ポカリスエットLive Depot
 Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
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Vol.59 2002/06/20 ON AIR (guest:白井貴子
「こんばんは!大江千里です。ようこそ。サッカー、残念でしたね。今日なんかも朝目が覚めると虚脱感というか、あ〜もうあの姿は見れないんだと思うとテンションが下がってる自分に気がついてしまいました」
(白井貴子登場)
千「どうも久しぶりです」
白井「こんばんは、お久しぶりです」
千「いや〜変わらないですね」
白井「大江くんも全然。いつ会っても『十人十色』のときと変わらないって感じ(笑)。言い過ぎですかね?それは(笑)」
千「(笑)。何年振りぐらいですか?二人が会うのは」
白井「三年振りぐらいだと思うんですけど」
千「そうですね。今日は楽しみにしてました。プロフィールを紹介させてください。81年にデビューして今年は21年目…」
白井「大江くん、いつでしたっけ?デビュー」
千「僕は83年ですね。だから東京で、僕は関西だったので、東京のライブハウスでずっとオープニングアクトを、白井さんの前にやらせていただいてました」
白井「懐かしいですね〜」
千「つい、この前のことのようですね」
白井「ホントそうですね。なんか、爺ちゃん、婆ちゃんの会話になってましたね」
千「(笑)。懐かしさと、新しい話もいっぱい聞かせてください。この東京FMホールは初めてですか」
白井「ええ。ちょこちょこFM東京にゲストとか出させてもらうときに覗いたりはしてたんですけど、歌うのは初めてですね。天井すごい高い。もう2階ぐらい建てられそう」
千「(笑)。とどろかせてくださいよ、歌声を。アコースティックな感じの、今日は三人で」
白井「アコースティックで、後半はちょっと盛り上がって楽しくいきたいと思ってます」
-CM-

(白井貴子ライブ)

『アジサイ』『りんごの花の木の下で』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏。ちょっとかわいいメロディ)」
白井「生々ジングルでビックリしました。大江くん、ホントにピアノ上手ですよね」
千「いやいや、何おっしゃいます(笑)。今日のいでたちは白のTシャツに花をモチーフにしたようなバックルのベルトにジーンズと。ナチュラルな感じで、さらさらヘアーで」
白井「私も、大江くんは知ってると思いますけど、網タイツはいたりスリットのスカートはいたり、いろいろしましたけど」
千「こんなスカートありましたもんね。♪チャンス、チャンス〜」
白井「(笑)。そこまで腰振ってないですよ、私。ラジオをお聴きのみなさん、今、360度腰が回転してましたよ」
千「(笑)。すいません。そんなにいきましたか」
白井「(笑)。そういうのやっときながら、貴子ってやっぱり白いTシャツとジーパンがいいねっていろんな人に言われて。あっもうわかりましたって覚悟決めたって感じですね(笑)。
(セッション)
ジョン・レノン『IMAGINE』(千里さんのピアノ演奏に白井さんのボーカル。後半の日本語詞は王様が書いたものだとか)

千「白井さんにとって、この曲の魅力ってどのへんですか」
白井「私もホントおこがましいんですけど、国境とか考えたくない方なので、音楽だって日本だけじゃなく世界中に出たらいいのに、世界の音楽だって日本に来たらいいのにとか思うそういう単純なところが、大地があって、空があるだけなんだ、そこが一番キュンときますね」
千「白井さんが最近自分のレーベル作って自宅のスタジオで、ごく生活の中で音が作りたくなった、その場でレコ−ディングされて、すごく自分が暮らしてる空気をそのまま伝えるっていうようなスタイルもそこらへんから?」
白井「元々、外へ外へ出ていく性格だから、日本という島が狭いぐらいに思っちゃって。メロディラインも含めて私は大陸型!って感じだったんですね、20代。でもそのエネルギーがあったから20代、ロックの女王だなんだって言ってもらえたのかもしれないんですけど、高望みばっかりしてる自分にも気づいて」
千「それ、いつぐらいですか」
白井「ん〜、なかなかヒットしなかったとき(笑)。サッカーでいうとゴール蹴っても蹴っても」
千「決まらない、みたいな?」
白井「バーに当たっちゃうじゃないけど、そういう20代があったんですけど、ある日、野生のマーガレットという何でもない花を見て、すごく素朴に大地に空を見上げて咲いてたんですよね。その花に出会ったときに、すごい私は高望みをしてたんじゃないかってわかったし、もっと自分の足元を見て生きないと、これからはしんどいなって。大地の力をもらって生きてる彼女がすごく美しかったんですね。それに引き換え私は洋楽聴いて、大江くんもそうですよね、洋楽聴いて育ったから、どうしても気持ちが外国に行ってる。そういう自分とのギャップみたいなものを花が教えてくれたんです」
千「今は洋楽、邦楽って分け方あまりしなくなったけど。僕もちょっとニューヨークにいたことがあるけど」
白井「あ、そうですか。何年ぐらいですか」
千「行ったり来たり、4年ぐらいなんですけど。雑踏の中にいると自分は何なんだろう?何をやってるんだって常に自分に問いかけるんですけど、結局自分の日本語の言葉の強さ、『愛』でも『愛してる』でも『し』って言ったときの『し』のしぶきの飛び方も含めて次の言葉が決まってる、そんな中で切なくなったりする音楽を自分はやり続けたいんだなって思ったんですけど。白井さんはロンドンに行かれてて、また戻ってきて、90年代はナチュラル路線というか」
白井「野生のマーガレットに出会ったその日から、じゃないんですけど(笑)。野生のマーガレットのような音楽、野生のマーガレットのような服装、野生のマーガレットのような歌って、ずっと高望みでなく大仰でなく、等身大の自分を考えて曲作りたいって思うようになって随分変わりました」
千「今CDが、昔だと3万枚、4万枚のシングルヒットで、もう4万なのって言われてたのが、今4万って大変なことで、1万いかない。きっと音楽を聴かなくなってると思うんですよ。買わなくなってる」
白井「あー、どんどん出る速度は変わらないし。いっぱいアーティストもいるしね」
千「そういうときに白井さんの話を聞くと、音楽ってそんな構えるもんでもなくて、自分が聴いて欲しいって気持ちがあって、届ける方法はいくらでもあって。聴きたいって人は能動的に、きっとこっちが届けに行くってことができるだろうし、そういうふうにして伝わっていくといいなって」
白井「そうですね。大江くんも自主レーベル立ち上げたって風の噂に」
千「風の噂ですか(笑)?鎌倉まで?」
白井「大変ですよ、自主レーベル立ち上げると。この4年間ぐらい、最初の2年倒れそうでした(笑)」
千「そのいつものスマイルで笑いながら言われると」
白井「全然説得力ないですね(笑)。今もホント富山の薬売りの人みたいにCDかついでいって、売りまっせ〜、みたいなノリですから(笑)」
千「ピンポン鳴って開けたら白井貴子(笑)」
白井「どうですか〜?みたいな。CD買って〜(笑)」
千「自宅のレコーディングで生活の延長線上で自分の気持ちを変える瞬間て難しいのかなって思うけど」
白井「その切り替えがうまくいかなかったらどうしようって最初は悩んだんですけど。今こうやって大江くんと二人で歌いましたよね。それ、そのままCDになっちゃうわけですよ。だから別のとこにレコーディングいきましょうって歌ったら、今とまた違ったものができて。冷静になったら、ここにストリングス入れようかとかなるじゃないですか。そこで、その場でその空気を料理にできるんですね」
千「産地直送ですね?」
白井「生産者の顔が見える商品作りっていう(笑)」
千「オーガニックミュージック白井貴子」

(白井貴子ライブ)
『野生のマーガレット』『HANA』『元気になーれ』
--CM--
千「ありがとうございます。これからの予定ですが、明日、白井貴子ライブツアー『あいにおいでよ』、東京の六本木で」
白井「東京FMからも近いですよね」
千「それは我々ここに泊まって明日パッケージで(笑)?」
白井「そうしてもらったホント喜んじゃいますね」
千「いや、楽しかったです」
白井「あ〜ありがとう。私も楽しかった」

エンディングテーマは『One Key』
「『IMAGINE』がGだったのでGの曲です」