Live Depot
Every Thursday, PM7:00〜 from TOKYO FM HALL
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Vol.236 2005/12/01 ON AIR (guest:宇川彩子mayu(なまはむめろん))
「こんばんは、大江千里です。ようこそおいで下さいました。12月ってつくだけで気ぜわしい感じになってしまいますね、不思議なもんです。あと四回、今年もこの番組、頑張ってお届けしていきたいと思います。今夜紹介するのはタップなんですが、ブル−スとタップの共演をみなさんにたっぷりお届けしたいと思っています。なまはむめろんのお二人です、どうぞ!」
(なまはむめろん登場)
千「かけ声が飛んでいますけど麗しい女性二人のユニット、なまはむめろんということで。早速それぞれ、お名前と簡単な自己紹介を、我々は今大きなタップを踏むステージのような木の上に三人とも乗っていますが、自己紹介を兼ねてタップを聞かせて頂けますでしょうか」
宇川「なまはむめろん、宇川彩子です。(タップの音)よろしくお願いします」
mayu「mayuです。(タップの音)」
千「同じ板に乗ってる僕の方にずんずん来ましたね、響きが。宇川さんは三歳からバレエを始められて10歳でタップに転向され、96年からジャズとの即興演奏を始め2000年にCDデビュー、タップを音楽的に捉えて演奏するジャズタップダンサーと。今日はピンクのちょっとそよぎそうな、キラキラッとしています。そしてmayuさんはヒップホップ系のタップダンサーで、R&Bとか黒人音楽を?」
mayu「そうですね。ヒップホップとか普段聴いています」
千「ファッションもそれっぽいですね(笑)。帽子を斜めにかぶってかわいい感じです。北野監督の『座頭市』では振り付けをされて出演もされて。あのシーンですよね」
mayu「はい、お祭りの(タップの音)こういう感じの(笑)」
千「ありがとうございます。ラジオ聴いてる方はタップってどんなふうに音が出ているんだろうって思う方もいらっしゃると思うんで」
宇川「ここにタップシューズがあるんですが、裏はつま先とかかとにタップスと呼ばれる金具が付いているんです。この金具をつま先置いたりかかとを置いたり蹴ったりして」
千「スラップスラップっていうのはつま先の部分をこうやるわけですね」
mayu「千里さん、詳しくないですか」
千「僕は85年、今からかなり前ですけど半年間タップをやってた時期があったんですけど。下半身が摩耗しまして(笑)、タップは断念したんですけど」
mayu「減る感じはわかりますよ(笑)。私はタップをやって背がちっちゃくなったんですけど」
千「(笑)、なるほどね。この板はすごくいい色してますよね」
宇川「今日のために磨いてきました(笑)」
千「(笑)、この木の材質っていうのは?」
宇川「これはナラ材を使っているんですね。一番響きが私は好きなんですよ」
千「能の舞台とか同じですよね。タップのライブは初めてという方にどんなふうに聴けば、より楽しめるか一言誘いをお願いします」
宇川「音しか聞こえないので踊っている姿をイメージして頂きたいなと」
mayu「同じく、踊っている人の顔までも想像できたらプロフェッショナルだと思います」
(なまはむめろんライブ)
『Turtle Walk』『I Want You By My Side』『Chameleon』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)東京FMホール、今夜のゲストは宇川彩子、mayu、なまはむめろんー!大江千里は下手のデポピアノにスタンバりました」
(セッション)
大江千里『世田谷攻防戦』
(トリオツアーでの千里さんと河上さんとのやり合いのシーンはタップとの攻防戦になっていました)

千「まずはセッションの感想を一言伺いましょう」
mayu「楽しかったです。千里さんがずーっとこっちを気にしてて下さって目が合ってっていうのが楽しかったです(笑)」
千「ステージも実は木なんですよね。ウッドの上にウッドで響きがピアノの方まで来ますからね。僕も楽しかったです、ありがとうございます。タップのアレンジってどういうふうに決めるんですか」
宇川「タップは今踊ったのは即興なんですよ。即興で踊る部分と、私とmayuで踊る部分のときは全部ステップを考えていくんですね」
千「組み合わせを?」
宇川「そう。それを覚えて一緒に踊って作っていく」
千「つま先の方がスラップですよね。前へ後ろへ、それを一個一個二人で小節を足していくように作っていくわけだ。気の遠くなるような」
宇川「結構時間がかかりますね」
(なまはむめろんライブ)
『Chicken』『Feel Like Makin' Love』『アカペラ』
千「観てて、時々目をつむって聴いてたんですけどメロディが聞こえてくるようなときもあって。ああ今激しいなとかニコッと笑ったなって。もちろん画面で楽しんでらっしゃったり、今会場にいらしてるみなさんもそうなんですけど、ラジオでタップを聴くっていうのおつなもんだなって思ったりもしたんですけど」
mayu「マニアックですよね(笑)」
千「(笑)。今日もなまはむめろんゆかりの写真を持ってきて下さいました。(ディスプレイ見ながら)ライブの案内のはがき、これ、パシッとスーツで決めた外国人の紳士」
宇川「こちら、Dr.ジミー・スライドといいまして私たちタップダンサーの一番憧れて、私が個人的に一番尊敬しているタップダンサーです。78歳くらいですね」
千「一緒にタップされたことあるんですか」
宇川「私の師匠がカンパニー持ってまして、今まで三回ジミー・スライドを日本に招いて、一緒に共演させて頂きました」
千「そもそも、お二人はどうしてタップを始めたんですか」
mayu「私は形から入るので…」
千「あ、一緒だ(笑)」
mayu「(笑)。グレゴリー・ハインズというめっちゃくちゃ格好いいタップダンサーがいて」
千「『ホワイトナイツ』の人ですね」
mayu「その人が主演していた『タップ』という映画があって、それを観て、ウワーッと思って翌日からタップシューズ履いてました」
千「思い立ったら行動ですね。宇川さんの場合はバレエをされてたってことで」
宇川「そうですね。母がピアノ教えているので」
千「二人の出逢いっていうのは?」
宇川「十年くらい前なんですよ。その頃はお互いに頑張り途中だったんですけど三年くらい前にある舞台ですごく久しぶりに会って。私は一緒に踊りたいなと思うタップダンサーをずっと探していたときに、目の前にmayuがドンと出てきたんですよ。そのまま、mayu、一緒に踊ろうって(笑)」
千「タップの一番面白いところっていうのは、どういうところですか」
mayu「私は自己表現な感じかな。全部やってるところ」
千「僕、モニター観ながら拝見しているときに、スマイルじゃないですか、踊っているとき。でも一瞬、顔がシリアスになった瞬間があって、格好良かったんですよ」
mayu「ありがとうございます」
千「タップに命かけてるなって伝わってきましたね」
mayu「嬉しいです。もう足を踏み外してしまいました(笑)」
千「宇川さんはタップの面白いところっていうのは?」
宇川「私は音楽がすごい好きなんですよ。なのでタップは踊りで見せる部分とタップのリズムで聴かせる部分と両方あるじゃないですか。それが一番の魅力だなと思って。私はミュージシャンさんと一緒に音楽を作っていくっていうスタイルが好きなんですね」
千「僕、さっきセッションさせて頂いて、ピアノのブレイクをしたときにタップのリズムが聞こえて、お二人のリズムが縦糸と横糸のように絡み合ってて、そこにいつ乗せようかって、ほんの一秒の間なんだけど、ものすごくスリリングでね」
宇川「これって一生に一回しかできないじゃないですか。毎回毎回が楽しいなって、刺激があって」
千「またやりましょうね」
エンディングテーマは『なるほど ね』