Live Depot
Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri/

Vol.139 2004/01/22 ON AIR (guest:岡本知高

(岡本知高ライブ)

『アレルヤ/モテット「踊れ喜べ、汝幸いなる魂よ」K.165より/W.A.モーツアルト』
千「大江千里のLive Depot、岡本知高のステージ、モーツアルト作曲『モテット踊れ喜べ、汝幸いなる魂へ K.165』から『アレルヤ』でした。どうもありがとうございました。東京FMホールへみなさんようこそおいで下さいました。そしてFM放送を今聴いてらっしゃるみなさん、ブロードバンドでお楽しみのみなさん、こんばんは、大江千里です。改めまして今夜のゲストを紹介しましょう。ソプラニスタ岡本知高さんです」
岡本「どうもこんばんは、ソプラニスタの岡本知高です」
千「まずは一曲披露していただきましたけど、いかがですか、この天井の高い」
岡本「こんなにすばらしいホールが東京FMにあるなんてビックリしましたね」
千「そして素晴らしいといえばこのお衣装」
岡本「今日はちょっと地味でしょ」
千「(笑)、いやいや、かなり地味ですね。まばゆいばかりです。岡本さんは男性でありながら女性ソプラノの音域を持つ男性ソプラノつまりソプラニスタということで、世界で三人しかいないという。ちょっとヒストリーを紹介させて下さい。岡本さんは1976年高知県でお生まれになって27歳、音楽大学在学中から数々のコンクールで入賞、優勝を果たしてパリに留学、そして首席で卒業、去年11月にCDデビュー。今、拍手が起きましたけど。首席で卒業。拍手ですよ」
岡本「(笑)、ありがとうございます」
千「あたたかいお客さまです。そして去年11月にCDデビュー、オペラ、アリアなどのクラシックに限らず日本の唱歌そしてポップスも幅広く、いろんな場所でいろんなタイプのコンサートを」
岡本「はい、大好きな曲を集めました」
千「今日もあったかーい素晴らしいコンサートになりそうですね。よろしくお願いします。初めてクラシックの声楽家のライブを聴くんだってかたももしかしたらいらっしゃるかもしれないし、FMをお聴きのみなさんに一言メッセージをお願いします」
岡本「今日は先ほど歌った宗教曲やオペラそれから日本語の、みなさんご存じの曲もお送りしていきたいと思っております。どうぞ最後までお楽しみ下さいませ」
(岡本知高ライブ)
『アヴェ・マリア/L.ルッツィ』『今の歌声は/オペラ「セヴィリヤの理髪師」より/ロッシーニ』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)ちょっと雪のイメージで弾いてみましたけど。大江千里のLive Depot、改めて紹介しましょう。今夜のゲストは岡本知高さんです。今日は二人で、雪がこれもね」
岡本「そうですね。今日はちょっと衣装にもちなんで」
(セッション)
松田聖子『Pearl-White Eve』(千里さんに合わせて岡本さんが朗々と歌い上げてました)

千「松田聖子さんに僕が書かせていただいた『Pearl-White Eve』という曲を今日は」
岡本「なんかHな曲ですよね(笑)」
千「よくよく聴けば。情感を込めれば込めるほど」
岡本「この僕の声で歌っていいのでしょうかっていう」
千「いろんなふうにみなさん感じられたと思いますよ。いろんなふうにイマジネーション膨らませて聴ける声というか」
岡本「でもメロディがとっても好きなメロディだったもんで。特にさびのメロディがね、大好きでしたね」
千「ありがとうございます。ポップスとのこういうコラボレーションっていかがですか」
岡本「僕は音楽のジャンルに関しては何でも聴くほうなので。勉強はオペラをしましたけど、大変自分にとっても歌いやすいです、ポップスというのは」
千「なるほど。男性といえばバリトン、テノール、そしてバスって思うんですけど。男性でソプラノ、ボーイソプラノじゃないですもんね」
岡本「ボーイソプラノでしたら大人になってもメールソプラノですね」
千「声楽家への道っていうのは最初はどういう。自分が人より声が高いなっていう最初の自覚っていつぐらいだったんですか」
岡本「実はこれが音楽大学に入ってからだったんですよ」
千「音楽大学っていうのは先生を目指してたとか、そういうことですか」
岡本「先生を目指して。音楽の先生になるためには楽器でもピアノでも何でもいいんです。先生を目指す専門の科がありますので、そこを受験したんですけど、そこに入試に声楽の試験が入ってきまして初めて声を先生に聴いていただいたんです。それが高校三年生になってからでしたので大変遅かったんですね。自分の声のことをうんたらかんたら言ってる暇もなく、『君、その声ちょっと特別だから教育科ではなくて、もっと個性をのばす声楽科を受験しなさい』ということで声楽科を受験したんですが。僕にとってこの声っていうのは本当にナチュラルな声なんですよ」
千「もしもしって言うときも?」
岡本「そう、もしもし岡本です。声に関するハプニングなんてたっくさんありますから」
千「(笑)。どうやったらそういう声量のある大きい豊かな声が出るんですかね」
岡本「一に訓練、二に訓練なんですけど。体の中をからっぽにして、僕達マイクを使いませんから、からっぽの空洞を全部響かすイメージですね。頭がい骨の中の穴という穴、全部響かせます」
千「(笑)、ありがとうございます。表現がリアルですよね」
岡本「体中にいろんな穴がありますので」
千「もう穴はいいって(笑)。声を保つためにいろいろ大変でしょうね。そろそろえんしょうに…、えんしょうにだって、頭が炎症、みたいな。戻りましょうかね。よろしくお願いします」
(岡本知高ライブ)
『涙のアリア(ドラマ「牡丹と薔薇」主題歌)/原曲:オペラ「リナルド」』『さくら』『翼をください』
千「音楽を聴いてるという感覚と一緒で音楽を見てるっていう感覚がすごくあって、全てを超越してますね。すごいパワーをありがとうございました」
岡本「ありがとうございます。だんだん衣装が地球離れしていくと言われています(笑)」
千「今、宙づりこそないんですけど飛んでましたね、僕の中で」
岡本「気分は大空を舞ってましたね」
千「いかがでしたか、今夜のステージは」
岡本「今日はラジオと言えどお客さん、こんなに大勢みえてらしてますからドキドキしましたね」
千「歌い足りない感じもないですか」
岡本「そうですね、コンサートだともっともっと歌いますから」
千「何曲ぐらい歌うんですか、普段は」
岡本「15、6曲ですかね」
千「そうですか。さて去年11月にファーストアルバム『ソプラニスタ』が出ました。デビューにして二枚組、Disc1はクラシック、そしてDisc2のほうはポピュラー、『少年時代』とか」
岡本「今歌った『さくら』とか『蘇州夜曲』なんてね、李香蘭で古いんですけど、あと『川の流れのように』とかそういったみなさんに親しんでいただけるように入れてあります」
千「役者というかグワーッと歌の中に入ると引き込まれますよね、見ててね。本当にオペラを目の前で見てる感じとか、いろんなところに連れてってもらって楽しめます。そして昨日、新曲が出ました、『涙のアリア』。これはヘンデルが作曲して『私を泣かせて下さい』というヘンデルの曲をベースに松本隆さんが作詞をされたということですけど」
岡本「とてもテイストが変わってオペラとはまた、詞もとっても美しいので大変気に入ってます」
千「(コンサートのお知らせ)なんとあのモスクワフィルハーモニー交響楽団とジョイントで。指揮はどなたですか」
岡本「えーと、忘れました」
千「忘れました(笑)。乞うご期待ですね」
岡本「超有名な指揮者でしたよ(笑)」
千「僕も振ったんだけど、さっき読んだのに忘れちゃったんですね(笑)。すいません、二人して。これからはどんなふうに活動していきたいですか」
岡本「お客さまに楽しんでいただけるっていうことが僕にとって一番うれしいことですので、僕の声を通してみなさんがよくご存じの日本語の曲もたくさん歌って、もちろんオペラも軸足におきまして、今年も一年頑張っていきたいと思っています」
エンディングテーマは『岡本祭り』