「こんばんは、大江千里です。みなさん、ようこそおいでくださいました!今日はいつもより煙の量が多いような気がするんですけど。みなさんとの間がもやってるような気がします。急に雨が降ってきて洗濯物が乾きにくかったり、結構僕はもやった感じでこの場所に来たんですけど、今日はその気持ちを吹き飛ばすような熱い55分間にしたいと思います。(客席の歓声に)サンキュ〜!Yeah!Yeah!ありがとうございます。ちょっとテレながら言ってしまいました(笑)。ラジオの前のみなさんも言ってくれたでしょうか」-CM-
(XYZ→A登場)
千「はじめまして!よろしくお願いします。お一人ずつラジオの前のみなさんに担当とお名前を、自己紹介お願いします」
二井原「ボーカルの二井原実で〜す!」
橘高「ギターの橘高文彦です」
ファンキー「ドラムのファンキー末吉で〜す」
和佐田「ベースの和佐田です」
千「それぞれ思い思いのビジュアルですけど」
二井原「いやいや統一感があるじゃないですか。誰がお前、私服で出てこい言うたんや」
ファンキー「誤解ですよ。リハーサルの時この服だったと思うでしょ?普段着でステージ上がってると思うでしょ?違うんですよ」
千「どこが?」
ファンキー「ステージ衣装で普段生きてるんですよ」
千「なるほど、ありがとうございます、解説をしていただきました。橘高さんと二井原さんはどっちかというと…」
二井原「より普段着な感じで。ま、こっちがプレステージな感じですよね。つっこんでぇな、つっこんでぇな、ボケてんねやから」
千「(笑)。ごめんなさい、ツッコミ忘れました。和佐田さんはそれは……」
和佐田「これはあつらえですね。もう仕立てから入ってますから」
二井原「どう見ても寝間着やがな、きみの。パジャマや」
千「ありがとうございます、僕の代わりにつっこんでいただいて(笑)。XYZ→Aは3年前に結成…話聞いてくださいよ。海外でもCD、ビデオ、リリースして、アメリカのロサンゼルスを含む100本のライブツアーを敢行して、つい先日サードアルバムも出たばかりです!」
二井原「これでハードロックの頂点を極めたんで次からはジャズバンドに変身したいなぁと」
千「誰がやねん(笑)。そんなわけで、この東京FMホール…和佐田さん(笑)、だから話聞いてくれっちゅうねん。ミニポカリスエット飲みほしてはりますけども。どうですか?このホール。もやがかってますけど」
二井原「何回かインタビューで来たことあるんですよ。いつも横を通ってて、これ何やろなって思ってたんですよ。念願かなって、ここでライブできて嬉しいですよ」
(XYZ→Aライブ)
『生きるとは何だ』『STAND UP FOR YOUR BELIEF』-CM-
千「セッション!(千里さんとXYZ→Aの即興演奏)」(セッション)
RAINBOW『KILL THE KING』(ボーカルはXYZ→A、千里さんは今回はキーボード演奏のみ)(XYZ→Aライブ)千「セッション終わりましたぁ」
二井原「汗びっしょりじゃないですか」
千「びっしょりですね。イントロ始まった時点で鍵盤、血まみれでしたね」
二井原「(笑)。オルガン揺らしてましたね」
千「自然と揺れましたね」
二井原「今日のライブを機にXYZのキーボード、新しいメンバーが加入しました(会場から拍手)」
千「みなさん、よろしくお願いします」
ファンキー「この放送終わってからツアー出るんですけど、大江さん、一緒に移動ということで」
千「ひとつ、よろしくお願いします。何でもやります(笑)」
二井原「そのかわりXYZの移動はメンバー自ら運転して、ワゴンで移動しますから」
ファンキー「普通免許を持ってれば大丈夫ですけどね」
千「じゃストリーミング配信放送をどっかで休憩しながら。インターチェンジで」
二井原「ルックス的にもXYZ、OKですよ(会場から笑い)」
ファンキー「それはご本人に失礼な気が(笑)」
千「いや、そんなこと。僕ちょっと今日は意識して本番前に髪を二井原さんみたいにやろうと思ったんですけど、ちょっとジェルの量が足りなかったですよ」
二井原「いやいや、来たときと一緒」
千「(笑)。いやしかし、すごい汗(キーボードを押さえてしまったようで音が鳴る)あ、すいません(笑)。鍵盤が、動揺が(笑)。ファンキーさん、立ちましたね、思わず」
ファンキー「思わずね。ぜえぜえいってますわ」
千「これ、ぜえぜえいいますよね」
ファンキー「40過ぎてこの音楽。危険ですよ」
千「こんな危険なことを。そもそもどういうきっかけでこの4人は集まったわけですか」
二井原「1999年なんですけど。話せばもうね(笑)」
千「そこらへん手短に」
二井原「僕とファンキーが20年近いイヤな友達なんですけど。僕はラウドネスっていうバンドやってて、彼が爆風スランプというバンドで、よく夜のヒットスタジオで一緒してたんですけど、その時からのつき合いで。で、1999年にそれぞれのバンドが活動停止しまして、まぁ何か面白いことやろうかってことになりまして。で、ファンキーが『よし、わかった。俺が金出したろ』。もう2000万ほど借金してくれまして始まりました」
ファンキー「それが悪いことにミーティングが全部飲み屋で。だから誰が言いだしたのか、100本ツアーをやろう」
千「あ〜20世紀中に」
ファンキー「で、100本ツアーがその日に酒の勢いで決まりました」
千「でも勢いで決まった100本ツアー、やりましたよね!」
ファンキー「もうすでに150本は超えてますよ」
二井原「イヤでもね、世の中結構すごいバンドいますよ。俺らすごいなって思ってたんですけど、他に200本ぐらいやってるヤツおる。僕ら行くとこ行くとこ、そのバンドのポスターがあるんですよ。あえて名前はいわないですけどね。もうビックリしました」
千「いやでも、100本の軌跡が3本のビデオになってボックスで出てます。あれ観たんですけど100本目が計算違いで一本やらざるをえなくなって、飛び込みでやってる映像とかね」
ファンキー「そうそう、ゲリラライブやって帳尻あわせて」
千「今もうステージでメイクもすごいですけど、ガッチリこう髪振り回しながら華麗なギタープレイをやってらっしゃる橘高さんがパパの子供の運動会のビデオのように回しながら喋ってっていう。お宝ですよね」
橘高「もう、そういう状態ですね」
千「あれを作ろうと思ったのは?」
橘高「バンドっていうのも生き物なんで急に3年ぐらいしたら解散するバンドもいるでしょ?その瞬間瞬間を輝いていたいなという思いでずっとビデオ回し続けていたんですよ。その都度ファンのみんなに見てもらおうと思いまして。それをまとめたのがあのビデオなんですけど、まだバンドは続いてます」
千「結構セッション、バンドを組んで一回きりで終わるケースも多いじゃないですか」
二井原「初めはみんなそう思ってたらしいんですよ。でもまぁ人間ね、長く続けることが大事ですよ」
千「あ、そうですか。何かミヤコ蝶々さんみたいな(笑)」
二井原「(笑)。いやホンマに続けることですよ」千「会場に来てるみなさんの質問をいくつかぶつけさせてください。『今までライブでアクシデントや一番印象に残っていることを教えてください』」
二井原「僕はひとつあるんですよ。ロサンゼルスでライブやったんですよ。力入りすぎて歌詞、スポーンと飛んでしまったんですよ。『Change my life』って曲があるんですけど、その歌詞のところ、バンド、ブレイクしてるんですよ。バンとブレイクしたとこで俺が歌うんですけど歌詞が飛んでしまった。で、普通日本やったら適当に歌詞作るんやけど、何か訳わからんようになって、訳わからんこと言ってるの。日本語でもない英語でもないスペイン語でもない訳のわからんのを4小節」
千「結構たっぷりありますね。しかもブレイク」
二井原「メキシコ人大喜び。なんかしらんけども」
千「一番スペイン語に近かったってことですね(笑)」
橘高「でもその時は、いまだにラウドネスっていうとビッグネームなんで、ラウドネスのボーカルがやってきたというんで、メキシコの方から車運転して見に来たファンがいたんですよ、二井原の。そのメキシコ人だけ、大ノリ」
二井原「大ノリなんですけど、俺目の前におんのに、おい、二井原はどこ行ったって」
千「(笑)。その時は髪の毛が下がってたんじゃないですか」
二井原「もう短くなってた。僕、昔長かったんで」
千「あ〜、そういう印象の違いで。『ニューアルバムのレコーディング中に起こったことで何か印象に残っている出来事があれば教えていただきたい』と」
二井原「マスターテープありますよね。あれが巻き付いて切れてしまったんです」
千「体にですか?(笑)」
二井原「そんなヤツおるかい、レコーディングで」
千「巻き付いて、せっかく録ったところがうにゃうにゃなって」
二井原「他の二人は帰ってしまったんですよ。僕らふたりだけいたんですけど、全部ぐしゃぐしゃになってしまったんです。けどテクノロジーってすごいね。ひっつけはっつけ、ひっつけはっつけして、わからんへんようになったよね。さ、それはどの曲でしょう?(笑)」
千「二井原さんにマイクを持たれた途端にこのトークコーナー終わってしまいました(笑)。そろそろ後半の演奏の準備に」
二井原「もう演奏ですか?俺休憩したいがな、休憩。喉枯れとるがな、喋って」
『PURE』『真実はどこにある』--CM--
千「いかがでした?今日のステージは」
ファンキー「いや、生きててよかったって感じですね。1曲目終わった後に、あ、死ぬな、今日はって思ったんですけどね」
千「もう燃焼ですよね。CMの間にファンキーさんとチラッと目があったんですけど、あ〜しんど〜って溜息をつかれたのがね(笑)」
ファンキー「こう見えてもしんどいんですよ、ハードロックはね」
千「今日のこの会場のムードはどうでした?バッチリでした?いや、でも体力使いますよね」
ファンキー「よかったと思います。楽しかったです」
千「僕も楽しかったです。ありがとうございます。そしてニューアルバムが出たばっかりです。子供の頃に40ぐらいの時に今の年齢で何やってると思ってました?」
ファンキー「昔のロックスターって人は早く病気で亡くなったりとか、お手本の人たちがいなくなっていったんですよね。結局ロックっていうのはどういうふうに40ぐらいになってやるもんだろうっていうお手本がなくなったんで、自分たちで信じたものを、ティーンの頃から信じているものを追い続けていけば、それがロックになるんではないかという気持ちで今回のアルバムを作って」
千「ヒットチューンというか何かメロディアスでポップって言っていいのかどうか」
二井原「そうですね。元々ファンキーがそういうポップス系の作家なんで、それを僕がこの汚い声で歌い上げるという」
橘高「でも二井原が歌うと全然違うでしょ?ロックですよね」
千「聴いてて、あ、これはラウドネスっぽいとか、あ、これはランナーっぽいという。そういう軌跡が見えるっていうか。レコーディングの時はどういう感じだったんですか。みんなで曲を持ち合わせて、せーので?」
ファンキー「そうですね。こういう曲できたって誰かが持ってきたら、あんまり煮詰めすぎずに、そのままでレコーディングに入って即興性とか入れつつ、それぞれ絵を描いていくようにドラム録ってベース録って。それぞれがこのバンドに対する思いっていうのを重ねていって作品に作るという」
千「このXYZの魅力ってそれぞれどういうところに感じてますか」
ファンキー「等身大っていうのもそれぞれだと思うんですけど、僕らこのバンド始めてからライブ100本やったことあって、朝起きてからすぐこういうライブできる体勢になってしまって。だから気がついたら自分たちが子供の頃思ってた虚飾のロックの人じゃなくて、血がロックになったんで、このバンドっていうのは起きてから寝るまでロックをしてられるバンドっていうのがXYZかなって感じです」
橘高「あと1枚目、2枚目はラウドネスふうの曲、筋肉少女帯ふうの曲、爆風っぽい曲ってあったんですけど3枚目でXYZっていうサウンドがやっと溶け合ってひとつになった気がしますね」
二井原「ええ話や」
千「またミヤコ蝶々先生が(笑)。告知いきたいと思いますけど(笑)。ツアーもスタートしていて、中国でもやるんですよね、北京とか。またどっかで参加させてください」
二井原「え!?今日から一緒にツアーに出るんじゃないですか?」
千「あ、そう。そうでした。忘れてました(笑)」エンディングテーマは『XYZ→A分のアンリミテッド』