Live Depot
 Every Thursday, PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
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Vol.93 2003/02/20 ON AIR (guest:小林明子
「こんばんは、大江千里です。みなさん、ようこそ。ラジオを聴いてるみなさんも一週間のご無沙汰です。強力に寒かったり、ちょっとあったかくなったり。ホントに風邪ひいちゃいますね。春が待ち遠しいです」
(小林明子登場)
千「お久しぶりです。ようこそ〜」
小林「こんばんは〜。お久しぶりです」
千「今日はブルーのセットアップのスーツで。リハーサルのときは髪の毛が下におりてたんですけど、一気に短時間でセットアップされて(笑)。すごいですね」
小林「(笑)。そうですね、一気に締め上げました」
千「(笑)。締め上げましたか。小林さんは今流れてますけど、この曲(『恋におちて』)でもお馴染みだし、カーペンターズのアルバムを作られたり」
小林「そうなんです。カレンさんの没後20周忌記念ということで、カーペンターズのトリビュートアルバム作りました。もうすぐ出ます」
千「3月5日ですよね。『A Song For You カーペンターズ・アンソロジー』。ロンドンに91年に移られて、もう…」
小林「もう12年目になりますね」
千「三回オリンピックを迎えられて(笑)。12年、干支が回ってきますからね。久しぶりの日本なんですか」
小林「最近結構よく帰って来てるんですけど。最初の頃は年に一度ぐらいずつ帰って来ていて、最近は年に2、3回は帰って来てます」
千「2000年でしたっけ?日本での小林明子としての活動を始められたのは」
小林「2000年か2001年ぐらいからまた久しぶりに日本での活動を再開しました」
千「ロンドンでは別名で音楽をやってらっしゃるんだけど、今日はそこらへんのロンドンの話、そして小林明子としての話、いろいろ聞かせてください。よろしくお願いします。日本でのこういうラジオとかテレビとかっていう媒体でのライブっていうのは?」
小林「ホントにこういう感じでライブっていうのはもしかして今日が初めてかもしれない。テレビとかでライブ最近やったんですけど、こういうふうにライブ…」
千「お客さんがいらして」
小林「ええ、ちょっと何か久しぶりで、ここはどこ?みたいな感じで(笑)」
千「ここはどこ(笑)?TFMホールですよ(笑)」
(小林明子ライブ)
『Honolulu city lights』『TOP OF THE WORLD』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)久しぶりのオーディエンスと一緒のライブとおっしゃってましたけど、いい感じですね」
小林「なんか…楽しいです(笑)」
千「手を振ってるオーディエンスの方いらっしゃいますけど。振り返してらっしゃいます。ステージの中央に小林さんが今スツールに座られまして。僕はステージの端っこのほうにピアノで小林さんのほうを向いて、二人、面と面を向き合った状態で(笑)」
小林「(笑)。大江さんが箱の中に入ってるみたいに見えます」
千「(笑)。小林さんとの間にMC席、箱があるんですけど。僕がジャグラーのように箱に入って?」
小林「(笑)。そうですね」
(セッション)
ビートルズ『Ticket to ride』(千里さんはピアノ演奏に合わせて小林明子さんの歌)

千「この曲をセッションに選ばれたっていうのは、まぁ今日はカーペンターズの世界っていうのもあるんですけど」
小林「実はね、この『涙の乗車券』もさっき大江さんのほうから説明していただきました私の新しいカーペンターズトリビュートアルバムの中にメドレーの中の一つとして入ってるんですけど」
千「一曲まるまるじゃなくて?」
小林「一曲まるまるじゃなくて。実は私はビートルズのバージョンのほうを知ってますけど、ビートルズのレコードを持ってなかったので(笑)、知らなくて」
千「(笑)。僕もそうですね」
小林「あっ、そうなんですか」
千「カーペンターズで知って、ビートルズも歌ってんねん、何真似やっとんねん。ビートルズが作った曲を(笑)、カーペンターズがカバーしたんだってあとから知ったっていう。世代的にはそうですよね、近いですもんね」
小林「ええ、私はカーペンターズの曲よりは大江さんはきっとビートルズのほうがファンじゃないかと思って、それだったら『涙の乗車券』だったら大江さんもきっとバッチリだって言うんじゃないかなと(笑)」
千「あ〜なるほど。僕意外に小林さん寄りでカーペンターズをすごい聴いてたんですよ。だからこのビートルズの曲を持ってきたっていうのはきっと訳があるに違いないと」
小林「大江さんがそのほうがいいんじゃないかと(笑)」
千「僕もビートルズ大好きっていうことで今日は通します(笑)。初めてカレンがドラムを叩きながら歌ったりするのを知ったのって、いつぐらいでした?」
小林「初めて知ったのはカーペンターズのビデオをテレビで見たときですよね。中学校何年生だろう?一年生か二年生か」
千「あ、それぐらいですよね。ピアノ弾き語りするのと違ってドラムって千手観音じゃないけど、あちこち手が動きながら(笑)。よくできるなって思っちゃいました」
小林「(笑)。千手観音」
千「(笑)。すいません、久々に千手観音って聞いた感じですか。あまりイギリスで千手観音…」
小林「いないですね(笑)」
千「(笑)。イギリスもう12年、ま、年に何回か最近戻られるようになったって言ってますけど、日本食とか日本の番組とか日本語の本とか恋しくなったり…」
小林「向こうにいると日本のものがやっぱり恋しくなって。食事は自分のうちでも作れるし、外に日本食レストラン増えましたから。200軒以上ありますから、ロンドンに。外に食べに行けますけど、テレビとか映画とか見る機会がないですから」
千「寅さんとか?」
小林「中々ないですね。でも実は日本のクラシックの映画を結構向こうはテレビとか映画館でかかるんです。だから日本の古い映画、ロンドンで観ました。黒澤明監督の映画とか」
千「それは日本の映画がヨーロッパでムーブメントというかブームになってる?」
小林「そうですね。北野武さんの映画とかもしょっちゅうロンドンでかかるので、そういうときは観に行っちゃいますね。私は『リング』とかロンドンで観ました。怖かった(笑)」
千「ますます霧のロンドンで『リング』観るっていうのもね。昨年でしたっけ?ご結婚もされて」
小林「ええ、はい(笑)。遅ればせながら」
千「イギリスの旦那さまと。みなさん、拍手です!こういう話しないほうがよかったでした?プライベートの話っていいですか?」
小林「もういいです(笑)」
千「いいですか。さっき質問できてましたけど『今イギリスで生活されてるそうですが、暮らしてみて日本と一番ここが違うなと思うことはなんでしょう?』」
小林「いっぱいあるんですけど、まず欠点から言っちゃおうかな。鉄道が最悪(笑)!時間通りに来ないし、すぐにキャンセルになるし。私はいつも、うちの主人もですけど、イギリスのブリティッシュレイルは日本のJRに買い取られればいいのにねって(笑)、いつも言ってます」
千「(笑)。なるほど。そんなに時間通りに来ないですか」
小林「結構そういう面ではちょっと…。でもうちのお母さまに言わせると、そんなに急いでどこに行くと。待つのが何故悪いと言ってましたけど(笑)」

千「アルバムの話に戻るんですけど、『A Song For You カーペンターズ・アンソロジー』、3月5日に出るんですけど、これはwithモスクワインターナショナルシンフォニックオーケストラ」
小林「そうなんです。私も自分で驚いたんですけどモスクワでレコーディングしてきました」
千「誰が言い出したんですか、これは」
小林「誰のアイディアだったんでしょうね。クラシックにしたいというアイディアはあったんですけど。このオーケストラ、結構日本のアーティストとも仕事たくさんしてるらしいんです。この間、指揮者のコンスタンチンさんがYoshikiさんのライブやったって言ってましたから」
千「そうなんですか。『ロシアのスタジオによく行かれるようですが、スタジオの雰囲気ってどうなんですか』って」
小林「あの〜ロシアのスタジオで録ったんですが、元国営の、ソ連時代に国営だった巨大なフィルムインダストリーな訳なんですね。アメリカのユニバーサルスタジオのような巨大な敷地の中にスタジオがいっぱいあって、その中で全部映画が完成できるように宿泊施設もあって、レストランもあってっていう。でもやっぱりちょっと古めかしい感じで、廊下で歩いてたら真ん中を歩いてくださいって言うんです。なんで真ん中なんですか?って言ったらドアが両側についてて外側に開くんですよ。いつ開くかわからないから真ん中を歩いてないと危ないって言われまして。そういうとこですね」
千「(笑)。ちょっとどういうところだか、いまいち。イマジネーション働かせてるつもりなんですけど。古めかしい感じ、それキーワードですね。どうして今回、カレンが亡くなって20年目のこの時期にもう一度歌ってみようという気になったんですか」
小林「20周忌ということで記念という意味ももちろんあったんですけど、ずっとカーペンターズの曲っていうのは、私声が似てるんで」
千「ねぇ〜、カレンが乗り移ってるようなときもありますもんね」
小林「(笑)。そうですか。声が似てるので発声練習に丁度よくて常に歌っているんですね。だからいつかレコーディングできたらいいなぁなんて思ってたんですけど」
千「実際仕上がってみて、ご自身でいかがでした?」
小林「やっぱり歌がすごく難しいんですよ。最初歌えるかなって思った曲もいっぱいあったんですけど、今回カレンさんの弔いの気持ちも込めて歌詞をいくつか日本語にしたんですね。やっぱり英語でもみなさん歌詞ご存じでしょうけど日本語にするとまた意味が更に伝わって来ると思ったので、彼女が好きだった歌とかわざわざ日本語にしてみて、もう一度彼女の人柄も合わせて振り返ってみたかったと」
(小林明子ライブ)
『I need to be in love』『Goodbye to love』『恋におちて』
千「まずはお疲れさまでした」
小林「ホッとしました(笑)」
千「ホッとしました?インターネットの画面で見せていただいたんですけど、すごくいい顔というかリラックスされて歌ってらっしゃいましたよ」
小林「そうですか?いや、大江さんのおかげです」
千「(笑)。ありがとうございます。もう一度紹介しときましょう。カレンが亡くなってから20年ということで、その思いの丈をクラシックのアレンジでカバーしたアルバム『A Song For You カーペンターズ・アンソロジー』が3月5日に出るという。今日はその中からハイライトでお送りしました。最後に聴けましたね、あの曲もね。2001年にオリジナルアルバム『BELOVED』というのも出されてますけど。今12年ロンドンにいらして永住権もとられてますけど、どんな音楽ライフを送られてるんですか」
小林「ロンドンに元々行った理由というのががブリティッシュプログレッシヴロックの大ファンでして」
千「カーペンターズお好きで、それでブリティッシュロック(笑)」
小林「私、何でも聴くんです」
千「いや、いいと思います。スティーブ・ジャンセンでしたっけ?」
小林「ええ、元ジャパンのメンバーと一緒にレコーディングしたイギリスでの最初のアルバムがホリーと名前を変えまして作ったアルバムです。自分の頭の中でのイメージではちょっとエスニックな変わったポップというのをやりたかったんですね」
千「ちょっとオリエンタルなプログレッシブなポップス。ご自身は『恋に落ちて』のときもコンポーザーとしてというふうに聞いたことあるんですけど本当ですか」
小林「そうです。私、詞はほとんど書いてないんです。オリジナルアルバムの中でも得意じゃなくて。嫌いじゃないんですけど下手というやつですね(笑)」
千「コンポーザーとしてと歌手としてのスタンスみたいなものはご自身の中で今はどういう感じなんですか」
小林「よく人に言ってるんですけど、曲を書いたりアルバムをレコーディングしたりという作る作業というのはエネルギーのベクトルが内側に集結するって感じなんですけど、パフォーマンスっていうのは逆に外側に発散する。中々一緒に同じときにやるのは結構難しいですよね。相反するエネルギーの流れが。でもうまい具合にスケジュールの都合つけながら両方やっていけたらいいなと思っています」
千「ホリーだけじゃなくて我々が12年前によく知ってる小林明子としてまたこうやってアルバムを出したり、いろんな活動していこうという、そういうこれからの予定みたいなものは?」
小林「まずこのアルバム出まして、28日に渋谷公会堂でカーペンターズのトリビュートコンサートがありまして。そこにゲストでまたちょっと歌いますので」
千「それも楽しみですよね。白鳥英美子さんとか」
小林「白鳥英美子さんと峠恵子さんと一緒に。女三つどもえの(笑)」
千「(笑)。これからも変わらずいい歌を。ホントにメロウなというか、バラードをたくさん聴きたいですね。小林さんの作られるバラードを。100本ノックじゃないけどバラードを次から次へ書いて世界中を小林バラードで」
小林「はい、わかりました、頑張ります(笑)」
千「カーペンターズの歌、僕大好きなんで、今日は小林さんの歌でカレンの歌声の良さをもう一度再確認できて、すごい楽しかったです」
小林「私もセッション楽しかったです。ピアノ弾いてくれてありがとうございました」

エンディングテーマは『round ticket』