Live Depot
Every Thursday, PM7:00〜 from TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri/
Vol.15 2005/02/17 ON AIR (guest:古明地洋哉)
「こんばんは!大江千里です。今日のLive Depotは言葉とメロディが紡ぎだす世界、歌そのものを感じて頂きたいと思います。シンガーソングライターの古明地洋哉さんです。どうぞ!」
(古明地洋哉登場)
千「どうもこんばんは。はじめまして」
古明地「こんばんは、よろしくお願いします」
千「洗いざらしの白いシャツにジーンズといういでたちですけど。2000年の六月にデビューされまして去年の秋、四枚目のアルバム『夜の冒険者』をリリース、最近は弾き語りのツアーで全国を回られているということなんですけど。小谷美紗子さんと共演されたりとか」
古明地「それは弾き語りツアーのあとに。今年の一月下旬に東京と大阪の二カ所でイベントやりました」
千「今回のツアーでも誰かと共演されたりとかしてるんですか」
古明地「全国12カ所回って、一人でやることもあれば旅の道連れというか。HEATWAVEの山口洋さんとか、あとはシンガーソングライターの矢野真紀さん」
千「矢野さんはこの番組にもいらして下さいました。デビュー五年目ということですけどどうですか、最近の日々は」
古明地「初心に返るっていうのとは違うかもしれないですけど、最近、初めてアコースティックギターを手に入れて訳もわからず弾いてたときぐらいの、ギターひいたり歌うってことが楽しくてしょうがないって感じに」
千「それは本当に原点帰りですね」
古明地「ずっと曲書いてるといろいろ悩みや迷いが出てきて純粋に音楽を楽しめているのかどうかわからなくなる瞬間ってあったんですけど、最近、もちろんライブやるときに緊張しますが楽器を弾いたり歌うこと自身が楽しくてしょうがないっていう」
千「いい感じの時期ですよね。この東京FMホール、すごく天井が高いねっておっしゃるかたもいらっしゃるんですが、今日リハーサルからどうですか」
古明地「月並みですけど天井高いっすね(笑)」
千「(笑)、やってる本人も響きはすごくよくわかるって、そういう意味じゃ一体感があるというか。それじゃ演奏の前にブロードバンド、FMでお聴きのみなさんに一言今のやる気をどうぞ!」
古明地「正直、今緊張してます。普通のライブとちょっと違う別の緊張があります」
千「放送してますけど放送してないと思って、ここだけでシークレットサーキットやってるなって感じで歌って頂ければなと思いますんで、リラックスしてよろしくお願いします」
(古明地洋哉ライブ)
『untitled #1』『空砲』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)東京FMホールから生中継、大江千里のLive
Depot、今夜のゲストは古明地洋哉さーん!古明地さんは髪型変わりましたよね」
古明地「初めてと言っていいほど寝させてますね、髪を」
千「マッシュルーム…今時マッシュルームって言わないんですかね」
古明地「それっぽいですよね」
千「前、ツンツンで立ってて」
古明地「元々髪の量が多くて固くて太かったんで短めにして立てるしか方法がなかったんですよ。一回、大学の時にさすがに飽きたからって寝かせたことあるんですけど、そのときも張りがやたら強くて」
千「バッと広がってた?」
古明地「そうなんですよ(笑)。梅雨時なんかナチュラルドレッドばりに膨らんじゃって」
千「ということは髪の毛ちょっと細くなったってことですか」
古明地「多分年とともに衰えているんだと(笑)」
(セッション)
サイモン&ガーファンクル『明日に架ける橋』(演奏は古明地さんのアコギと千里さんのピアノのみ。ボーカルは古明地さん)
千「この曲を選んだ理由というのは?」
古明地「僕のお袋が洋楽を若い頃聴いてたみたいで家にビートルズやローリングストーンズのレコードがいっぱいあって、中でもいちばんお気に入りだったのがビートルズのベスト盤とサイモン&ガーファンクルのベスト盤だったんですよ。当時、幼稚園とかだったんで訳詞を見ても意味わかってなかったと思うんです。でも例えば『Sound
of Silende』の歌い出しの一節とか、本当に僕が歌う理由はそこにあるのかもしれないってくらい」
千「突き動かされるようなものがあったんですか」
古明地「静けさと向き合うとか、それってシンガーソングライターのあるべき姿じゃないかとか。ただ、すごい好きなんですけどライブでカバーとかしたことなくて、ましてや今、大江さんと一緒にやった曲はオリジナルはピアノとオーケストラだからカバーとか家でもやったことないんですよ。今回Live
Depotに出させてもらうことになって、大江さんピアノ弾くから何がいいんだろうなと思って、あ!あるじゃないか!と。これ今やっとかないと、いつ死ぬかわからないしと思って(笑)」
千「いやいや、いきなりそこまで持ってかないで下さいよ(笑)。割とすんなり入れる曲かなと思ってたら実際練習に取りかかると、こんなに難しくて深い曲なんだなと思って」
古明地「ガイド本とか見るとやっぱりおかしなピアノの弾き方してるらしいですね。歌のメロディが美しいし、普通に素晴らしいメロディだと思うんですけど」
千「イントロ終わって歌入るじゃないですか。通常我々レッテルA、B、Cって進行上譜面に書いていくんですけど、Aって書いたあとにBがどこになるのか未だにわかってないですよ」
古明地「そうなんですよ!だから本当は譜面をお渡ししなきゃいけなかったんです」
千「その分ね、ギター一本弾いてるのを僕が聴かせてもらって今日合わせて、すごくある意味セッションってこういうもんですよね。ミニマムで一期一会って感じで楽しかったです」
古明地「僕も緊張しましたけど楽しかったです。ありがとうございます」
(古明地洋哉ライブ)
『想いが言葉に変わるとき』『欲望』『love song』
千「お疲れ様でした!なんかゆったり古明地さんの周りに時間が過ぎていってるような説得力のあるステージありがとうございました」
古明地「こちらこそありがとうございました」
千「いかがでしたか」
古明地「なんか、ライブはライブなんですけど電波を通じてこの場にいない人が聴いてくれていて見てくれてたりっていうのが心の片隅のどっかにあるんで、普通のライブとは違う緊張感でしたね」
千「どんな服着てどんな表情でどこで聴いてくれてんねやろって思うけど確かにここで聴いてくれてる人と同じようにつながってるわけですもんね、この瞬間に」
古明地「すごく不思議ですよ。目に見えない電気の波に乗ってこの場にいない人のところに自分の歌が届くっていうのは。それが素晴らしいことでもあるし、それを意識しすぎてしょぼいライブやっちゃったらどうしよう(笑)っていうのも楽屋で一瞬考えて膝がガクガク震えたりしてたんですけど」
千「でもすごく手応えのあるライブで。今夜もお宝写真持ってきてもらいました。(ディスプレイ見ながら)布製のキャラクターグッズ、小物入れですか。オバQのポシェットとクマさんと」
古明地「あれは財布ですね」
千「ゾウの…」
古明地「ゾウもおそらく財布です」
千「これもヒモついてるってことは肩掛けでしょうね。これは趣味ですか、コレクション?」
古明地「意図的に集めてるってわけじゃないんですけど(笑)」
千「家帰ると鍵編みで編み物やって、こういうの作ってるとか?」
古明地「そんな手先器用じゃないです(笑)」
千「これはどうやって?旅先で?」
古明地「ゾウさんのは知り合いにもらったんですよ、東南アジアのお土産で」
千「このクマさんはオバQに比べるとちょっと汚れてるように見えますけど」
古明地「多分素材のせいだと思います。全然使ってないから汚れてるってことはないと思います。むしろオバQは去年の11月に弾き語りのツアーをやったときに僕らの泊まったホテルの二、三件隣に時間が止まってるようなおもちゃ屋さんがあって、空き時間に行ってドアを開けたらオバQと目が合っちゃったんですよ(笑)。買ってくれって」
千「オバQが?」
古明地「パッケージを見たら作られた年が1980年って書いてあって、開けたら黄ばんでるんですよ」
千「わかんないです、写真だったら白い普通のオバQで」
古明地「箱の中で20年という時の流れに堪えきれなかったんです」
千「時間がなくなってきました、この話してて(笑)」
古明地「すいません、熱弁しちゃって(笑)」
千「今後ワンマンツアーもやるわけですけど、どんな感じになりそうですか」
古明地「久しぶりにバンドを従えてやるんですよ。去年の後半ぐらいから弾き語りでやることが多かったので、そこで得たものをバンドに持ち込んで合体ロボっていうか、多分弾き語りをやる前では出来なかったこととか出来るんじゃないかっていう」
エンディングテーマは『突風』