Live Depot
Every Thursday, PM7:00〜from TOKYO FM HALL
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Vol.176 2004/10/21 ON AIR (guest:高野寛
「こんばんは、大江千里です。ようこそ。台風23号が去っていろいろ被害も出たんじゃないかと思いますけど、みなさんのおうちのほうは大丈夫だったでしょうか。今夜も聴く人の心を揺り動かす確かな歌をたっぷりお届けしたいと思いますよ。今夜のゲストを紹介しましょう、高野寛さんです」
(高野寛登場)
千「こんばんは、お久しぶりです」
高野「お久しぶりです」
千「何年か前に音楽が関係するパーティでチラッとご挨拶したことあるんですけどね」
高野「そうですね。なんか変わらないですね、千里さんは」
千「あ、そうですか、高野さんこそ変わらないですね、あのときと。今日は白のシャツにジーンズというカジュアルないでたちですけど。簡単な紹介をさせて下さい。高野さんは88年にソロデビュー、もちろん自分の活動だけじゃなくて他のアーティストへの楽曲提供、プロデューサーとしても幅広く活躍中ですけど、なんと五年ぶりに、高野寛名義では、ニューアルバム出ましたよね、『確かな光』。そして先月はベストアルバム、ソロと平行してやってらっしゃるバンド、ナタリーワイズのアルバムリリースと忙しいですね」
高野「忙しいですね。いろんなことをかわりばんこにやってる感じなんですけど」
千「かわりばんこにやってても今は高野寛ソロモードという感じですか」
高野「そうですね、前よりもそれがカチカチッと切り替わるようになってきました」
千「じゃナタリーワイズのときにお会いするとやっぱりナタリーワイズの高野ですって感じなんですかね」
高野「若干口数が少なめに(笑)」
千「今日は喋って下さいよ(笑)。ラジオ聴いてらっしゃるみなさんに一言お願いします」
高野「台風一過なんでスカッとやりたいと思います」
(高野寛ライブ)
『相変わらずさ』『夜の海を走って月を見た』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)東京FMホール、セッションタイムの時間がやってまいりました。今夜のゲスト、もう一度改めて紹介しましょう、高野寛さんです!」
高野「どうも」
千「僕、今日黒のジャケット着てるんですけど、高野さんが白で、白と黒という感じで。いやまぁべつに意味ないんですけど(笑)、ちょっと言ってみました。今日の曲は高野さんギターで、僕ピアノですけど、ムーンライダーズの曲を選ばれたんですね」
高野「ふと思い出してこの曲選んだんですけど、僕、デビューが決まるオーディションをこのホールで選考受けて、そのとき審査員がムーンライダーズと高橋幸宏さんだったんです。偶然なんですけど、あとで思い出しました」
千「じゃ、ほぼそれ以来ぐらいにこの場所に戻ってきたような?」
高野「いや、そのあと一度同じようなラジオの公開録音でやらしていただいたことあるんですけど。人生で一番緊張したライブですね。今日はあのときより随分余裕があるなと思って。天井高いってのが初めてわかりました、今日」
千「ここ、高いんですよねー。でも音がどんな音楽やっても、それなりに受け止めてくれるホールで」
(セッション)
ムーンライダーズ『くれない埠頭』

千「僕もオーディション受けた場所のことを歌いながら、ちょっと思い出しちゃって」
高野「僕はすっかり忘れてましたね、歌の最中(笑)。思い出すのが、こうやってお客さんいたんだけど、審査員のみなさんが壇上にいたんですよ、物真似番組の審査員みたいに。だから横で見られるっていうのはすごいプレッシャーで」
千「前じゃないですもんね、横側ですもんね。演奏したら感想とか言ってくれちゃったりね。この曲はご自身のライブでとか演奏したりとか?」
高野「やったことありますね。今日二曲目に歌った『夜の海を走って月を見た』は結構この曲のイメージの延長上にあるのかなって歌いながら思ったりして」
千「あの曲を聴いてるときにすごいいいメロディだなと思って、それが頭の中でぐるぐる回ってると自分がセッションする曲とつながって、あれ?どっちだっけ?って(笑)、思ってたんだけど、どっかにつながった部分ってあったんですね」
(高野寛ライブ)
『ベステンダンク』『hibiki』『確かな光』
千「お疲れ様でした。久しぶりにこのホールで天井が高いなぁとか思いながら歌っていかがでした?」
高野「あっという間でもっとやりたい気分ですかね」
千「やっぱり、これぐらいの時間っていうのはもっともっとやりたくなる時間でもありますよね」
高野「これからがいいとこですよね、きっと」
千「(笑)、ライブをやってる身としてはそういうのありますけどね。さて今夜も高野寛さんにプライベートの写真持ってきていただきました。(ディスプレイ見ながら)これは花?蓮の花?アップですね」
高野「蓮の花ですね。旅先の写真、こういうのばっかりなんですよ。これはタイの寺院で撮ったんですけど、説明しないと全くわからない(笑)」
千「上野の不忍池?ってとこで(笑)。写真は趣味なんですか」
高野「旅行に行くとよく撮ってますね。新しいベスト盤のジャケットにも自分の撮った写真を使ってます」
千「ジャケットもそうだし中にもたくさん、95年の坂本龍一ツアーの楽屋の写真とか、自分で鏡に向かって自分撮ってたりとか入ってますよね。写真のおもしろいところっていうのは撮ってらしてどういうところですか」
高野「僕、ほんとうに失敗が多くて(笑)、偶然のほうがおもしろかったりしますね」
千「結構パチパチ撮っちゃう?」
高野「特にデジカメになってからは消せるのをいいことに失敗だらけですね」
千「打率どれぐらいで?」
高野「打率二割とか。結構見ないで押したりするの、好きで」
千「どういうときにいい写真が撮れるんですか」
高野「最近は空の写真を撮るのが好きで。夕焼けとかすごいきれいな日がありますよね。だから、それはほんと一瞬しかなくて偶然に近いような、たまたまいい景色の場所にいて、いい時間に巡り合わせないと撮れないじゃないですか。そういう偶然と光かなっていう感じですね」
千「いい写真が撮れたりするのも自然に生かされてて、その中でパチッと偶然に、それをこっちに引き寄せるというか…」
高野「前は結構旅行してるのに写真に熱中しすぎて実際の目であまり見ないで帰って来ちゃうことがあったりしたんだけどね。最近はほどほどにね」
千「9月1日に出たベストアルバム『相変わらずさ』、そしてさらに五月にオリジナルアルバムが出て、五年時間を経てオリジナルの高野寛出そうと思った強い衝動みたいなのあったんですか」
高野「休んでるつもりもなかったんですが、なんかバンドが楽しくてずっと忙しくなったり、いろんな方にプロデュース依頼されたりとか。自然の流れに任せてるんですよね。そうこうしてるうちに書いてた曲がだんだん溜まっていってアルバム一枚分ぐらいになって今なら出せるなって形になったんですね」
千「2001年からやってるバンド、ナタリーワイズの新譜も出て、いろんな活動が続くわけですけど。高野さんのコンサートツアーまだまだ続くわけなんですけど、東京は今度の日曜なんですね。これはベスト的な内容になるんですかね」
高野「そうですね。結構、千里さんもそうだと思うけど、古い曲で歌ってない奴っていくつかあるじゃないですか」
千「うんうん、あるある」
高野「そういうのを久々に発掘してやろうかなって」
千「自分発見みたいにね」
高野「ほんと、そういう気分ですね」
千「それってやっぱ時間のなせる技だよね」
高野「おもしろいですよね。新たに向き合って新鮮になれる」
エンディングテーマは『スパイラル』