわってやってます?」
中尾「いやもう、そのまんまですね。フォークソングって僕あまりわかってないですけど、簡単なコードで自分の気持ちが言いやすかったんですね」
千「まず気持ちがあって、後からコードがついてくるっていうのが」
中尾「ギターは二の次的なところ?もちろん今、僕はプロミュージシャンですからアコギリストとしてね」
千「アコギリスト。そんな言葉あったっけ?」
中尾「日本の中でも屈指の、お前はアコギリストだなーっていうのを良くいわれますけどね」
千「ええ、ええ、ええ。さぁ、じゃ、みなさんのメッセージにいってみましょうか(笑)」
中尾「すみません!こけ方わからなくて」
千「こける場所もないしね、ここ。『中尾さんはインストアライブなどで全国回ってますけど移動中は何をしてらっしゃるんでしょうか。音楽聴いたりしてらっしゃるんでしょうか』」
中尾「途中?移動中はですね、飛行気の中とかは寝てますことが多いですけど。いろんな人との出会いもあってね」
千「飛行気の中でですか」
中尾「あまり話したりしませんけどね、こういう人がいるんだ、とか」
千「あ、人間観察ね」
中尾「観察もしてないですけど。ボーッとしてますね。ボーッとしてて、隣の隣ぐらいの人の口開けて寝てて、なんかクセーなと思ったら口が臭かったりね」
千「それがオチやってんね。今、自分で言っちゃったけど」
中尾「オチっていうか、もうちょっと笑いがくるだろうと思ったんですけど」
千「(笑)、移動のときに音楽聴いたりってするでしょ?」
中尾「あーしませんね」
千「なんか音楽から一回離れましょうかね(笑)。これどうですか、『中尾さんが今欲しているものってなんでしょうか』」
中尾「最近リストに上げたんですけど、ガリガリくん、ガリガリくんは最近いつも冷凍庫の中に」
千「いくつぐらい?」
中尾「もちろん一つずつ。普通のソーダ味のやつを一個入れておくっていうのが最近の日課になってるんですが」
千「じゃ今日もいい演奏して家に帰ったら冷蔵庫開けたら一個ガリガリ食べると」
中尾「♪ガーリガリくんって食べまして。あれ、落としちゃうとかわいそうなんですよね」
千「(笑)、いろいろ話聞きたいんですけど鳥羽さんがスタンバイして待ってはるんで後半のステージの準備を(笑)」
(中尾諭介ライブ)
『好きです』『こころ』
千「お疲れさまでした。どうでしたか?久しぶりにソロで出たこの番組っていうのは。前回とは随分違いますよね」
中尾「違いますね。バンドやる前にフォーク喫茶とかで歌ってたんですね。そういう雰囲気にすごく近いなぁと」
千「バンドでやってて、今また一人で歌ってるっていう。前に一人で歌ってたときと違いみたいなのってある?レコーディングを通じてでもいいんだけど」
中尾「漠然となんですけど、やっぱりより大人になったなと、自分が。思うところも多少ありますね。それは、10代の頃っていうのはひたすら俺、お前なんか誰も見てねーよってところでの路上で俺、畑の真ん中での俺、部屋の真ん中での俺」
千「(笑)、いつも俺」
中尾「俺が俺を見てる、俺だけを見ている。結構半径がめちゃめちゃ狭かったですね。そこで自分に羽ばたきたいっていうのをバーンとやってたんですけど、もがけばもがくほど絡み付く感じでしたね、昔は」
千「もの作ったりするときの、その孤独というか一人感っていうのは10代のときに俺が俺を見てる、みたいな部分に通じる部分だと思うんだけど。両方あるんだろうけど、なんかよりアコースティックでやるとすごく自分自身の内面っていうか本質みたいなものが出やすいというか、そういうのも」
中尾「非常に自分を見たりしますね」
千「長渕さんの曲を歌ったりするのって意外と大変じゃなかったですか、レコーディングのとき」
中尾「意外に大変でしたね。やっぱり10年前の自分は無我夢中で、それをコピーしたりしてたんですけど、今日から俺、東京の人になるっていうね、やってたんですけど、今回瀬尾一三さんというプロデューサーの前で大熱唱しちゃいまして」
千「長渕剛さんとか中島みゆきさんとか、そうそうたる面々をプロデュースされてる方ですけど、その人の前で?長渕乗り移るぐらいの勢いで?」
中尾「それはさすがに。僕は長渕さんからもらったものが、お前はお前の歌を歌えよっていうことを僕は感じ取ったんですね。俺は俺でやってるからとメッセージをもらったんですね、10代の頃に。僕はわかった、わかった、剛さん、僕は自分で自分の歌を見つけるよと。あんたはあんたの歌があればいいよと。で、自分の歌を確立したつもりだったんですね。で、瀬尾さんの前で大熱唱したら、もちろん瀬尾さんは長渕さんのプロデュースもしているから良く知っていて、君が熱いのはよく分かったと。よく分かったし長渕の亡霊がついていると。それを取ることから始めようといわれて、エーッと思って斜線が入りましたね」
千「(笑)、ガーンッて?」
中尾「男30にして初の挫折ですね」
千「(笑)。In the Soupはやり続けるんですよね。今、曲作り期間って感じですかね。このソロプロジェクトやるのメンバーはなんて言ってたんですか」
中尾「やりたいことがあればやればいいんじゃないかと」
千「元々In the Soupって中尾くんとメンバーのぶつかり合いみたいな、そういうスパークが面白いバンドなのかなって思ってたんだけど」
中尾「四人それぞれがそれぞれにぶつけあっていくのが、うちのバンドのいいところじゃないかなと思っています」
千「2004年に向けて何か準備していることありますか」
中尾「2004年やるのは、僕最近思ったんですけど、やっぱり!やっぱり!俺っち、一番の幸せっていうのは曲ができたときだと。曲が!曲がですね、曲をバンバン作っていこうかなと」
エンディングテーマは『Why Not』