「こんばんは!大江千里です!東京FMホールのみなさんようこそ!(妙な間があいてから)いらっしゃいました。ラジオのみなさんも一週間のご無沙汰です。8月に入って最初の放送ですけど8月に入るとちょっとひんやりした気持ちで秒速で夏が過ぎていってしまうような切ない気持ちになってしまいます」-CM-
(大久保海太登場)
千「どうですか?今日の感じは」
海太「もう、ね。こんちは!」
千「今日は海太さんはウッドストックのレアっぽいTシャツで」
海太「そうでもないんです、セールで」
千「(笑)あ、そうなんですか。どこで買ったの?」
海太「福岡で。ツアー行ったときに」
千「あー、ツアーが千秋楽終わったばっかりで気分的にスカッと、今は?」
海太「そうですねー」
千「じゃ今日は肩の力抜いて楽しいライブを見せてください。ところでこういう生で演奏するっていう経験はありますか?」
海太「バンドではあまりないですね。弾き語りとかではちょろちょろあったりするけど」
千「あー、アコースティックな感じで?じゃ今日は二人のセッションもあるし色んなタイプの音楽を楽しんでもらいましょう」
(大久保海太ライブ)
『ヴィデオ』『夏は、いつ』『オリーブへ』(フューチャープロスペクト)
-CM-
千「♪一日中ピアノ弾いてる僕はピアノマン〜木曜日の夜は…Yeah!ピアノマン! セッションタイム!」(セッション)
(今日も『PIANO MAN』をアレンジしたもの)
美空ひばり『真っ赤な太陽』(大久保海太ライブ)
(1番のボーカルは海太さん、2番が千里さん)千「これは67年、34年前のジャッキー吉川とブルーコメッツ&美空ひばりの『真っ赤な太陽』ですけど大久保さんのお父さんお母さんの世代のねぇ。これを選んだのは?」
海太「話を聞いたときに夏っぽいのをやろうと思ったんですよ、まず。『真っ赤な太陽』って前からやりたくてやれなかったんで来たー!みたいな」
千「タイミング的に?」
海太「ここだーと思って」
千「かなり猛烈にやりましたね。気持ち良かったですね」
海太「気持ち良かったすよ。ありがとうございます」千「普段はどんな曲を聴いたり?」
海太「ロック好きなんですけど、歌がやっぱり好きで。歌の中でも太い声を持ってて、ヘビーなサウンドを持っていても歌がポップだったり、そういうのに耳が行ってしまうというか」
千「じゃ渋い系の…」
海太「の人も好きだし」
千「音楽の種類とか人種とか超えた感じの…」
海太「あんまり気にしないですね。どうでもいいやって思ってる」
千「海太さんはデビュー三年目ということですが、僕もちょうどアマチュアの頃のストックの曲が切れてきて(笑)三枚目って非常に苦しんだ記憶があるんですよ。いかがですか?」
海太「元々そんなに曲を…こう…古いのを使ってるわけではなかったので、毎度毎度アルバムを作るにあたっていっぱい書くんだけど」
千「結構できるんですか?」
海太「数的には多分作る方だと思うんですけどね。ただ今回三枚目を作るにあたって今までの一枚、二枚っていうのは行き当たりばったりで、何かこれ良さそうっていうのを作って作って貯めてったものをアルバムにしてたから、コンセプトは?って聞かれても、いや別に、みたいなところがあって。でもそれを二枚やったから三枚目は最初からコンセプトを持って曲作りをして、そこに向かってレコーディングして。そしたらもっと言葉で説明できるし、わかりやすいものを一枚作りたいなってところはありましたけどね」
千「どっかで前のアルバムとか、自分の内側というか『欠けた月のようにすべてを見せなくてもいいんだよ』って自分に問いかけてるような内向きの矢印。で、その強さを外に向けたっていうか、今回」
海太「うんうん。曲作りって孤独じゃないですか。どうやっても中に中に入ってしまう。外に向けたいなって気持ちがなくはないんだけど、ついやっぱりそうなってたものを、それはそれで自分だなってあるんですけど、同時に友達と飲みに行くとか、ワーッとなって…」
千「買い物に行くとか?」
海太「そう。そういうのも実際にいるわけじゃないですか」
千「自分としてね。色んな自分が」
海太「そうなんです。でも意外とそういうの作ってきてねーなーていうのが何となくあって、じゃ、そういうの一回出してみたいなってことで今回のアルバムができたっていう経緯がありますね」
千「話を聞いてると抜けたっていうかパカッと割れて自分が楽になった?」
海太「そうですね。今回そういう曲作りできましたね。テーマを見つけてからすごく早かったんだけど。海っていうテーマを見つける前まではお前好きだぜっていう前向きな外側の気持ちがなかなか出なくて。海って思った途端に一気に」
千「『オリーブへ』っていうやつもいいですよ」
海太「あ、ありがとうございます」
千「さっきも孤独って話が出てたけど自分との戦いみたいな部分って少なからず詞のテーマとしてあったじゃないですか」
海太「ありますね」
千「それと音を楽しむっていうか。さっきもギター弾いててすごい楽しそうに歌ってたけど(笑)」
海太「単純に曲作りはクリエイティブっていうか創造的なときは、しかも一人で作ってるから、あれやってみよう、これやってみようの繰り返しで地味にじっとりとした俺というか。お客さんに見てもらうときとかバンドをやるときっていうのはそれこそ海みたいなもんで、俺にとっては外側に対するものだから」
千「音楽楽しいっていうか、しぶきみたいなね、グワーッと弾いて足がこんななって上がってるんだけどギターのことは守ってますね(笑)。好きでしょ?ギター」
海太「(笑)好きですね」千「会場に来てくれてるみなさんの中から質問をぶつけてみたいと思います。『最近買った楽器はありますか?その動機は?』」
海太「最近ね、アコギ買ったんですよ」
千「今日持ってきてるんですか」
海太「うちにあるんですけど。たまたまレコーディングスタジオで知り合いのミュージシャンの方がいて『買う?』って言ってくれて『買う』って」
千「アコギってジャッと弾いたときのゾクッていうね」
海太「みんな好きなコードって違うじゃないですか。僕、Eが好きなんだけどEを弾いたときの印象で決めようっていう」
千「僕、対抗するわけじゃないけどCが好きなんです」
海太「あーやっぱり」
千「まぁ、CとEとGぐらいしか知らないっていうのもあるんですけど(笑)。『今はまってる食べ物は何ですか?』」
海太「僕は米が好きなんだけど、夏になると意外と冷やしタヌキうどんにミニ牛丼ていうね」
千「それは…(笑)」
海太「米と麺を一緒に口に入れちゃうのが好きなんです。食いしん坊だから」
千「なるほどね。なんか生活の一端が見えたような(笑)」
『帰りたくない』『旅立ちジェット』--CM--
千「なんかいい雰囲気になりましたね。みんなニコニコしてるもんね」
海太「素晴らしいお客さんですね」
千「どうでした?この東京FMホールは」
海太「僕、前に一回でてると思うんですけど今日の方が気持ちよかったですね」
千「じゃ今日はいいバイブだったんだね。あのーちょっと素朴な質問なんですけど大久保海太って本名ですか?」
海太「そうです、そうです」
千「海のように…」
海太「(笑)海のように力強い男になれと父親がね」
千「海の日ライブってやってましたよね。今度のアルバムも海で」
海太「ホントに海男みたいなイメージになるかもしれませんけど、それまでは海について歌ってなかったから今回俺にとっては結構特別だったんだけど」
千「海って一個テーマが決まると真正面向いてる感じがしますよね。ライブがまた9月にあるそうですけど。大久保海太プレゼンツ『狼が来た』(笑)。これはどういうライブですか?」
海太「いろんな一緒にライブをやってみたいアーティストとか仲のいい友達とか『ライブ一緒にやりたいよね』という話は前からしてきたわけなんだけど、それを行動に移してなかったから、あたかもその感じは狼が来たっつってる少年みたいなもんだと。今回はでもホントに狼が来たよ、みたいな」
千「こういうのって自分のライブもやってて楽しいイベントを並行してやれていいですよね。エネルギーが外に向いてるというか。なんか外に向くって自分に向かうじゃないですか、逆に」
海太「今回のアルバムで自分の外の部分をやって逆にまた中に戻ってきたときもっと深く来れるんじゃないかって思うし。一回外側やってるから、またできるじゃないですか。その触れ幅が大きくてすごく良くて」
千「またじゃあ内に向かうストイックなアルバムっていうのも将来…」
海太「かもしれませんね」
千「最後にこの夏の音楽を離れたところの野望というか」
海太「海は行きたいですね」
千「行ってないんですか」
海太「行ってないんですよ。行けてないっていうか。自分のアルバム聴いてみたい」
千「あー海でね(笑)。大久保海太的に水着は…?」
海太「水着…どっちでもいいです(笑)」
千「軽い感じで聞いてしまいました(笑)」
最後のエンディング曲のタイトルは『海に吠える』。
「海太さんの僕が抱いてたイメージはストイックな感じがあったんですけど、実際会って、今日はなんだろうな…猛烈なって言葉が頭に浮かんだんですけど。際で叫んでるんだけど、それがすごくカラフルな色に変わってきてるっていうね」