「こんばんは!大江千里です。みなさん、みなさん、こんばんは〜!ようこそおいでくださいました。そしてラジオをお聴きのみなさん、どこで聴いていらっしゃるんでしょうか?こんばんはです」-CM-
(K.登場)
K.「こんばんは。よろしくお願いします」
千「よろしくお願いします。たいがいアルバムのカバーって実物にお会いすると結構メイクされてたりして感じが違うことが…。テンションの差みたいなのを感じることがあるんですけど、全くそのまま」
K.「(笑)。そうですか?良かったです(笑)」
千「いやちょっとドキドキしてますけど(笑)。今日はトレンチコート」
K.「そうですね。アルバムのテーマが雨っていうことでコートは欠かせないかなぁって」
千「ビックリなのがトレンチコートの中から覗いてるフード。そのカジュアルな感じとトレンチと、何て言ったらいいんでしょうか。こだわりですよね」
K.「(笑)。ええ(笑)」
千「僕がどんどん質問してK.さんが下がってますよね(笑)。最初から攻めすぎでしょうか(笑)?アーティスト名が「K.」。DJとかは紹介するときに悩む人もいると思うんですけど、このK.っていうのはどういうところから?」
K.「Kは名前の頭文字ってこともあって。それから元素記号みたいな感じで、いろんな人とコラボレーションすることによって、ひとつのものが出来上がるっていう意味合いもあって。あともひとつ、Kって英語で発音されない場合があるでしょ?knowとかknifeとか書くときに。音楽も自分が演奏しない間みたいなものがすごく大事だったりするなぁっと思って。発音されないところも大事っていうか、なんか」
千「う〜ん、スペースですよね。わかりました。さて、K.さん、この東京FMホール、どんな感じでしょうか」
K.「初めてなんですけど、すごくきれいで。天井がきれいんですよね」
千「たっかいんですよ(笑)。これ、みんな言いますよ。ゴスペルとか合いそうですけどね」
K.「そうですね。クリスマスなんかぴったりの気がします」
(K.ライブ)
『Never Say...』『Water flame』-CM-
千「セッションタイム!(今日の曲は『サンタが町にやってくる』)もうクリスマス近いですよね」(セッション)
K.「そうですよね」
千「(K.さんがマイクを通さずに返事をしたので)あの、オンマイクでお願いします(笑)」
K.「(笑)。ゴメンナサイ」
千「すごい落ちついてらっしゃるんですけど、トレンチでけだるい感じで座って、『そうですよね』ってマイクが全然遠いっていう(笑)」
K.「(笑)。すいません」
千「いえいえ、ナチュラルで好感度大です。いかがですか?2曲歌い終えての感想は」
K.「わりといつも夜のクラブでのライブが多いので、こういう会場でやるのは稀なことで。座って観ているという感じが慣れなくて緊張しています」
レニー・クラヴィッツ『It Ain't Over 'Till It's Over』(K.ライブ)
(千里さんのピアノにベースとギターのみのミニマムな演奏)千「レニー・クラヴィッツの『It Ain't Over 'Till It's Over』ていう曲ですけど、原曲と随分違う感じでやりましたね。浮遊感があって気持ちよかったですね」
K.「イントロだけ聴くと何が始まるんだろうってかんじでしたよね」
千「前半のステージ観てて、このレニー・クラヴィッツっていうとロックですけど、どうなんですか」
K.「わりとクラブ出とかR&B出だとか言われるんですが、元々ロックバンドやってたこともあって、ロックも私のルーツのひとつでもあるんですね。今までアルバム、コンセプトマキシシングルというものを出してたんですけど、その中でもいつも必ずカバーを入れてて。第1弾がカーラ・ボノフの『THE WATER IS WIDE』、第2弾がコステロの『Alison』、そして第3弾がレニー・クラヴィッツの『It Ain't Over 'Till It's Over』を今のと違ったアレンジなんですけど、カバーを必ず入れて、ちらちらとK.のルーツをいつも見てもらってたんですけど」
千「コステロの『Alison』もそうだけど、いい曲揃いで。いくつぐらいにそういう曲を聴いてたんですか」
K.「初めて洋楽を聴いたのが中学1年の時で、ベット・ミドラーが主演の『ローズ』っていう映画があるじゃないですか、ジャニス・ジョップリンの生涯を描いた。あの時にジャニスより先にベット・ミドラーが私の中に入って来ちゃって。こんなふうに激しくも歌うし、時に寂しく歌ったり、母なる大地みたいな歌い方もすれば、チャーミングで。色んなものを兼ね備えて、で、ジャズも歌えば、ロックも歌えば、ポップスも歌えば。でもベット・ミドラーでしかないというのがすごい憧れで、こんなシンガーがいたんだなぁって」
千「もう、その人がそのジャンルなんですよね」
K.「私もこんな歌うたいになりないなと思ったのが最初のきっかけですね」
千「m-floのタクさんと共同プロデュースで何曲かやってるじゃないですか。出会いっていうのは?」
K.「出会いは2、3年になるのかな。都内の某スタジオで私がそこのロビーで鼻歌を歌っていたところタクが声をかけてきてくれて。今鼻歌歌ってたのきみ?って感じで(笑)。元々、存在は知ってたんですよ、お互い。でも話したことがなくて。そこが話すきっかけになって」
千「レコーディングスタジオのロビーっていうのもそういう交友の場になりうるわけですね。僕、1回ショーケンに歌いかけられたことありますけどね」
K.「(笑)。ホントですか、すご〜い」
千「お茶汲もうとしてたら『♪そこのベース〜』(どうもショーケンの真似をしてるらしい^_^;)ってスタジオから出ていらして」
K.「ホント?それ作ってないですか?」
千「するどいとこつっこみますね」
『Daybreak』『最後のサイダー』『星の向こうへ 』--CM--
千「今日は心なしかスモークがすごくて。ラジオとはいえブロードバンドで放映してたりしますんで」
K.「観てみたいですね、映像の方も是非是非」
千「このトレンチコートで佇みながら歌って、ものすごくきれいですよ」
K.「ホントですか?良かった」
千「昨日、セカンドアルバムが出たんですよね。タイトルが『Keynote』。(アルバム冒頭のナレーションが流れる)(笑)。これ、傷心のレディが実は女泥棒で」
K.「怪盗キャパという女の子が主人公で」
千「プロデュースはK.さん自身ですよね。こういうふうにナレーションからひとつのストーリーとK.さんの音楽と2本で絡めていくっていうのはK.さんのアイディア?」
K.「インタールードを入れたのは曲が12曲出来上がるぐらいの時で。インタールードをm-floのタクにやってもらうことは最初から決まってたんですが、その時点ではインストものになるのかナレーションになるのかは全然決まってなくて。せっかく素晴らしい曲たちがたくさん集まって、この曲をよりみんなにわかりやすく楽しく伝えるにはナレーションの方がストーリー仕立てで映画のサントラを聴いているような感じでやった方が聴きやすいんじゃないかなってことで」
千「サウンドトラックって映画より映画っぽかったり自分のイマジネーションをすごく引き出してくれたりとか、すごいポップだったりすることってありますもんね。さて2001年はどんな年でしたか?」
K.「もうほんとにほとんどスタジオにいましたね。来年は今年に引き続き地に足をつけてじっくりといい作品を作っていきたいなぁと思ってますけど」
最後のエンディング曲のタイトルは『Q.』
「リハーサルでやってて、なんていうタイトルにしようってことになって、じゃアルファベットの中から一文字、自分の好きな文字、K.からインスパイアされてつけようってことで、Q.。Qって感じしたかなぁ?」