Live Depot
Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri/

Vol.145 2004/03/04 ON AIR (guest:白鳥マイカ
「こんばんは!大江千里です。ようこそ!ラジオをお聴きのみなさんも一週間のご無沙汰です。三月に入ったというのに今週は寒いですけど、僕は今日ここに来る途中に桜の木を一本発見してしまいました。花が咲いてましたね。季節が行ったり来たりですけど今日は透き通った女性ボーカルを堪能していただきたいと思います。シンガーソングライターの白鳥マイカさんです。どうぞ!」
(白鳥マイカ登場)
千「どうもこんばんは、はじめまして」
白鳥「はじめまして」
千「白鳥さんは76年生まれ、東京出身、高校卒業後にイギリスに渡って音楽を始めて。そのときに初めて音楽を?」
白鳥「そうですね。二十歳ぐらいから」
千「97年に日本に戻られて去年シングル『Someday』がスマッシュヒットということで。あのトワ・エ・モワの白鳥英美子さんの」
白鳥「そうです(笑)、娘になりますね」
千「今日の出演に関してはお母さまと何かお話しされたんですか」
白鳥「別々に住んでいるので今度大江さんに会いに行きまーすぐらいで(笑)」
千「今、初のコンサートツアーに向けて。エレキでやるとかって」
白鳥「やりますね」
千「家でもヘッドホンかなにかして?」
白鳥「家ではアンプが大きすぎるのでやってないですけど(笑)。スタジオなどでやってます」
千「エレキとアコギというのはかなり気分も変わる?」
白鳥「違いますね」
千「今、どんな感じですか」
白鳥「今ですか?燃え上がってますね」
千「(笑)、今日は一転してアコギで。今日の気持ち、こんなステージにしたいなとかリスナーに向けてのメッセージを一言」
白鳥「今日はアコースティックなので素の私を体験して下さい」
(白鳥マイカライブ)
『Someday』『空かける虹』『Red Clover』
-CM-
千「(千里さんのピアノ演奏)セッションタイム!東京FMホールから生中継、大江千里のLive Depot、今夜のゲストは白鳥マイカさんです。落ち着いてますよね。歌ってるときもそうだけど、たたずまいがすごく大人っぽいですね」
白鳥「やだー、普段はわーっとかやってますよ(笑)」
千「やだーってところで急にピッチがあがりましたね(笑)。今日はステージ上、中央のスツールに白鳥さんが腰掛けて、僕は下手の方のキーボードのところにセットアップしました。僕もこの曲は生まれて初めて演奏するんですけど、懐かしいこの曲」
(セッション)
シニード・オコーナ『Nothing Compares 2 U』
(千里さんのピアノ伴奏に白鳥さんのボーカル。最初座っていた白鳥さんは途中から立ってピアノのそばで歌ってました)

千「この曲はプリンスが作った名曲ですけど90年シニード・オコーナという、スコットランドでしたっけ?」
白鳥「アイルランド」
千「アイルランドか、女のかたですね、歌われて全米英共にナンバーワンヒットになりました。こういうセッションというのはよくやられるんですか」
白鳥「ほとんどないですね」
千「この曲はマイカさんのリクエストなんですけど、思い入れというか。元々どんな音楽を聴いて?」
白鳥「結構自分がこういう曲を歌ってるわりにはロックが好きで。男の人のロックなヘビーなのをずっと聴いてきたんですよね。でもシニード・オコーナはアイルランドの人なので、アイルランドの人ってすごく独特な発声法だったりして女性の曲でも強くって結構聴いてたりとかして。唯一、女性で聴いてる感じかな」
千「ロックて人によっていろんな解釈あると思うけど、分かりますよね。ジョニ・ミッチェルをふと思い出したんだけど、彼女もすごく静かな音楽を作ってますけど強いですよね」
白鳥「ジョニ・ミッチェルは音楽をはじめてから聴きはじめて」
千「彼女も絵を描いて自分のジャケットが自画像になってたりするからマイカさんともかぶさってるところがあったんですけど。お母さんがシンガーとしてサクセスされてて素晴らしい作品を残されてて、なおも今も歌ってらっしゃる、そういう家庭環境の中でちっちゃい頃ってどうだったんですか」
白鳥「うちの両親はミュージシャンなんですけど母はどっちかというジョニ・ミッチェルのようなアコースティックなものを聴いていて父親はレッド・ツェッペリンみたいなすごいロックの方を聴いていて。でも二人で共通して好きだったのがビートルズだったりして。そういうのがいつも家に流れていたりしたので全部好き、みたいな(笑)」
千「いいなー。でも一旦二十歳のときにイギリスに行かれたんですよね。それって音楽の道をずっと、日本で歌手にっていうのは考えなかったの?」
白鳥「今だから言えるんですけど、ちっちゃい頃は歌うのが嫌いだったんですね」
千「歌ったり人前でしたことなかったんですか」
白鳥「恥ずかしくてできてなくて。親がいて周りの目もあったので、その反動で全然歌わなくて。音楽のテストでも歌わなかったから2になっちゃった、みたいな。そういうぐらい歌えなくて駄目だったんですよ。でも音楽好きだっていうのがどっかにあったみたいで、イギリスに留学したときは周りには全然知ってる人がいないので、その中で自分をどういうふうに表現していくかってなったときに好きなものを嫌いって言ってることが本当に無意味だなと思って。そこで、じゃあ歌ってみようかなってことに素直に思えたんですよね」
千「イギリスに行って屋根裏みたいなところで一人でラジオを毎日聴いて何をやってるんだろう?みたいなことを何かで(笑)」
白鳥「(笑)、何していいのかわかんないほどのちっちゃい屋根裏で暮らしてて、テレビもなくて唯一ラジオだけだったんですけど。自分と向き合う時間が多かったんですね。その代わりに、そこで見つけたというか」
千「屋根裏には猫とかいたんですか。マイカ一人?」
白鳥「一人です。本当に屋根が斜めになってたりとかして。寂しくなりますよ」
千「その後すぐ事務所に思い立って送ったんでしょ?テープを」
白鳥「帰国してから、ちょっと経ってからですかね。それまで曲作りしたことなかったので、どうやって作るんだろうみたいなところから始まって」
千「曲作るときって誰かの曲みたいな曲作ってみよう、みたいなことあるじゃないですか。物まねから入るみたいな。そういう作り方しなかった?」
白鳥「実はあんまりなくて」
千「じゃ自分の中から出してきたやつを」
白鳥「でも今まで聴いてきた分があったので誰かっぽくはなってたのかもしれないですけど」
千「英語の曲とか日本語の曲とか、どっちを聴いてても横に波があるっていうか。日本の曲って英語で歌ってても縦に割ってる曲が多いっていうか、それがまたキャッチーだったりするんだけど、流れてる感じが気持ちいいですよ。それで大人っぽく感じるのかな。今、宝塚にはまってると?」
白鳥「(笑)、見てみたいなと思ってて」
千「じゃ、まだイメージの段階ですか」
白鳥「そうですね。みんなに(チケットを)取れないよ、取れないよって言われるからますます見たいよってなってきて」
千「自分が男役の格好をしたいとか、そういうのではないんですか」
白鳥「それはないですね。でも昔ショートカットで髪が結構金髪っぽかったので、で、背も大きかったので名前もこんななので(笑)、そっちのかたかなとかいわれることありましたけど」
千「今は打って変わってロングヘアになりまして。リハーサルの最中に、例えばお家でリラックスしたいなってときには、どういうことをまずされます?お料理とか得意なんですか」
白鳥「料理は普通に食べる分ぐらいだったら」
千「『マイカさんは料理がうまいとお聞きしましたが得意料理はなんでしょうか』」
白鳥「えっと家庭料理な感じですね(笑)」
千「いいじゃないですか、家庭料理」(←「いいじゃないですか」と言い方がオバチャンぽい(^_^;)
白鳥「普通に煮物系です」
千「煮物、いいじゃない。何か(自分の言い方に)オバチャン入ってますよね(笑)」
白鳥「でもね、最近沖縄料理がすごい好きで。本買ってやってますよ。泡盛常備ですよ」
千「いいですね。で、それを盛り付けて食べて飲んで。曲はどういうときにできるんですか」
白鳥「お風呂入ってるときとか。あとニンジン切ってたりとかして、あー、きた、みたいな(笑)」
千「(笑)、指を切らないようにして下さいね」
白鳥「あんまり関係ないときに、音楽から外れているときに出てくるみたいですね」
千「僕も今創作最中なんで、こないだ川口恭吾さん来たときも、どういうときにできるのなんて話をしてたんですけど、後でちょっと楽屋でも聞かせて下さい」
(白鳥マイカライブ)
『君という朝日』『線』
千「このLive Depotが行われているTFMホールは天井がすごい高いんですけど、どうでした?歌われてみて」
白鳥「やっぱり声がすごく響くので、いいなーとか思いながら」
千「今バックで流れてる一月に出たシングル『空かける虹』、今回日本語の詞ですけど前回の『Someday』は全編英語、作るときに日本語と英語どれぐらいの割合なのか、日本語のときと英語で詞を書くときとの違いみたいなのって」
白鳥「ありますね。ずっと洋楽を聴いてきてたので日本語の詞を英語に置き換えて書こうっていうじゃなくて、英語でこの曲書きたいみたいな感じになって、ふっと英語が湧いてくる感じなんですよね」
千「内容的にはどうなんですか。ストレートな感じ?」
白鳥「英語の方が短い文章の中にずばっと言いたいことが言えるというかストレートに言ってるんですけど、日本語は違いますね。遠回りな言い回しだったり比喩っぽかったりとか」
千「そっちが心地よかったり」
白鳥「する場合もありますね」
千「詞に関してのマイカ流こだわりってありますか」
白鳥「私はいつも明日を見ているような歌が好きですね」
千「それはどんな苦境でも何か信じられるものを見つけて強く」
白鳥「終わりを歌うのはすごく嫌で。今自分たちは生きているのだから明日も生きていると思いたいし、そのために歌っているというか」
千「なるほどね。曲、メロディに関してはどうですか。ギターで作るの?」
白鳥「ギターで作ると分かりやすかったりするんですけど最近はギター禁止にしてみようかなって」
千「自分でギターを禁止に?」
白鳥「コードが決まってきたりするので」
千「あ、そっか、そっか。僕もピアノで作るときそうだね。やっぱり好きなコードがあって最終そこにいっちゃうよね」
白鳥「でもピアノで作るかたのメロディってすごく憧れるんですよ。大江さんとかも本当そうなんですよね。なんでここにいくんだ、みたいな発想があるんで。ピアノ弾けないんですけど触ってみようかな、みたいな(笑)」
千「でもおもしろかもしれないよね。ギターをメインで弾いてる人がピアノに触れたときにどんなメロディが出てくるかってね」
白鳥「ちょっとがんばってみます」
千「デモテープを作るときってリズムとか、こういうビートにしようってどういうふうに入れるんですか。リズムマシン使うとか」
白鳥「あまり機械使わないです。MDウォークマンとか置いて、その前で一人で弾きながら歌っちゃう。そうするとギターでビートがつかめるし、あとはアカペラでたまに持ってったりとか(笑)」
千「(ツアーのお知らせ)ファンの人はやっと見れるって感じだと思いますけど、どんな感じになりそうでしょうか」
白鳥「エレキも弾くしアコギも弾くし、いろんなタイプのマイカ、今年が三年目なので、それまでの私というのが全部見れるんではないかと思います」
千「気持ちが風船のように膨らんでポンとその日にいろんな意味で出せれば、熱くなればいいですね」
エンディングテーマは『肖像画』