Live Depot
Every Thursday, PM7:00〜 from TOKYO FM HALL
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Vol.210 2005/06/02 ON AIR (guest:NEW PONTA BOX)
「こんばんは!大江千里です、ようこそ!Live Depot、今夜は多くのアーティストが影響を受けている僕らの大先輩が登場します。日本を代表するミュージシャンの音楽の魂そしてライブパフォーマンス、思いっきり楽しんで頂きたいと思います。まずは村上ポンタ秀一が率いるNEW PONTA BOX!」
(NEW PONTA BOX登場)
千「ようこそです。お待ちしておりました、ポンタさん、柴田君、石村順、三人堂々の、プロレスの入場のようでしたよ、今(笑)。かなり時間をかけて入場されました。まずはFMをお聴きのみなさんにご挨拶をお願いします」
ポンタ「みなさん、こんばんは。ぺーぺーの村上ポンタです」
石村「こんばんは、ベースの石村順です。よろしくお願いします」
千「カラフルな赤の横縞のTシャツです。そしてキーボードの」
柴田「始めまして。柴田敏弥です。よろしくお願いします」
千「ポンタさんの紹介をここで手短にさせて頂きたいと思います。72年にデビュー、参加したアルバムは一万枚以上、93年からリーダーバンドPONTA BOXの活動を開始、先日ニューアルバム『NEW PONTA BOX』をリリース。いかがですか、新生NEW PONTA BOX」
ポンタ「本当は去年ニューヨークでNEW PONTA BOX作ってしばらく活動しようと思ってたんだけど、たまたま帰ってきて、あるやつから柴田敏弥を紹介されて、その資料を聴いて、あ、またちょっと違うPONTA BOXできるかな?ってちゅうんで始めたのがきっかけなの」
千「なるほど。じゃニューヨークでやる予定だったのがひっくり返っちゃったわけですね。PONTA BOS第三期目の特徴って、特に若いですけどね」
ポンタ「だからやっぱり気持ちは違うよね、アプローチも違うし。今までなあなあでやって来たから」
千「なあなあでやって来た分スリリングな(笑)。葉巻を」
ポンタ「パイプ」
千「パイプですね、すみません(笑)」
ポンタ「こういうの、すぐ突っ込むからね」
千「いや、ありがとうございます(笑)。そして今夜のフィーチャリングボーカリスト、もうひとかたビッグゲストが来てくれてるんですよ。近藤房之助さんでーす!」
(近藤房之助登場)
千「ようこそ!ラジオ聴いてるみなさんに一言」
近藤「一言って言われると、こんばんは、しかありません」
千「(笑)。76年ブルースバンドBREAKDOWNを経て90年からソロ活動をスタート、B.B.クイーンズって大ヒットしましたけど、海外アーティストとも交流の深い…」
ポンタ「レコ大歌手!」
千「そうなんですよ!でもレイ・チャールズの近藤さんと…、ちょっとポンタさん(笑)、ひかないで下さい、近藤さんと一緒に作ったレイ・チャールズのアルバムですけど、どんな感じのコラボだったんでしょうか」
ポンタ「亡くなったから作ったわけじゃないよ。企画が先に進行してたから」
近藤「俺は亡くなったから作ったんだっって思いこんでたんだけどね」
ポンタ「違うんだな」
千「なんか微妙な温度差が」
ポンタ「この人、来て歌うだけだから。こっちがずっと用意してるときは知らないからね」
千「アルバムのタイトルが『Here We Go Again』、四月にということですけど今日はそのアルバムから曲を生で披露して頂けるんで楽しみですね!今夜のステージは一体どんな感じになるのか」
近藤「いつもその質問受けるんですが困るんですね。やんないとわかんないっていうか」
千「今日は今日の風が吹くという感じで」
近藤「それで30年やって来ました(笑)」
千「一言一言に重みがあります(笑)」
近藤「ないです(笑)」
千「そしてポンタさんにも一言もらいたいと思います」
ポンタ「アルバム発表してからのライブだから、村上、緊張してまーす(最後はちょっと声色を変えて)」
千「怖い、怖い、怖い(笑)」
(NEW PONTA BOXライブ)
『ACTUAL PROOF』『EYE OF THE HURRICANE』
-CM-
千「セッションタイム!東京FMホールから生中継、大江千里のLive Depot、いよいよセッションタイムがやってまいりました。今夜のゲスト、NEW PONTA BOX!今日はセンターにスツールがありまして僕はそれに移りました。今日は久々にボーカルのみでセッションやらせて頂きたいんですけどよろしくお願いします」
(セッション)
大江千里『大人のふりで』
(ツアーでアルバムから唯一歌われていなかった曲。アルバムより生の方がやっぱり良いなぁと思いました)

千「これは僕の希望で。今ツアー中なんですけど、この曲だけライブでやってないんですよね。歌いたくてしょうがなくて今日はお願いしちゃいました。いかがでしたか」
ポンタ「千里くんらしいよね、詞がね」
千「ちょっと男のゆるい…」
ポンタ「でもドロッとしない、ね」
千「ポンタさんは天王洲アイルで以前僕一回何人かのアーティスト、ジョイントさせて頂いた中のミュージックパーティみたいなものに参加させて頂いたんですけど、いろんなジャンルの人といっぺんにセッションする機会あるじゃないですか。そういうときのポンタ流セッションの心構えって?」
ポンタ「例えば、どうやって切り替えるんですかって聞かれるけど、そのアーティスト、アーティストによって、いわゆる台本もらって役者やってるようなもんだよね。その人の世界をどう膨らませるかっていう、それは楽しいわけよ。脇役が好きで、でもタメ張ってるみたいな。タメとは言わないか」
千「いやいや、ポンタさんらしい」
ポンタ「上品な出身なのに」
千「(笑)。セッションってここが面白いんだよなって言うところは?」
ポンタ「もらうインパクトだよね。各々の人にいろいろ」
千「なんかしらサプライズというか」
ポンタ「あと、その中に浸りきる自分が好き、景色が変わっても」
千「例えば大江千里の『大人のふりで』歌ってる、その絵の中に村上ポンタ秀一が入り込んで」
ポンタ「ちょうど中間が出来る自分が嬉しいよね。渋さも含めてちょっとやんちゃみたいな感じ。今の曲なんかホントそうだよね。普通この編成で、こんだけ叩かないよね。うるせぇんだよ、この野郎、みたいな感じ」
千「(笑)、その加減っていうのは非常に難しいですよね」
(NEW PONTA BOX feat.近藤房之助ライブ)
『I CAN'T STOP LOVING YOU』『UNCHAIN MY HEART』『GEORGIA ON MY MIND』
千「ずばり、お二人にとってレイ・チャールズっていうのはどういう存在ですか」
近藤「雲の上の人ですね。彼が来日したときはいつも観に行ってましたし。あんなディープな声の持ち主いないですね」
ポンタ「日本では認識されてないけど、あの人は今回映画観ても、今回アルバムを作るのであらゆるアルバムを聴き直したわけ。あの時代にあの場所で本当に音楽をいっぱい混ぜた人なの。あの時代のいわゆる日焼けした人たちっていうのはカントリー入れるなんてまず御法度だと思うんですよ。それをあの人は自然に導入して」
近藤「ポンタにも通ずるんだけど、すごくオープンマインドなんだよね。いいものは全部取り入れちゃうんだよ。あそこはちょっと真似できないですね」
ポンタ「俺、ちょっと自慢していい?ある別の番組でレイ・チャールズをアレンジして結構いいメンバーでやったことあるんだよ。一生の誇りと思えるぐらい」
千「レイ・チャールズさんがポンタさんの番組に来たわけですか」
ポンタ「うん。まず日本人でレイ・チャールズと、向こうでは呼ばれたりとかは」
近藤「いないんじゃないかな」
ポンタ「呼んで来てくれてっていうのはまず最初で最後だと思う。これは誇りでもあり何て言っていいかわかんないって感じだね」
千「そのときレイ・チャールズはどんな感じでした?」
ポンタ「聴いてるのと一緒にやるのって違うじゃない。叩くのいやになっちゃった。止めて聴いてた(笑)」
千「一緒にセッションしてるの歌に聴き惚れてしまった(笑)?人間的にも映画を観ててもいろんな、綺麗なだけじゃないのが出てきますよね。ギャラなんかも一ドル札でもらってちゃんと数えてっていうね、ああいうリアルな」
近藤「バスに乗るシーン覚えてます?目が不自由で、しかも黒人で生きていくノウハウみたいなのをすごくね」
千「社会の中ではマイノリティで差別されてっていうバックグラウンドがあって」
ポンタ「俺たちには想像を絶するよね。平和な日本人としてはね」
近藤「でも日本の戦後っていうのを思い出したよね、あの映画観てて。僕ら、戦後のあとの方の生まれなんだけど、なんかとても匂いが似てた」
千「日本も美空ひばりさんが戦後に歌ってた、いつ聴いても元気になれるっていうパワーがね」
ポンタ「圧倒的に目に見えない部分で夢を与えてるっていうか。もし機会があれば映画を観るのをお薦めしますよ。大概、音楽の映画って今まで観てきてるけどモノが違うの。監督もすごいいいし。映画自体もロケーションというか背景も今までの音楽映画と全然違って人生映画だな。特にミュージシャン、俺たちはバンドマンって呼んでるんだけど、身につまされます」
千「ちょうど映画を作ってる最中でしたっけ?レイ・チャールズ自身も人生に幕を閉じて。彼自身の存在があの映画自体を守ってるような、そういうイメージがありますよね」
近藤「でも生前、よくイエスって言ったよね、あの脚本でね。やばいですもんね」
ポンタ「さらけ出してるわけだから」
千「この続きはあとで飲み屋行って三人でやりましょうよ(笑)。だんだん不安になってきましたんで。NEW PONTA BOXの方に映りたいと思います。5月21日にアルバム、その名も『NEW PONTA BOX』リリースです」
ポンタ「(再び声色変えて)よろしくお願いしますー」
千「(笑)、出た、出た。この作品は一言で言うとどんなアルバム?」
ポンタ「PONTA BOX、今まで結構アルバム作ってるけど初めてカバーをやったんですよ」
千「オリジナルとカバーをやるときの違いってスタンス的にありますか」
ポンタ「俺なんか逆にすごい思い入れのある曲は叩きたくないのよ。よっぽど変えたら平気なの。料理して。よくセッションではそぐってやるじゃない、そういうときはホント叩くのいやだよね」
千「オリジナルをなかなか超えるアイディアっていうのが」
ポンタ「逆に有名な曲ばっかりだから料理しがいもあるし、開き直ってしようがあるよね。そういうのはすごい楽しみましたね」
千「ポンタさんから見て他の二人、石村順ちゃんと柴田さんっていうのはどういう印象でしたか」
ポンタ「最近、僕の師です」
千「(笑)、今一瞬マジでひいてましたね。だけどお互いにインスパイアされつつ」
ポンタ「ホントそれおっきい。今までなあなあできたからね」
千「(笑)、ちょっと宣伝しときましょうよ(近藤さんのDVDのお知らせとNEW PONTA BOXのライブツアーのお知らせ)これからどんなふうにやっていきたいですか」
ポンタ「このまま何でもいいの、そのときに自分たちでクリエイトしているもんがあって、お客さんと一緒にこういう空間楽しめればね。それだけで幸せ」
千「楽しかったですか、今日は」
ポンタ「いや、もういつでも楽しい」
エンディングテーマは『After』

(ベースの石村順さんは千里さんのツアーのサポートメンバーとしても参加していて、このLive Depotの前日まで九州・四国ツアーを一緒に回っていたのにMCとゲストという立場になっているのが妙に不思議な気がした回でした)