Live Depot
Every Thursday, PM8:00〜from TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri
Vol.172 2004/09/23 ON AIR (guest:矢野沙織)
「こんばんは、大江千里です。ようこそ、みなさん!今宵はジャズです。日本ジャズ界の新星として注目を集めている17歳のサックスプレーヤーがこのLive
Depotに登場します。みなさん、盛大な拍手でお迎えしましょう。矢野沙織さんです!」
(矢野沙織登場)
千「こんばんは。黒のTシャツにジーンズにサックスを持って。リハーサルの時は腰に巻いてたショールっていうんですかね、本番では肩に巻いて登場ですけど。プロフィールを紹介させて下さいね。1986年11月27日東京生まれ、もうすぐ18歳、正しいですね?」
矢野「はい、そうです(笑)」
千「小学校四年生の時にブラスバンドでアルトサックスを始めて、これまでにアルバム二枚をリリース、報道ステーションのテーマ曲も沙織さんの」
矢野「そうですね、はい」
千「現在は高校三年生ということなんですけど、僕も高校三年の頃何やってたかなってちょっと思ったんですけど、やっぱりプロになりたいなぁと思ってデモテープ作りをやったりバンド組んで朝から晩まで音楽のことを考えてましたね。沙織さんもそうじゃないかなって思うんですけど、仕事と勉強両立という言い方もあれですけど、うまくいってますか」
矢野「ぼちぼち(笑)」
千「月に4〜5回ライブをやるって聞いてるんですけど」
矢野「平均的にはそうですね」
千「学校に通いながらもライブの選曲を考えたり練習をしたり。できれば音楽の時間もっともっと欲しいなんて思いません?」
矢野「思ってますね」
千「今日のステージは四人編成なんですけど、いつも一緒にこのメンバーでやること多いんですか」
矢野「そうですね。全く同じってことではないんですけど、ジャズなので。すごく私自身尊敬している先輩方とやらせていただいてるって感じですね」
千「毎回そういう意味じゃドキドキしながら」
矢野「そうですね、はい」
千「ライブの前っていうのはどうですか。緊張感をほぐす、いつもやるおまじないとかありますか」
矢野「特にないです(笑)」
千「そっか、そっか。演奏を始める前にラジオ聴いてるみなさんに一言今日の気持ちを」
矢野「今日は生放送ということですごく緊張しているんですけど、私のオリジナルも含めて大好きな曲ばっかりやるので、どうか楽しんで聴いて下さい」
(矢野沙織ライブ)
『Marmaduke』『砂とスカート』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)東京FMホールから生中継、大江千里のLive
Depot、続いてはセッションタイム、今夜のゲストはジャズサックスプレーヤー、矢野沙織!ステージの中央にマイクが立っていて、その前にサックスを持った沙織さん、そして僕はスタンウェイの前に今スタンバイをしました。今夜はジャズのスタンダードを二人でお送りしたいと思います」
(セッション)
『Black Orpheus』(演奏はサックスとピアノのみ)
千「この『Black Orpheus』、1959年映画の主題歌、ボサノバの名曲ですけどジャズのスタイルで演奏されることが多い曲なんですけど、スタンダードで悲しいメロディ、矢野さんのファーストアルバムにも収録されてますけど好きな曲なんですか」
矢野「基本的に選曲は本当に大好きな曲ばっかり選ばせていただいてます」
千「この曲は腹の底からというか体の奥底から絞り出すような力がいる曲ですね、演奏する時に。普段はジャズのミュージシャン以外でポップス系のアーティストとかと一緒にやったりする機会は斉藤誠さんとやられて以来ってスタッフから聞いたんですけど、いかがでした?」
矢野「すごくジャンルは違うんですけど、すごいかっこ良くて」
千「ありがとうございました(笑)。僕もすごい楽しかったです」
(矢野沙織ライブ)
『How To Make A Pearl』『Lover Man』『Confirmation』
千「お疲れ様でした。このホール、天井が高くて共鳴もすごいんですけど、どうでした?」
矢野「すごい音響の感じとか良くて、すごくやりやすかったです、はい」
千「あ、ほんと?良かったです。今日は矢野さんがプライベートで撮った写真っていうのをここに持ってきていただきました。(笑)、出ましたけど、ラジオを聴いてるみなさんは想像しながらしばらく聴いて下さい(笑)。これは本屋で立ち読みですか」
矢野「そうです。今回のレコーディングでニューヨークに行った時にジュリアード音楽大学の下の本屋さんみたいなところで、どんなもんかと思って」
千「何の本ですか、これ」
矢野「ちょっとわからない、忘れちゃった(笑)」
千「結構プライベートな時間っていうのも少しは取れたんですか」
矢野「大分ありました」
千「何がスタジオ以外では刺激的というか面白かったですか」
矢野「タイムズスクエアまでポイポイ歩いて何か楽しいもの買ったり。スーパーマンのパンツとか(笑)、買いました、お土産に。友達とお揃いで」
千「タイムズスクエアのところっていうのはストリートミュージシャンなんかも」
矢野「いましたね。でも規制されちゃってたりして、できないって話を知り合いから聞いたり聞かなかったり」
千「食事とかはどうでした?」
矢野「あまりおいしくはない、みたいな(笑)。あんまり食に対して、いいとこに行ったとかじゃなくて近くのハンバーガー屋さんとか、そんな感じばっかりだったんで」
千「スタジオってみんなで一緒に出前取ったりするじゃないですか。ハンバーガーを取って(笑)?ミュージシャンと一緒に食べて、そういう演奏以外での楽しかったエピソードっていうのあります?」
矢野「レコーディングは二日間で録ったので、あんまりゆとりというものがなかったんですけど」
千「じゃグーッとテンション上げて、いいところがきたらサクッと録って。どうでした?年齢とか音楽は関係ないと思うけど大先輩のミュージシャンの息吹きっていうのを感じて」
矢野「やっぱりグルーヴ感が違うなっていうのがちょっとあって」
千「どういうふうに?」
矢野「スイングしてるって感じで、本当に刺激になりました」
千「キャリアがあって、ずっと音楽をやってきて大事にしてるミュージシャンって懐深いでしょ?失敗談とかありました?」
矢野「本当に今回のレコーディングは滞りなくいったので、特には。一枚目も一緒にやっていただいたので、わかってくれてる部分が多くて」
千「より気心が知れた感じでアットホームなレコーディングができたんだよね。そもそも音楽に関心を持ったきっかけっていうのは何だったんですか」
矢野「ブラスバンドに入って、小学校の時に。それで偶然アルトサックスを、成り行きというか(笑)」
千「(笑)、じゃ最初はサックス希望でーすというわけではなくて」
矢野「というわけではなくて、まぁサックスになって。それで、うん」
千「じゃジャズを始めたきっかけっていうのは?」
矢野「小学校六年生の時に、えーと、ジャコ・パストリアスのアルバムを聴いて、最初の曲は誰の曲なんだろうって思って探したところチャーリー・パーカーという人の名前にたどり着きました」
千「チャーリー・パーカーの音色っていうのは、その時に矢野さんにとってどういうふうに響きました?」
矢野「同じアルトサックスだったので、偶然。だから、ここまで違うのかというか、感じでしたね」
千「ガツーンっていう感じ?」
矢野「そうですね」
千「最初サックスに振り分けたのは友達とくじかなんかで決めたんですか」
矢野「じゃんけん」
千「じゃんけん(笑)。で、アルトサックスということに?そういうきっかけで、で、ジャズを始めて。練習中にもいろんなことあると思うんですけど、一番のこの楽器の魅力っていうのは矢野さんにとって?」
矢野「人によって本当に音色、同じ曲吹いても違うんですけど、音色が全然違ってくるっていうところ、それがすごく難しいんですけど、それが一番魅力的で楽しいところだと思っています」
千「僕、さっきセッションしている時に、二人っきりだったじゃないですか、だから体の中から熱がグッと楽器に注入される瞬間っていうか、そういうの感じながらピアノを弾かせてもらったんですけど。ピアノとは全然違うけれど、どっかでつながりあってるような、サックスを今日はいろんなふうに感じさせてもらってますけど。(セカンドアルバム発売の話)今日演奏してくれた『砂とスカート』、あれはどんなふうにして曲は降りてきたんですか」
矢野「ぼけっとしてたり……というわけではないと思うんですけど適当に、適当というか、できたなーみたいな(笑)」
千「これから作るぞって決めて五線紙を置いてっていうのは?」
矢野「それはしないですね」
千「全国ツアーもありますけど、ライブ好きでしょ?」
矢野「大好きです」
千「キューバの新鋭バンドと共演するという、これ、面白そうですね。頑張って下さいね、ライブ」
矢野「ありがとうございます」
千「また機会あったらセッションしましょう」
矢野「よろしくお願いします」
エンディングテーマは『無題』
「いつも出ていただいたミュージシャンの方に曲を即興だったりイメージを考えてきたり、一曲プレゼントするんですけど、今日は沙織さんのイメージ、タイトルにならなくて、逆にいうと、これからどんなタイトルがついていくんだろうっていう、そういう気持ちを込めて無題の曲をお送りしたいと思います」