Live Depot
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Vol.75 2002/10/10 ON AIR (guest:大野雄二
「こんばんは、ようこそ、大江千里です。もうすっかり秋というか冬に向かってる感じしますけど」
(大野雄二登場)
千「はじめまして。よろしくお願いします。先週のゲストのICEのかたも今日見に来たいなんておっしゃってましたけど。今かかってますけどこの曲で(『ルパン三世』の曲)がB.G.M.)、数多くのリミックスとか出てますけど。大野さんの簡単な紹介をさせてください。今日は少しカジュアルな、でもタイをなさってますけど、スーツ姿でいらしてますけど。大野さんは高校時代からジャズにはまって、大学在学中からプロとして始められて、この『ルパン』、みなさん知ってると思いますけど、他に映画音楽、『犬神家』とか」
大野「まぁ、そうですね」
千「そのへんの打ち明け話みたいなもの聞いていいですか」
大野「はい、どうぞ」
千「数多くの映画のサウンドトラックとかも手掛けてらっしゃいますけど、最近では作曲家というよりは、ご自身としては演奏家ということで?」
大野「まぁ、生でお客さんのいるところでやるっていうのと、作曲家とかでスタジオでね、お客さんいないところでやるでしょ?そればっかりやってると違うときに、要するにお客さんのいるところでやったことが。昔、そういうことをずっとやってたわけですからね」
千「大学時代とか?」
大野「それを一回やっちゃうとやっぱり人が、お客さんのいるとこがいいなってこと」
千「またお客さんからパワーをもらったりしますからね」
大野「そうですね」
千「今日のステージはグランドピアノ、デーンと今置いてますけど。それにドラム、ベース、トリオでお送りします。じゃFMをお聴きのみなさんに一言今日の抱負をお願いします」
大野「ジャズをやるときにあんまり、なんて言うんだろう、力んじゃってもしょうがないのでリラックスしてやるのがいいんですけど、とりあえず一生懸命やります」
(大野雄二ライブ)
『Cジャムブルース』『ラブスコール』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ)今日のゲストは大野雄二トリオ!今日は僕もキーボードで加わって一曲、このスタンダードで四人でやります」
(セッション)
『枯葉』(最初に千里さんが自分で作った?メロディを演奏して、そのあとにセッション曲へ)

千「いかがでしたか?今日の『枯葉』は」
大野「面白かったですね」
千「面白かったですね。リハーサルのときに初めてお会いして、『枯葉』に入る前の部分とか自由にやらせてもらって、いろいろ教えてもらって」
大野「いや、とんでもない(笑)」
千「暗黒、地をはうような世界から『枯葉』にフッと抜けていくような。楽しかったです、僕も。ありがとうございました」
大野「とんでもない」
千「大野さんが元々ジャズを始められたのは高校時代ってさっきも触れましたけど、きっかけはなんだったんですか」
大野「まず学校だと思いますね」
千「慶応大学…」
大野「慶応大学の高校なんですけど。そこに入ったときに仲間に、要するに自分がジャズなんかやれるっていう…、好きなのは好きだったですよ、でも自分がそこに一緒に弾けるとかって感じじゃなくて、ただ好きだったんだけど。僕、一年のとき卓球部だったんですけどね」
千「高校のとき卓球ですか?僕も卓球部ですよ」
大野「あ、ホント?それで一年のときに文化祭があって、そのときに模擬店みたいにライブハウスみたいなのやるんですよ、高校で。そんときにすごい奴らがいっぱい出てたわけ」
千「ジャズで?」
大野「仲間ですよ、同級生で。それを聴いたときに、聴いてるもんじゃなくて同じように一緒にやってる人がいるってことは俺にもできんじゃないかなって。だからその学校に行ってなかったら普通にやってたと思うんだけども。好きは好きだったんだけど自分が中に入っていくって感じになったのは慶応って学校に入って、その頃すごいうまい人がいっぱいいたわけですよ、じゃ俺もやりたいなっていうのがきっかけ」
千「プロになるとか音楽でメシ食っていくとか、何かを始めるときに夢のまた夢、ファンタジーに見えてたことが、足がかりっていうか、そういう人が七年上にいるってことがわかったりすると、急につかまって、その世界に入っていけそうな気がしたとか」
大野「そういうことよりも、自分がそこに参加してできるなんていう感じはなくて、聴くもんだと思ってたのが、あ、仲間っていうか同じ人間で同じような年代の人がこんなにうまくできるってことは、もしかしたら自分にもできるのかなっていうのが。あと仲間がいるってことは、そこで入れてもらえばレベルの高いとこでうまくなるでしょ?そういう意味ですごいうまい人がいるところに入れたってことは、ものすごく自分にとってはショックで。それですぐに卓球部止めましたからね。それからもう勉強も何もしないで」
千「from ピンポン to ジャズ?そのあとCMとか」
大野「CMは自分で覚えてないぐらいいっぱいやってますから。年間一番多いときで200本ぐらいやってたことありますから。テレビで四回ぐらい続けて自分のCMが流れちゃうってとき、ちょっと気持ち悪いですよ(笑)。あ〜これも俺がやったんだ。次も俺やったんだ」
千「あ、でも大野さんとテレビ観たい(笑)」
大野「(笑)。今はやってないですよ」
千「『ルパン三世』ですよ、なんといっても。トリオでセルフカバーしたジャズコレクションが四枚出て、かなり売れてるということですけど、大野さんにとってルパンの音楽っていうのはどういう感じですか、今」
大野「25年経っちゃうんですよ、もうね。作ったの25年前ですから。そのときに25年続くと思ってないし」
千「フュージョンぽい感じだったですかね、25年前」
大野「そうですね。フュージョンとか定着してない頃ですよね。そういう部分で、ジャズをやってたんだけど、途中から全然違う、要するにピアニスト止めちゃったわけですから、作曲家になっちゃったわけですから、全然違うジャンルの音楽、コマーシャルってのは何が来るかわかんないわけだからね。突然クラシック頼まれたりするわけですから。それできないって言えないわけですから。演歌頼まれちゃうことあるわけですから」
千「ありとあらゆる…」
大野「だから毎日楽しみなわけ。今度の仕事、どういうんだろうっていう」
千「家で主婦の人が皿洗いながらホッと振り向くっていう、そういうタイミングを作っていくわけですよね」
大野「そうですね。長くて30秒ですからね。メインは15秒ですからね」
千「90、60、30秒って、いろいろありますけどね」
大野「今90なんて滅多にないですからね。特に映像が一緒になってるもんはね」

(大野雄二ライブ)
『I could write a book』『ルパン三世愛のテーマ』『ルパン三世のテーマ』
千「楽しかったです、僕も聴かせていただいて。もうすぐ…あ!ニューアルバムだ」
大野「というかサントラですね。僕はわかんないんですよ。なんていうか、勝手に出たりしてるから(笑)」
千「『ルパン三世 EPISODE:0 FIRST CONTACT』」
大野「夏にやったやつですね」
千「放送されたテレビスペシャルのサウンドトラック。とにかくジャズってどんなんだろう、聴きたいなっていう人が入門編に聴いたりとか」
大野「まぁ気楽に聴いてもらってね。聴くと意外と難しくなかったりするんで」
千「ジャズっていうと」
大野「ちょっと敷居が高いっていうかね。そうじゃなくて僕のやってるのはすごくシンプルなことですから、ただ生まれつきっていうか、ジャズのエッセンスで育っちゃって、それから作曲家になったりしてますんで何やってもエッセンスはジャズがちょっと出て来ちゃうんで。そういう感じで聴いていただければ。ジャンルでジャズにこだわってるとかじゃないですから」
千「チラリズムっていいですよね」
大野「そうですか(笑)?」
千「エネルギーが燃えてる感じがちょっとなんだろう?押さえて演奏されてる感じがして逆にメラメラっていうのが伝わってくるっていうか。抑制が利いてるから」
大野「それはやっぱり考え方として全部爆発させちゃうとつまんないんですよ。自分の中で燃えてるのをギリギリでこらえてる状態でやるのが僕の好きなファンキースタイル。それをこらえないと違うファンキーになっちゃうんでね」
千「(笑)。いいところでこらえつつ、ライブです。10月だけでひぃ、ふぅ、11本!ひぃふぅって数える人少ないと思いますけど(笑)。失礼。11本、予定があります。詳しくはオフィシャルでチェックしてみて下さい」

エンディングテーマは『The Guy in Neighborhood』