ポカリスエットLive Depot
 Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
 http://www.tfm.co.jp/senri/


Vol.70 2002/09/05 ON AIR (guest:森広隆
「こんばんは。大江千里です。ようこそLive Depotに。僕ちょっとレコーディング中で、最後の追い上げなんですけど、ずっとこもってまして、今日は久しぶりに外に出てきてるんで弾けたい気分です」
(森広隆登場)
千「はじめまして!赤のTシャツにジーンズですけど」
森「はじめまして!」
千「今、全国のキャンペーンでインストアやってらっしゃる最中?」
森「そうですね。いろんなとこ行ってますね」
千「どうですか?喋って身近なところで演奏するっていうのは。緊張したりとか?」
森「緊張しますね(笑)。インストアだからお店じゃないですか。普通の蛍光灯の明かりで明るいし、近いから余計緊張しちゃったりとかありますね。一人で喋るのがなかなか間が持たなくて(笑)」
千「じゃ今日はキャッチボールしながらいきましょうね。このホールはどうですか?ちょっと天井が高い独特な設計なんですけど」
森「そうですね。なんか…緊張してますね(笑)。人が多いですよ」
千「今日満杯ですよ〜。(会場から拍手に)みなさんひとつ55分間よろしくおつきあいください。ずばり今日のライブ、どんな感じになりそうですか」
森「う〜ん、今日はセッションがあるんで(笑)、それがすごい楽しみです」
千「なんかセッション用に僕が加わるためのスペースを作っといてくださって。楽しみです。じゃ今夜の意気込みを一言お願いします」
森「ライブなんで何が起こるかわかんないですけど(笑)、それも含めて楽しんでもらえれば最高かなと思います」
-CM-

(森広隆ライブ)

『Fuzz Master』『退屈病』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)僕はピアノの前に移動しました。よろしくお願いします。セッション、素晴らしい曲が今日は選曲されました」
(セッション)
TOTO『GEORGY PORGY』(千里さんはピアノ演奏&サビ部分のボーカル)

千「ステージ上は五人のミュージシャンによるセッションが今行われました。この曲は1978年TOTOのデビューアルバムより『GEORGY PORGY』という」
森「デビューアルバムの曲なんですか?僕、大好きな曲で」
千「昔から聴いてたんですか、TOTO」
森「TOTOはたまたま中学校ぐらいのときに友達がCDを持っていて、それで聴いてたんですけど。そのときはこの曲はそんなに…派手な曲じゃないじゃないですか、あんまり気にしてなかったんですけど。ずいぶん後になって黒人のシンガーがカバーしてるのを見てカッコいいなと思って、改めてオリジナルを聴いたらすごいなと思って(笑)」
千「今日はでもタイミングとか、ちょっとみんな後ろで気持ちよかったですね(笑)。僕も楽しかったです。森さんは鹿児島生まれで。音楽に目覚めたのは?」
森「17歳ぐらいの頃に作曲で食っていきたいと思うようになったんですよね」
千「漠然と?」
森「漠然となんですけど、はっきりというか。それまでは音楽っていうふうに聴いてる感じではなかったですね。あえて言うならゲーム好きだったので、ゲーム音楽を何となく聴いてたりとかしました」
千「今やってるような音楽に移っていくっていうのは?バンド活動やってたんですか」
森「バンドも遊びでやってたような感じですね。曲をコピーしてみたりとか」
千「いよいよ来週9月11日に、僕もこの間CD屋さんで見ましたけど貼ってありました、ファーストアルバム『並立概念』がリリースされます。ファーストですね。おめでとうございます」
森「ありがとうございます」
千「客席で拍手しながらお辞儀をしてくださったかたが何人か(笑)。どうですか?直前の気分は。シングルは出たんだけど」
森「元々自分が曲を作るとか演奏するってことが音楽そのものの目的だったので、リリースっていうのはそんなに意識してなかったんですけど、アルバムはできた時点ですごい嬉しかったし、どんなふうに聴いてくれるのかすごい楽しみですね」
千「この『並立概念』の中にスティービー・ワンダーの『ISN'T SHE LOVELY』や達郎さんの『Bomber』が入ってますけど、ファーストっていうとどうしても自分のオリジナルをちりばめてっていう、シンガーソングライター的には考えたりする場合もあると思うんだけど」
森「いろんな理由があって、まずはアルバムの曲を大体この曲でいきたいっていうふうに並べてみたときにマイナーコードが主導権を握ってたっていうか(笑)、そういうのもあったり。あとはファーストなんで、いろいろ詰め込みたいって気持ちがあるじゃないですか。そのせいなのか、これまでのやってきた集大成的なものでもあるので、すごい濃ゆいものになりすぎていて。自分で通して聴けないくらい濃かったんです(笑)」
千「森、森、森(笑)?」
森「重くて濃ゆ過ぎたんですよね(笑)。音楽っていうのはもちろん自分がフレーズとか考えるんですけど、空気を吸って吐くように、吸った空気と吐いた空気は違うものだけど、吐いた空気はほとんど吸ったものからできたようなもので、聴いてきた音楽っていうものがあって自分の音楽だったりするから、創作っていうのもどっから創作かなっていうのもはっきり言えないというか。パクったりするのじゃなくても、血肉となるために食べた物、ルーツというのはとても重要な意味というか、ほとんどがそれだったりするじゃないですか。それ以上に自分がいたことでたどりつけた部分が見えれば音楽をやった意味もあるのかなとか、そんなこと考えてて、好きな曲をカバーしてオリジナルのアルバムの中に入れるのも音楽的に自然なことというか、いいことなんじゃないかと思ったんですよね」
千「達郎さんの『Bomber』が流れたときは、あれっ?これは完全コピーに近い(笑)、よっぽど好きなのか(笑)。ニヤッとしましたけど。このアルバムは全部アナログな質感というか、フォーリズムで、ギター、ベース、でキーボードが入ったり、ドラム、すごくシンプルで。でもそれぞれの楽器の支配する空気感が自由でスペースがあって、すごい楽しかったです」
森「嬉しいですね、そうやって聴いてもらえたのって。意識したところではあったので、休符だったり空気感とか。すごく嬉しいです」

(森広隆ライブ)
『ただ時が経っただけで』『ゼロ地点』『Pebama』
--CM--
千「お疲れさまでした!」
森「お疲れさまでした!ありがとうございます」
千「聞くところによると今日初めての人が…」
森「ギターの馬場さんは本番では初めてで。リハ二回で、三回目に会ったっていうか(笑)」
千「そして僕も初めて今日お会いして、キーボードの森さんの弾き語りっていうのも初めて…」
森「(笑)。そうなんですよ、キーボードの弾き語りしたのは初めてで、すっごく緊張しました」
千「すごい味があって好きでしたよ」
森「もう弾きながら、生演奏で生放送だよ〜って思いながら(笑)、間違ったらそれがもう(笑)、電波には乗るは、みんなには見られるはで、もうやばいぞって思いながら、めちゃめちゃ緊張しました」
千「(笑)。森さん、いいっすね。今好きになりました、すごい(笑)。今日来てるかたの質問なんですけど『作詞作曲のときのジンクスというか、おまじないがあったら教えてください』」
森「いや、ずーっと考えてるんで(笑)。今、自分の中にこういうフレーズがあってとか、それが頭の中に繰り返し鳴ってたりするから、移動中にそれをどうやって遊ぼうかなって考えてたりとかが多いんですよね。あれですね、勢い(笑)、が全てかな?気持ちいいとか思えば、それが全てなので」
千「めちゃくちゃできそうだなって思うときがあるじゃないですか。今ポカリスエットがガタッて、こう(笑)」
森「氷がね(笑)。今僕がこれを取ったからバランスが…」
千「ちょっと並立概念が崩れちゃって(笑)、ちょっと傾きましたけど。普段持ち歩いてるカセットテープレコーダーがあるっていう話…」
森「最近買ったんですけど、MDのポータブルも録音できるのあるじゃないですか。でも、あれってマイクが付いてないからマイクも一緒に持ち歩かなきゃいけないし、何かRec.押してすぐ始まるっていう感じじゃないし。録れてるかどうだかグルグル回ってるマークみたいなの見ないとわかんないじゃないですか(笑)」
千「(笑)」
森「頑張って、いいの出来たってやっても録れてなかったりとか。カセットなら確実なので。あと、ワンアクション、一回ポンで録れるっていうのでカセット愛用してるんですよね。大江さんも持ってる?」
千「僕も作曲するときは、一台が壊れたらあれなんで同じアナログの、よくインタビューなんかでテープ回させてくださいっていう、その場でマイクもなしで録れるやつを、森さん持ってるやつと同じだと思うんだけど、それを四台ぐらい」
森「四台も持ってるんですか」
千「たくさん持ちすぎで、四台持ってるからいつでも作曲に困らないだろうって思ってると電池が全部なくなってたりとか(笑)」
森「全部同時に(笑)?すごい寂しいですね、それ(笑)」
千「アナログな中で作ってますけど。11月に初のワンマンライブが決定しました。初のクアトロっていうのは朧気ながら何か考えてますか」
森「具体的にはそんなに考えてないんですけど、曲によってバンドの編成とか変えられればいいかなぐらいしか」
千「楽しみですね。ここにこだわって十年後こういう感じになってたいなっていう?」
森「十年後?36歳ですか、微妙ですね(笑)」
千「微妙(笑)。40歳ぐらい言ってくれよって(笑)」
森「十年では何ができるかな。大きい目的としては生のグルーブを追求したいっていうのそうだし、単純にいい音楽をやりたいとか。音楽っていう流れの中で自分がいて、たどりつけるところに、自分にしかできない部分にたどりつければいいなとは思ってますけど。十年後にはまだできないかもしんないですね(笑)」

エンディングテーマは『表面張力』
「『並立概念』と全然意味的にちがうんですけど漢字四文字で作ろうってことで『表面張力』って言葉が出てしまいました(笑)。何か張りつめてました(笑)。一カ所間違えちゃったんですけど。自己申告しちゃいました(笑)」