「こんばんは、大江千里です。TFMホールへみなさん、ようこそ〜。冬本番真っ盛りで風邪も流行っております。高熱が出るインフルエンザなどかかってないですか。僕もツアーをいろいろ回って帰ってきたら今日ちょっとイガイガするんでうがいうがい、そのまたうがいで。大変な勢いでうがいして出てきたら、余計のどが痛いって説も(笑)、あるんですけど」(松本英子ライブ)
(松本英子登場)
松本「お邪魔します。よろしくお願いします」
千「よろしくお願いします。ロングドレスで大人っぽいですね」
松本「女寄りで、今日は」
千「松本英子さんのプロフィールをさっき読んでたら、双子座、O型、水星人、ライオンってあるんですけど、ご自分でどう思われますか」
松本「今さら動物占いでごめんなさいって感じですけど(笑)、どうなんでしょうね。自分自身は結構楽天家かもしれないですね。泣き虫だけど楽天家」
千「あ、ホント?泣き虫だけど楽天家。こんな生ライブの前ってドキドキしますか」
松本「緊張しますね。お客さんの顔が何か…あ、でも、いいですね」
千「ドンとこい、みたいに見えるんですけど(笑)」
松本「やめてください、それ。おっきいだけだと思うんですけど(笑)」
千「いやいや。新曲『今年の冬』出ましたね。そして先日ニューアルバムのレコーディングも無事に終了したという話聞きましたけど」
松本「終わったばっかりでできたてほやほやなんですよね、今」
千「今日の意気込みを一言でラジオを聴いてるみなさんにお願いします」
松本「今日はせっかく生ライブなので言葉をしっかり、みなさんに伝わるような、あったかいライブをしたいと思いますので楽しみにしててください」
『天使がいた朝』『ワインの匂い』-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)前半からミュージシャン、バッチリですね、呼吸。フレーズがあれだけ絡み合うと気持ちいいでしょう」(セッション)
松本「そうですね、すごい楽しいです、毎回」
渡辺美里『10years』(千里さんのピアノのみのアコースティックバージョン。オリジナルより随分色っぽい声で雰囲気かなり違います)(松本英子ライブ)
千「僕が作曲した渡辺美里さんの『10years』、15年前88年の美里さんの『riboon』というアルバムの中の曲ですけど」
松本「すごい感動なんですけど!私は。ホントに」
千「あ、そうですか、ありがとうございます。僕も感動ですよ」
松本「すごい嬉しいです」
千「あの曲を聴かれてたときって、いくつだったんですか」
松本「えっと、小学校四年生ぐらい…」
千「ガク〜ッ(笑)。ランドセル」
松本「(笑)。しょってましたね」
千「その頃は歌、テープなんかに入れて?」
松本「近所の一緒に遊んでた二こ上のお姉ちゃんがいたんですよ。そのお姉ちゃんが、すごいいい曲があるんだよって言って、うちに持ってきてくれて。そのとき結構歌い合ったり、お披露目会みたいなのが流行ってたんですよ」
千「あ、歌ごっこみたいにね。響くところかなんかで、エコーがかかるような」
松本「そうです、そうです。それで聴かせてもらったのが美里さんの『ribbon』っていうアルバムで最後に『10years』が入って、もうホントに!でも、あれから10年もって言いながら、そのとき10歳だったんですけど(笑)」
千「(笑)。あれから10年前って微妙ですもんね。この先10年もっていう、この先ってどういう感じで歌ってたんですか」
松本「あれから10年よりも、この先10年ものほうがリアリティがあって、でもやっぱり大人の歌だったんですよね。10歳で歌うには早すぎたと思うんですけど。でもそれでも背伸びしたくて歌っていて。10年後といったら二十歳じゃないですか。二十歳に私はどんな仕事をしてて、どんな女になってるんだろうって思い描きながら歌ってましたよ、ハイ」
千「どんな大人になってるんだろう、十分ませてると思うけど(笑)。でも音楽が常に溢れてる、そういう家族だったりとかしたんでしょう?」
松本「そうですね。両親が元々バンドをやってたので」
千「同じバンドの中で結婚されたんですか」
松本「そうです。うちの母がお父さんをナンパしてですね」
千「(笑)。いいんですか、この話聞いちゃって」
松本「(笑)。大丈夫です。ちょっとひっかけてですね(笑)。そのままバンド内恋愛で結ばれたらしいんですよ。だから、ちっちゃい頃からライブをやったりとか」
千「家族で?パーティとかして?」
松本「パーティとかして。遊んでましたね」
千「ソフトボールを中学と高校のときにやってたっていうのを聞いたんですけど。やっぱり下からフッと投げる…」
松本「投げてましたね。未だにやってたりするんですよ、実は」
千「未だに集まって?」
松本「事務所の人とか、お友達を呼んでソフトボール大会をね。今オフシーズンなんですけど」
千「(笑)。今、働いてんだから。じゃ、ずっと年上の人から音楽の洗礼を受けたりしながら周りにあって。マイクとか握るふりをしたりとか?」
松本「バラードなのに踊ってたりとか」
千「(笑)『10years』も振り付けやってたりとか?」
松本「(笑)。振り付けたりしてね。やってましたよ」
千「体育会系のそういう運動しながら松本英子にとって、その当時、音楽ってどういう存在だったんですか」
松本「部活を終えて、そのあとに暗くなった道を帰って行く間にも歌って。更に家に帰ってからもずっと歌っていて。普通運動したら、それだけでストレスだったり、いろんなもの解消されると思うじゃないですか」
千「フラフラになりますよね、普通ね」
松本「フラフラになってバタンっていう訳じゃなくて、私はその更にたまったものを音楽で解消してたんですよね、なんか(笑)」
千「ものすごいエネルギーが」
松本「歌うことがとにかく好きだったんで」
千「この先10年もって、10年たったときにデビューしたわけでしょ?」
松本「そうなんです。二十歳間近にしたときがデビューだったんで。10歳のときにね、それは想像できてなかったので」
千「そのあとにプロになろうと思わせる程の影響を与えた曲なりアーティストっていうのは、きっかけみたいなのはあったんですか。この曲があったから、みたいな」
松本「実は中学校三年生のとき文化祭の準備をしてて、体育館もステージに、スポットライトがあったり黒幕のカーテン張られたりとか。その中で誰もいない体育館で友達とちょっと遊ぼうと言って、レジーナ・ベルの『A Whole New World』っていうディズニーの『アラジン』の。ちょうどそのとき映画やってたんで、それを歌おうって言って歌ったんですね。そしたら、それを歌い終わったときに目の前で聴いてくれてた友達が泣いていたんですね。あ〜って思って。初めて自分の歌で泣いてくれて感動してくれたの見てプロになろうって思ったんです」
千「それまでは歌は気持ちいいなって自分のエネルギーを消化させる手段だったのが」
松本「それがやがて伝えるっていう方向に変わっていったときでしたね」
千「英子ちゃんの曲聴いてると、いろんな人の曲歌ったり自分で作ったりするじゃないですか。でも何かいい歌を歌って、そこらへん気持ちが開いてるっていうか。今回もシングルはカバー曲じゃないですか。槇原敬之さんの『今年の冬』。これはどういうふうな経緯でカバーすることになったんですか」
松本「去年の春にライブイベントがありまして。今回のプロデュースもしていただいてる武部さんのイベントなんですけど、そこで私も槇原さんもゲストボーカルで出演してたんですね。そこではじめましてで出会って」
千「それがはじめましてだったんですか」
松本「そうだったんですよ。もちろん私は前から大好きで聴いてたんですけど。そこで槇原さんの方から僕の歌歌ってみませんかって話をいただいて」
千「松本さんの声に惚れた訳だ、そのときに、槙原さんは」
松本「リハーサルとか聴いててくださってて。それで言ってくださったんですよね。ビックリです」
千「コーラスで槙原さんが入ってたりとか」
松本「豪華なことになってます」
千「君っていう言葉を女の子である英子ちゃんが歌うっていう、それって自分の中であるんですか、君を歌うときの思い入れって」
松本「なんだろう。やっぱり男性の歌詞なので違和感があると思いきや全然なくて。やっぱり私が思う君っていうのは、秋田で18年間暮らしてた、その中でつき会った人だったりとか、そのときの恋人だったりとか。冬の景色と一緒に浮かんで来るんですよね。君っていうのは、だからその人がいますっていう(笑)」
『squall』『Naturally Yours』『今年の冬』
千「選曲自身もじっくりと、なんていうんだろう、冬の冷たい風に吹かれながら冬に聴くあったかさみたいなのがすごい伝わってきて」
松本「ありがとうございます」
千「どうでしたか」
松本「今日の選曲って、すごい思いが入る曲ばっかりなので、一回一回ハーッハーッていう感じで(笑)。すごいエネルギーがたくさんいる曲で」
千「僕、ときどき画面で見たりしながら歌を聴かせてもらったんですけど、女優さんじゃないけど、歌の中にフッと入るときの感じっていうのは何か降りてきた感じで、すごいな〜と思って」
松本「嬉しいです。ありがとうございます」
千「来月二月の末にはニューアルバムもリリースされます。4thアルバム、タイトルは?」
松本「『君の音』というタイトルに決まりました」
千「君って言葉が入ってますけど、いろんな君が入ってるわけですか」
松本「そうですね。これはカバーの曲も入ってたりとか、今回オリジナルも中に入れてあったりとかして。たくさんの世代の曲が入ってるんですけど、すーっと一枚を通して聴くと全然違和感なく聴こえてしまうので、それがこう…。今回武部さんのプロデュースということでホントにひとつのストーリーというか」
千「英子ちゃん自身はカバーとかオリジナルとかっていうこだわりはなくて?」
松本「でも歌うときは今回の『10years』もそうなんですけど、オリジナルの色ってすごく焼き付いているので、それをどう自分のものにしていこうとか悩みますよね。でも好きですね。昔っから歌ってたので。そういうルーツの曲を歌うってすごく幸せなことなので、このレコーディングも幸せ、幸せで、もう終わっちゃうの?って感じだったので」
千「あ〜なるほど。今日、なんかできたてでパコッとCDに焼いてたやつをさっき僕いただいたんで」
松本「ホントにできたてなんですよ」
千「ちょっと一足先に聴かせていただきます(笑)。これからも自分の気持ちの中に深く降りて来るというか、そういう曲を歌い続けていきたいっていう」
松本「そうですね。とにかく言葉を大事に、みなさんがひとつのフレーズで私の声を聴いてほろっと涙してくれたら嬉しいなと思います」
千「今日来てくれた方の中で『槙原さんの曲をカバーしてますが、次は大江さんのはいかがですか』っていうのあるんですね」
松本「あっ!」
千「で、『大江さんならどの曲を松本英子さんに歌って欲しいですか』っていうのがあるんですね。僕ね、『年上の彼氏によろしく』っていう曲があるんですよ。その曲歌って欲しいなって思いましたね」
松本「あ、ホントですか。きゃ、すごい拍手。イェ〜」
千「すごい切ない男心を歌ってるんですけど、なんかそれを英子ちゃんに歌って欲しいな〜って思ったんですが、もし…」
松本「歌いますよ!」
千「(笑)。じゃもしそれが実現したら、この瞬間に始まるわけですからね。アルバム『君の音』が出ますけど続いてライブも。春ぐらいですか」
松本「春ぐらい、三月末あたりに計画してて、面白いことやろうと思ってるのでぜひ」
千「今からこの先10年もって、どんな歌手になってたいですか」
松本「いつまでも自分自身で一番心が震えて、それでそれをみなさんのもとに届いていけるような、そういう歌い手でずっとあり続けたいなって思いますね」
千「しわくちゃになっても歌ってるんでしょうね、何かを握りしめながら」
松本「多分(笑)。歌ってると思うんですけど」
エンディングテーマは『歌花』
「表現力っていうのはすごいですよね。巻き込まれそうに、もってかれそうになりますけど。彼女の声が花びらが落ちて来るような感じで、その着地するときの、声が着地するときが、優しさっていうか、フッと落ちて来るイメージを曲にしてみました」