Live
Depot
Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri/
Vol.138 2004/01/15 ON AIR (guest:ガレージシャンソンショー)
「どうも!東京FMホールのみなさんようこそ!そして東京FMをお聴きのみなさん、中国、パラオでも放送してるんですけど、中国、パラオのみなさん、そしてブロードバンド、東京MXテレビをご覧のみなさん、こんばんは、大江千里です。Live
Depot、2004年最初の公開放送、いよいよスタートしました。今年も音と映像でたっぷり様々なアーティストたちの生演奏をお届けしていきたいと思います。みなさんとともに音楽を通じて一年間楽しい年にしたいと思います。よろしくお願いします!さっそく新春最初のゲストをお迎えしましょう。ボーカルとアコーディオンによる驚愕の二人ぼっちユニット、大きな拍手をお願いします、ガレージシャンソンショー!」
(ガレージシャンソンショー登場)
千「いやぁ、まずビジュアルに圧倒されますけど。まずは一言ずつご挨拶を山田さんの方から」
山田「新春シャンソンガレージショーです。唄うたいやっております。いきなり外してしまったようです。山田晃士といいます。よろしくお願いします」
千「(笑)、よろしくお願いします。そして無表情ですが、もうひとかた紹介しましょう」
佐藤「アコーディオンを弾いております。ラジオです。頑張って喋ります。滑舌の悪いアコーディオン弾き佐藤芳明でございます。よろしくお願いします」
千「滑舌が悪いですか(笑)。アコーディオンの佐藤さんは白のしわの入ったシャツに頭もつんつんハリネズミのように。そちらの方も白い色になっていますけど」
佐藤「そのようになっております」
山田「全くその通りです」
千「…はい(笑)、圧倒されました。そして山田さんは赤のシャツに、なんて言うんですか、デッキ…」
山田「杖」
佐藤「それを言うならステッキでございますね」
千「あ、ステッキですよね(笑)。滑舌いいですよね」
佐藤「頑張ってます」
千「お二人をちょこっと紹介させて下さい。山田さんは94年『ひまわり』大ヒットしましたけど、この曲でソロデビュー。で、現在は自分のバンドもやりながらガレージシャンソンショーをやられているという」
山田「(千里さんがユニット名を詰まりながら言うので)ガレシャンで結構でございます」
千「あ、ガレシャンでいいですか。何回もとちりそうになってしまいますけど。佐藤さんは様々なジャンル、ケミストリーとも…」
佐藤「ツアーをサポートやっておりまして」
千「もう本当にアコーディオニストの奇才ですけど、そんな二人きりの強力なユニットがこのガレージシャンソンショー(笑)というわけで、三年前に結成されて定期的にライブを行っている、去年の秋にはアルバムも。今年このTFMホールから最初の放送なんで、ひとつ盛り上がっていきたいと思います。よろしくお願いします。ステージ中央に丸テーブルあるんですけど、燭台がその上に置いてあってろうそくが三本…」
山田「どうしたんでしょうか」
千「私に聞かれても(笑)」
山田「炎がないと私歌えないんです。炎が消えていくと声もだんだん小さくなっていってしまうわけですね」
千「じゃ、たっぷりろうそくがないと」
山田「そうですね。時おり予備もない、今日も実は予備がないんですけど」
千「この三本に命をかけると。これは今日のLive Depot用の三本の長さですよね。微妙ですよね」
山田「実はリハーサルであんなに火をつけると思わなかったんです。ずいぶん短くなってしまいました」
千「(笑)、この番組、入念にやりますからね、リハ」
山田「今年も予想のつかないことがいっぱい、そういう気分です」
千「ハラハラドキドキしながら今日は楽しめるということで。初めてガレシャンを聴くみなさんに一言、ラジオの前のみなさんに今日のショーへの誘いをよろしくお願いいたします」
山田「新春初めてお呼び頂いたということでおめでたいのですが、どうかこの番組が終わる頃にはみなさん奈落に落ちて、そういう気持ちをこめて歌います」
千「(笑)、そんな恐い」
(ガレージシャンソンショーライブ)
『いざ進めよ、いばらの道を』『ななかいのバラジョー』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)東京FMホール、大江千里のLive Depot、今夜のゲストはガレージシャンソンショー!ピアノの前に大江千里陣取りました。今日は三人で次の曲をお送りしたいと思います。これは『Alabama
Song』というんですけど、ちょっと教えていただけますか」
山田「『Alabama Song』というのは私の大好きなクルトワイルという作曲家が作った有名な曲でして、我々ガレージシャンソンショー、昨年の九月にファーストアルバムを出したのですが、実はその一年前に『my
ジャバラ way』というオムニバスのアルバムにこの曲で一曲参加しているので」
千「それがじゃあ最初なんですね」
山田「そうですね。レコーディング体験としてはガレージシャンソンショー初めてレコーディングした曲です」
(セッション)
『Alabama Song』(千里さんはピアノでの参加でしたが、かなり不思議な感じの曲でした)
千「これは三文オペラでも知られるドイツの作曲家クルトワイル作曲というふうに資料はなってます。すごい古典的というか30年代の。すごい展開の曲ですよね」
佐藤「めちゃくちゃですよね」
千「メロディもすごい飛ぶし(笑)」
山田「ルールなし!みたいなところが面白いですね」
佐藤「私は実はドアーズのジムモリソンが大好きで。彼が亡くなった年を遥かに越えてしまったので長く生きようと思ってるんですけど」
山田「彼が大好きで、私はドアーズのファーストで曲を知ったんですよね」
千「ドアーズが入り口で。この二人が初めてレコーディングした曲だってさっきおっしゃってましたけど、もともと二人が出会ったのはどういうきっかけだったんですか」
山田「友達の紹介です」
千「(笑)、あ、そうですか。そもそも聴いてる音楽ってどうだったんですか。山田さんは?」
山田「私は今でもポップでキッチュなガレージシャンソン歌手という名のロックシンガーなんです。だからロックミュージックが大好きです。で、彼は」
佐藤「ジャズだのクラシックだの、あとは民族音楽だの人が聴かないような音楽が大好きという」
千「クラシックって音大か芸術の」
佐藤「音楽大学というところにいってましたね、そういえば」
千「山田さんは『ひまわり』出されて」
山田「そのあと私は、『ひまわり』出したときもそうだったんですけど、フランスの歌手達がすごく好きで。私は辛いことがあると逃げてしまう人間なんです。なので逃げるようにパリに行ってしまって。で、ひざを抱えて生きていたわけです」
千「(笑)、アパートで。佐藤さんは?」
山田「僕はアコーディオンの勉強をしにフランスに行っておりまして」
山田「同じ時期にいたんですね。ただ初めて会ったのは日本だったんです」
千「きっかけが微妙ですよね。佐藤さんはアコーディオンの勉強っていうことですけど、向こうでどうでした?パリって狭いんですか」
佐藤「町自体はこじんまりした感じなんですけど」
千「民族とか…」
佐藤「かなりたくさんいろんなかたがいらして面白い経験をしましたけど」
千「シャンソンっていうとすごくステレオタイプだけどパリ、そしてすごい華やかなイメージがするんですけど、ガレシャンの前半ステージを聴いてると、さっきロックっておっしゃってたけど、もっとゴツゴツした感じっていうか」
山田「ガレージシャンソンショーというのは、こんなことを公共の電波で言うことじゃないんですけどシャンソニエのかた達に実は叱られたくもあるんですね。で、僕、ぜひ謝りたいです」
千「(笑)、言葉は変かもしれないけどジャンクっぽい捉え方みたいなとこあるんですかね」
山田「B級的なものとか、そういうのがすごい好きなので二人であまり音楽の話もせずに、どんな服着ようかとかどんなネタやろうかとか、そういうことで続いていくユニットなんですね」
千「音楽的な形はシャンソンっていうふうに聴こえてはいるけどシャンソンというカテゴライズするものっていうのは山田さんの中ではどういう?」
山田「私にとってのシャンソンは独断ですけど華があり毒があるということです。その毒の部分は…、こんな偉そうなこと言っちゃって俺何言ってんだろう」
千「いやいや聴いてみたいですけど」
山田「なーんちゃって、みたいな感じなんですけど、日本の場合は毒を放ってるかたがいらっしゃるんですけど少ないので寂しいところですかね」
千「エディット・ピアフとかいう人は人生の悲哀とか毒の部分もそうだし、光と影を歌ってるというのありますよね。日本で歌われてるのはきれいな部分が」
山田「アンダーグラウンドな中にものすごいかたもいらっしゃるんですけど、みんな崖から飛び下りてるかたが多いので私たちは崖に留まりたいなというところですね。何かディープな話になってきましたね、新春から。いいのか、東京FM、みたいなね。ちょっと言い過ぎました」
千「(笑)、燭台があって宴というか、ちょっと秘密の密やかな」
山田「密会という感じですね」
千「今日いただいたメッセージを紹介しましょう。『ガレシャン初心者です。少しでも二人を見たいと応募しました。晃士さんの歌声とアコーディオンで異質なのにぴたっと寄り添っていると思います。初心者過ぎて質問が浮かびません。今度差し入れをしたいと思うのですが、どんなものが良いでしょうか。甘いものは食べられますか』」
山田「甘いもの食べられますよ。甘いものも好きなんですが飲むと心が変わる液体も好きですね」
千「あーいいですね。さっき歌詞の中にも出てきてましたもんね」
山田「ちなみに私は最近ワインをいつも、こういうところではないライブでは飲みながらやってるんですけど、ちなみに私は最近ウィスキーが好きなんです。ウィスキー」
千「かなり強いやつを入れてますね。佐藤さんの方は何かリクエストありますか」
佐藤「…考えます」
千「(笑)。もう一枚『パリでもいずれライブはしますか』」
山田「やりたいですね。現地集合現地解散でやりたいですね。日本語でやりたいです」
千「どういうふうにパリジャンに聞こえるでしょうね」
山田「多分受けると思うよね、ガレージシャンソンショー」
佐藤「全部日本語でね。いいんじゃないの」
千「いいな、その投げ放つような言い方(笑)。二つ目の質問なんですけど『ロックシンガーとかシャンソン歌手の方々、コラボレートしたいと思ってるかたはいますか』」
山田「いっぱいいらっしゃるんですけど雲の上にいかれたかたが多いので私が雲の上に行ったときに雲の上でセッションしたいと思っています」
千「シャンソンぽく聞こえますね、それ」
山田「何かいいこと言っちゃいましたね、不覚にも」
千「メモらせて頂きます」
(ガレージシャンソンショーライブ)
『素晴らしきプチブルジョア』『流浪の朝謡』『幕切れはひとり』
千「お疲れ様でした。天井が高いこの響きがいいホールは…」
山田「いいですね。こういうアコースティックな形態では非常にいいですね」
千「佐藤さんのアコーディオンと山田さんの声と、それが時にウォーッと」
山田「天井が高いのいいね」
千「いかがでしたか、佐藤さん」
佐藤「…そうですね」
山田「低い方が好きですか」
佐藤「そうですね」
山田「僕達は時々噛み合ないんですよね」
千「(笑)。すごい劇場に来たような、グイグイ引き込まれていく感じがね。去年の九月に出たアルバム『ガレージシャンソンショー』、短編小説のような曲がいっぱい入ってますけど、これはズバリ聴きどころを山田さんの方から」
山田「このアルバムを一言で言うと醜く生きている、ということです」
千「(笑)、ちょっとなんか聴きたくなりますよね。(マンスリーライブのお知らせ)2004年今年はガレージシャンソンショーとしてどんな感じで活動していきたいですか」
山田「今年は地上に出てみなさんの顔を、穴から顔を出して眺めたいと、そのように思っております」
千「(笑)。ガレージシャンソンショーとして将来的に考えている夢とか、漠然としますけど何かありますか」
山田「実現できるかどうかは別として我々はテント小屋みたいなのを持って歩いて音楽に関わらず例えば、こういうことラジオで言っちゃっていいのかな、SMショーであるとか、そういうものも交えてサーカスとか、そういうことやっていけたらいいなと思ってますね」
千「テントいいですね。テントやるとき呼んで下さいね」
山田「じゃ、一緒に玉乗りを」
千「玉乗りは僕できるかどうか(笑)。かなり時間かかりそうですけど」
エンディングテーマは『日々の泡』