Live Depot
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Vol.30 2001/10/25 ON AIR (guest:斉藤誠
「こんばんは、大江千里です。秋深しですね。もうみなさん、みかんは食べましたか?(唐突なこの質問に会場も沈黙^_^;)今週の東京は一気に秋も深まって、ゆっくりと音楽を聴くのにいい季節になってきました」
 (斉藤誠登場)
斉藤「久しぶりです。こんばんは〜、斉藤です〜」
千「83年デビューで一緒なんですよね」
斉藤「そう、83年組ってやつですよね」
千「組?(笑)当時ラジオの公録とか、各地で会いましたね」
斉藤「雑誌のインタビューで仲良し組ってのありましてね。仲良し対談なんつって二人で」
千「はいはい、シンプジャーナルですか?」
斉藤「そうでしたっけね。どんな仲良しだって言うんだろうね(笑)」
千「さて、デビュー19年目に入った我々ですけど。二人ともゲストみたいに(笑)」
斉藤「我々ってのはすごいね(笑)」
千「(会場からの拍手に)ありがとうございます(笑)。三年半ぶりに新曲をリリースでね」
斉藤「このぐらいになると大人の歌を歌うしかないかなって感じですよ。大人なりの恋愛って言うんでしょうか。いろんなしがらみを乗り越えての恋愛というやつ」
千「細かい部分のひだをね」
斉藤「ひだですか?」
千「ひだです」
斉藤「ひだですよね、やっぱり。頑張りましょう」
-CM-

(斉藤誠ライブ)

『今僕を泣かせて』『大切な雨やどり』
-CM-
千「セッションタイム!」
 (千里さんのピアノ演奏に斉藤誠さんのボーカル付き。最後に誠さんが「大江千里〜!」)
千「黒のキャスケットに。深緑の毛糸ですね、それは」
斉藤「秋の装いっていうんですか」
千「だんだん日に日に秋まりますね」
斉藤「今日はみなさんに会えると思って一段と磨いてまいりました」(そのキャスケットを脱いだ模様)
千「(笑)。いつからそんな…。もうすごいですね、ピカピカで」
斉藤「ワンステージに一回しか脱がないんですけどね」
千「(笑)。そんなに最初の方で脱いじゃっていいのかって(笑)」
(セッション)
ブルース・ジョンストン『歌の贈り物(I Wrote The Songs)』

千「『歌の贈り物』って邦題がついてる、さっきまこっちゃんからも説明ありましたけど、1976年、25年前ですか」
斉藤「そんな前なんだ、この曲」
千「全米NO.1になった曲ですけど、元々ビーチボーイズのブルース・ジョンストンがデビッド・キャッシーのために用意した曲で。デビッド・キャッシーって今でいえばキムタクみたいな感じ」
斉藤「まさにそうですね。一つ今頭良くなった、私(笑)。ありがとうございます」
千「それをバリー・マニロウが歌ったんですよね」
斉藤「バリー・マニロウが歌ったやつはもっと濃くって」
千「セリでね、ベンチと街灯なんか出てきて、斜めに帽子をかぶって」
斉藤「(笑)。ラスベガスとかそういうとこで歌ってる感じだったからね。でもこうやって二人で歌うと別のものがありますね」
千「何かね、上からフーッと光が射してくるようなね」
斉藤「あ、なるほど。もう長いですからね。さっきの話に戻っちゃいますけど」
千「友達トークにいきますか、いきなり」
斉藤「いきましょうか、仲良しトークに」

千「まこっちゃんといえばロック、ブルース、そういうイメージの人も多いと思うんですけど、ロックにこだわり続けて19年」
斉藤「(笑)。長いぞ、おい、ちょっと」
千「(笑)。来年19年じゃないですか。ひさしぶりの新曲『Missing Serenade』。ここであえてまたAORという言葉が出てくるんですけど」
斉藤「AORっていう言葉の本質ってのをつかんではいないんですけど、僕たちが70年代後半から82、3年までにぼんやりと耳に入ってきた音楽が当時AORっていわれてて。ボビー・コールドウェルとか僕の好きなマイケル・マクドナルドとか。あの頃ってよく考えてみれば、彼ら、大人の歌を歌ってるっつったって、まだ20代だったりしたわけですよね?僕らも10代でわかんないうちに聴いてたのが今この歳になって、今の歳だったら歌えるかなっていう要素が増えてきてね。すんなりと歌えますね、今だとね」
千「AORっていうのは省略じゃないですか。イメージでいうとしゃれっ気のある大人のスタンダードな音楽とか」
斉藤「昔僕はそういうの、な〜んだとか言ってたんですよ。嫌いだ、あんなもんとか言って。AORっていうと目深に帽子かぶって…僕も今日目深にしなきゃいけない理由があるんですけど」
千「ミラーボー…、いやいやいや(笑)。私もかぶってますからね」
斉藤「ちょっと作られた大人じゃないかと思ってたんですけど、今聴いてみると、さっき言ったようになんでもまぜこぜになってて、ちょっと前の言葉で言うとファジーですか?だったら僕もせっかく世紀が変わって…、今演壇の前で喋ってるような気分になりましたけど」
千「いきなりね(笑)」
斉藤「この際AOR担当として先頭を切ろうかと。みなさん、どうでしょうか?」(会場から拍手)
千「いいですね。21世紀AOR、最初の人ですからね」
斉藤「言っちゃえば最初なんですよ」
千「元々あれでは?アダルトオリエンティッドロックとか言ってるけどレディオとかそういう…」
斉藤「そうらしいですよ。アルバムオリエンティッドレディオとかね」
千「あ、アルバムなんだ、あれは。ということはアルバムトータルで聴いて、その世界を楽しめる…」
斉藤「アメリカではそういう意味だったのかもしれませんね。僕も来年アルバム出すんで作ってるとこなんですけど」
千「会場からも来てますよ。『このところずっと曲作りとレコーディングに励んでいたと思いますが、仕事以外にど〜んと楽しんだことってありますか?』」
斉藤「わりとなくてね。ず〜っと楽器ばっかりいじってたんですけど、そんな中で山籠もりしたときがあってね」
千「山籠もり?」
斉藤「体全体で緑の中に入っちゃって二日ぐらい帰ってこなかったときあったんですけど」
千「まこっちゃんていうとギター持っていても音楽聴いてるかギターの弦変えたりとか」
斉藤「(笑)。弦変えてます。弦変えるときも、ギター弾き始めて何本目かな?とか思いながら変えてるんですよ」
千「自然の中に入るっていうのは久しぶり?」
斉藤「初めてですね。大体自然に入って自分が変わるなんてこと信用してなかったんですよ。でも一回入ってね、ちょうど嵐がいった日だったんです。そしたらね木々がみんな息をし出すっていうんですか?大地が生き返ったみたいになって、その中を歩いてみたんですよ。そしたらそのまま詞が一曲できましたね」
千「それ、ちなみになんていう曲ですか?」
斉藤「それはね、内緒(笑)」
千「そこまで言っといて(笑)」
斉藤「えっとね、『名もない橋』っていう曲なんですけど、来年のアルバムに入ります」
千「アルバムは結構進んでるんですね」
斉藤「あと歌入れが少し残っててトラックダウンするだけです」

千「『スキンヘッドのお手入れ方法、教えてください』」
斉藤「これね、みんな心配するんですよ。初対面の人はカミソリまけしませんかとかね。僕の場合電気シェーバーです。一番高いやつ買いましてね。頭にけがしちゃいけないと思って」
千「僕もスキンやったこと一回あるんだけど」
斉藤「え?ホント!?」
千「Tシャツ脱ぐときにマジックテープみたいにひっついちゃうでしょ」
斉藤「ひっつく、ひっつく(笑)」
千「人間て日々成長してるっていうか、髪の毛も伸びるんだなって思って。風が吹くとムニョムニョしてて脳の中が寒いっていう感じしません?」
斉藤「去年、サザンオールスターズのサポートギターやったことがあって。その時に必ず桑田さんが僕の帽子を取るってコーナーがあったんです。一回だけ僕、剃っていくの忘れたときがあったの。そしたら、取れないわけ」
千「(笑)。くっついちゃって?」
斉藤「ステージで桑田さんが、何で取れないんだよ、お前ってマイクで言われて」
千「そんなこと言われてもね(笑)。というわけで、今日のゲストは柳家花緑さんではありません。斉藤誠さんです(笑)」

(斉藤誠ライブ)
『Missing Serenade』『横浜』『黄色いダイアモンド』
--CM--
千「どうでした?今夜は」
斉藤「三曲ぐらいで盛り上がるっての結構得意なんですよ。最後の一曲で力使い果たした感じで、実は今ぐったりしてます」
千「(笑)。長いステージよりも?」
斉藤「長いステージは長いステージなりにペース作るじゃないですか。でもこういうときペース作んなくていいじゃないですか」
千「始まって…」
斉藤「ドン!いったっきりみたいな(笑)。で、あとは千里くんがなんとかしてくれるみたいな」
千「まこっちゃん、通算10枚目のアルバムのレコーディング中ということですが、ほぼ完成なんですか?」
 (↑の方で同じような質問をしているのでは?^_^;)
斉藤「あとは歌入れとミックスダウンっていうやつがあるだけで、僕としては速いペースなんですよ。5年休んだりとかして、みなさんにご迷惑をおかけしてるんですが(笑)」
千「ニューヨーク行ったりとかね」
斉藤「(笑)。よく知ってますね。千里さん、いろんなこと知ってますね」
千「僕、HP開けたりとか、いろいろ(笑)」
斉藤「(笑)。今回は前のアルバムから4年振りぐらいになっちゃうんですけど、インターネットがあるとどのぐらい待ってくれてるのかわかるんですよね。僕、自分でHP作ってて。これが超マメマメ更新で有名なんですよ(会場から拍手)。そういうパイプがあるじゃないですか。みなさんが期待してるのがわかると頑張ってしまう自分がいくつになってもあるんです」
千「音楽やる環境も変わったんですか?新しいスタッフと出会うとか。詞がほら。だって今までずっとこだわってて作詞もしてたのに」
斉藤「今まで人間不信みたいだったです。人に任すことができなかったというか。今のスタッフの中で大人のAORをロックなりに解釈したところを作っていこうよと、同じぐらいの世代で集まったところで、歌詞は頼んじゃって。歌と演奏に専念というか。そういう、みなさんに気持ちを預けられるっていう作り方してるから」
千「気持ちに余裕が…」
斉藤「そうです。それだけにやりやすいですね」
千「曲と歌とに専念するってことで逆に曲とか歌、それぞれ…」
斉藤「集中度がおっきくなります」
千「そうですか。11月9日に赤阪BLITZでアロハフェスティバル。アロハプロダクションズの」
斉藤「アロハプロダクションズの仲間がみんな勢揃いして」
千「この番組にも出てくれたSKOOP ON SOMEBODYやSAKURAさんとか」
斉藤「みんな、いい人ばかりで僕を迎え入れてくれるんですよ、心優しく」
千「心優しくね(笑)。必ず頭出しも」
斉藤「やります、やります」
千「そんなわけで、もうすぐアルバム、必ず来年の頭に。21世紀の初AOR宣言、斉藤誠さんでした」
斉藤「ありがとうございます。まきが入ってます(笑)」
千「もう思いっ切り(笑)」
最後のエンディング曲のタイトルは『ギター』
「ギターをいじってるというか、ギターを弾けない僕にとって憧れなんですね。まこっちゃんはそういう憧れの存在でもあります」