Live Depot
Every Thursday,
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Vol.95 2003/03/06
ON AIR (guest:種ともこ)
「こんばんは、大江千里です。みなさん、ようこそ〜。ラジオをお聴きのみなさんもまたまた一週間が経ちました。早いですよね。春が待ち遠しくて、かなりあったかくなったかなと思って、今日僕ね、Gジャン着てるんですけど、この格好で外に出たらすごい寒いんで、またオーバーを取りに帰ってしまいましたけども」
(種ともこ登場)
千「こんばんは〜、お久しぶりです」
種「お久しぶりですね」
千「以前お会いしたことあるんです、僕」
種「ほんのちょっと、ご挨拶したぐらいの感じですよね」
千「そうです。87年…ぐらい。かなりまったり長い話に(笑)。久しぶりにお会いできて嬉しいんですけども」
種「すごい楽しみにしてました」
千「そうですか、ありがとうございます。偶然か、Gジャン同士で」
種「ね、ちょっとお揃いな感じですよね」
千「こういう生放送で演奏して、お客さんが近くにいてっていうのは最近はされてるんですか」
種「そんなにはやってないので、やっぱりそれなりドキドキはしてますけど。是非楽しくやりたいなと思ってます」
千「改めて種さんのことを紹介させていただきたいんですけど。1985年にシングル『You're The One』でデビューされて。てことは僕がデビュー20年目なんですけど、種さんは18年目ですね」
種「え、そうなんですか。なんかイメージとしては私がアマチュアのときに大江千里さんっていうのがテレビとかで観てたので、ちょっと…。えっ?二年の差なんですね」
千「デビューのきっかけのオーディションも一緒だったりとかしてね。共通項があるんですけど。そのあと結婚されて出産もされて、お子さんもいらっしゃるんですけど、最近はホームレコーディング、家でレコーディングされたりしてコンスタントに音楽活動をされ、今日14枚目のアルバム『in』をリリースされました〜」
種「(会場の拍手に)ありがとうございます」
千「5月にはもう一枚『in』の二枚目『out』っていうのが出るんですよね」
種「そうです。二枚合わせてって感じですので。ペアになってますので、是非よろしく」
千「三年ぶりにアルバムを出して、今の心境っていうのはどうですか」
種「とりあえず、ずっと早くアルバムを作りたいなっていうふうに思ってたので、待ちに待ったって感じで。で、作業をしてても楽しくてしょうがないって感じで、あ〜終わった、じゃ次って感じに今なってるんですよね。だから、すっごい疲れちゃって、しばらくはちょっとスタジオに行きたくないっていうレコーディングもあるじゃないですか、じゃなくて、あ〜できた、じゃ次って感じに今すごくなってるので、どんどんと作っていきたいなって思ってます」
千「あ〜いいですね。花粉はちなみに大丈夫ですか」
種「花粉はすごいです、この時期は」
千「すごいですか(笑)。今日は音楽的にはいい感じということで楽しみにしてますんで、よろしくお願いします」
(種ともこライブ)
『アメとガム』『もう忘れちゃおう』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)僕もキーボードにスタンバイしてスペシャルセッション、いよいよスタートです。昔すれ違ったときっていうのはリュックサックを背負ってて(笑)、今日とあんまり印象変わんないんですけど。今日はフレアのスカートですけども」
(セッション)
チューリップ『心の旅』
千「デビュー18年の種さんと、僕も20年なんですけど、初めてですね」
種「楽しかったです」
千「僕も楽しかったです。ありがとうございました。どうしてこの曲をセッションに?」
種「小さいときに聴いたことがあって、いい曲だな〜とは思ってたんですけれども、いつもコンサートするときに最初にサウンドチェックするときに、あ〜とかやると♪あ〜だから今夜〜って歌いたくなっちゃうんですよ。毎回やってたんで、これは歌うべきかな〜と(笑)」
千「なるほどね。一番自分がスターターでありリラックスさせながら一番深いところからポンと出て来る歌だったわけですね」
種「うん、そうそうそう」
千「そこでクリスタルキングにはいかなかったんですね」
種「あ〜、もありましたね(笑)」
千「(笑)。スタッフにさっき聞いたんですけど、なんで『心の旅』をサウンドチェックのときにやるんだろうっていう疑問はあったみたいですよ」
種「そうですか、でもやっぱり、あ〜といえば、ね。そうそうそう」
千「ところで種さんはデビューの頃から作詞、作曲、アレンジ、歌、何でも自分でやってますけど。今回のセッションのテープをもらったときも、すごいなにか音が入ってない部分がすごい計算されてた」
種「えっそうですか。そんな、そんな」
千「自分でアルバムを作るじゃないですか。現在は子育てとか結婚されて。お子さんも6歳と3歳いらしてると聞いて」
種「そうなんですよ。四月から小学生でーす」
千「その時間のやりくりというか、創作の時間を捻出するのって大変じゃないかって思うんだけど」
種「やっぱり昔は時間は山ほどあったりとか。夜遅くなるまでガーッとやって、それがいいみたいなのもあったんだけど、最近は保育園のお迎えの時間が決まってるので、そこがタイムリミットっていう感じなので。その間にどれだけ自分が燃焼できるかっていうふうなのが、すごく重要になってきたので、それはそれですごいいいなーと思うんですよ。時間が朝起きてから仕事に入るときもタイムリミットはここまでっていう感じで。その中でどういうふうに楽しく仕事するか。タイムリミットがあると途端に盛り下がるとさ、意味ないじゃないですか。タイムリミットを楽しむっていうのが前よりはできるようになったかもしんないですね。締め切りもちょっとは守れるようになりました(笑)」
千「プロデュース、自分のことを全部やられてて、結局仕切っていかないといけないじゃないですか。いろんなミュージシャンの時間を決めたり、自分のボーカルをどこで入れたり。ご自身の生活の中ではどうなんですか」
種「ここに女の方いっぱいいらっしゃるんでわかると思うんですけど、料理と同じですよね。夕食の時間というタイムリミットがあって、ご飯作るじゃないですか。大体二品か三品あるじゃないですか。最初おかず出来上がり!次みそ汁作ります!じゃさ、食べるときにはってことになるじゃない。冷めちゃったりするから。おかずA、おかずB、みそ汁、あとご飯も炊きあがりが(笑)、同じ時間にファイナルに持っていけるためにはどこで何をやりっていう。レコーディングもそうじゃないですか。いろんなやり方あるけど、最終的にミックスしてマスタリングがあってっていう。料理と同じ」
千「種ともこのライフスタイルの購読に今来てるような。でもホントにそうですよね」
種「そうなの。主婦だから(笑)」
千「昼の一時ぐらいに番組持ちはったらどうですか。音楽と毎日をどれだけ限りある時間を振り分けて体にいいものをおいしく、耳からおいしいものを入れて、口からもおいしいものを食べるっていうね。日曜大工とかもやられてるっていうのを聞いたんですけど」
種「やってるというか、これからちょっとやりたいなと。今はまってるんですけど。プチリフォームにはまってて(笑)。そういうのは絶対自分にはできないもんだと思ってて。釘とか初めバンって打ったら曲がったりとか。とても自分には」
千「向いてないと?最初は」
種「と思ったんだけど、結構やってみると楽しくて。今は棚とかを作ってみたりとか」
千「すごいじゃないですか。棚作ってCD置いたりとか」
種「そうそうそう。そういうのやってみたりとか。巻き尺とかかばんの中に持ち歩くように(笑)」
千「(笑)。マイメジャー?」
種「マイメジャー。お店に行ったときピッと測って」
千「インテリアショップとかに行ってみたとき測っといて」
種「そうそうそう。そういうのばかりしてる」
千「これから作りたいなと思ってる品物はなんなんでしょう」
種「また子供のことになっちゃうな。子供の勉強に使う棚とかやってみたいなと思ってみたりとか。夢はね、すごく野望は広がってるんですけど。今ホント、初めの第三歩ぐらいなんで、できると思われるとどうしようと思ってんですけど。これからなんで勘弁してください(笑)」
千「(笑)。今度やったら、うちの番組とリンクしてますからホームページにその棚を、写真をアップしてくださいよ(笑)。で、もうひとつ僕聞いたんですけど、NHKの番組で…」
種「はいはい。ちょっと前、小学生ぐらいの楽器を持ったことのない子供に楽器を教えてバンドを組んで、そしてオリジナル曲を作って人前で演奏するってところまでの先生っていうのを」
千「大変じゃなかったですか。僕、一回、小学校の二年生ぐらいかな?ベトナムでやったんですよ。ピアニカとかカスタネットとかでみんなで合奏させるっていうのをやったんですけど、とてもじゃないけど大変な思いを(笑)。子供って好奇心旺盛なんだけど、一旦興味がないなって思ったら駄々こねたりとか、本音でぶつかってくるじゃないですか」
種「そんときに思ったんだけど、教えるってやっぱり自分も勉強になったりするじゃないですか。それはすごい楽しかったですよ。自分の勉強にもなったし、中々そういう、ほら9歳とか10歳、11歳ぐらいの子供とさ、まじに話すってないじゃない。それじゃダメだよとかさ(笑)。そういうことじゃなくてさ、こういうふうにやりたいんだよぉ、みたいな話をすると、初め照れてる子とかも自分が出せるみたいなさ。テレビに出てる子供なのでテレビで喋るのはプロなんだけど、音楽で歌ったりすると妙に恥ずかしがったりとか、急に普通の子供に戻っちゃうって感じで。後ろからバン!と押して頑張れ〜!みたいな」
千「詞とか曲とか素直な気持ちを書いた作品とかができ上がってきたりとかして影響受けちゃったりとかは?」
種「それはすごくありますね。人と話したりすることで作ることって広がるじゃないですか。自分のお部屋で一人で考えるのも大事なんだけど」
千「整理されて言いたいことがシンプルになっていくみたいなこともあるしね」
(種ともこライブ)
『サヨナラ』『守ってあげられないこと』
千「いかがでしたか?今日のステージは」
種「ちょっとドキドキしましたけれど、でもすごい楽しかったです。嬉しいです。ありがとうございます。ホントに」
千「ついつい僕も子供さんの話とか聞いちゃいそうになるんだけど、ホントに優しいお母さんのような気がするんですけど、子供同士で喧嘩したりとか、そういう子供を叱ったりとか、そういうときは厳しいお母さんになるんですか」
種「そうですね、なりますよね。あと、自分の子供のときを思い出しますよね、あの悔しさを(笑)。こんなこと言われると頭くるんだよな〜っていう」
千「子供なりに理不尽を感じてたりとか」
種「そうそうそう。あるじゃないですか、みんな持ってるとか言うと、みんなは誰?とかさ(笑)。じゃ、みんなが死んだらあんたも死ぬの?みたいな」
千「(笑)。あ〜なるほどね。さて、昨日アルバムが出ました。『in』です。そして五月に出る『out』ももう作っちゃったんだって?」
種「ていうか二枚一緒に作ったんですよ。コンセプトで二つに分けて。『in』はどっちかっていうと一人で聴きたい曲で『out』はわーいって感じで。歌詞の世界がってことなんですけどね。別にバラードとロックとか、そういうんじゃないんだけど二つに分けました」
千「『in』に入ってる、最後に今日歌ってくださったんですけど『守ってあげられないこと』の、子供に向けて歌ってるような設定なんですけど、最後の『つないだ手と手覚えていて欲しい』みたいな。いや、なにかドキッとしますね。母として子供が、例えば男の子が成長して、いい男になっていけっていうのはわかるんだけど、自分より成長していく息子の背中に母以前の女としてね、惚れるような男になってくれっていうかね。『手と手を』の中にいろんな含みを感じちゃったんだけど」
種「子供だけじゃなくて人間関係、全部そうじゃないですか。関係ってすごくいいし、友達なら友達でその人の成長を見てあげたいっていうか、そんな偉そうなことじゃなくて、一緒に育っていくような友達だったり彼氏関係だったりとかがすごい素敵ですよね」
千「『in』の中には大仰じゃなくて心のつぶやきみたいなことだったり、ちょっとため息ついたり、ギュッと入ってる気がしたんですけど。元々アマチュアの頃に宅録をやって、宅録をやってる種ともこっていてさって人から聞いたのが種ちゃんの初めてだったんだけど、いざふたを開けてみると武部さんと一緒にやったりとか。年月が流れるとホームレコーディングやったりとか」
種「機械はおもちゃなので。それで遊んでると楽しかったりとかして、遊んでるうちに曲とかできたりとかするので、そういうのでやってたんですよね、アマチュアのときは。一人でずーっと部屋の中でダビングのダビングのダビングのもこもこなテープを作ってました(笑)」
千「いろんなそういうテープを作って、いろんなレコーディングのパターンをやってきてる種さんですが、今回の新しい発見みたいなことって何かありました?」
種「今回はいつもやってるバンドのメンバーでせーのーででやるのが多かったんですけど、今回に関して言うと最終的には歌声なので。自分の歌がうまいとか下手とか通り越してどこまでできるかなっていう戦いみたいなのが一番残ってるかな。あと、自分で全部キーボードの弾くのも初めてなので、キーボーディストとしてバンドに参加して楽しくって」
千「でも18年、僕も20年でちょっと共通する、ぐるっと時が回ってまたワクワクする原点に戻っていくようなね」
種「うまく言えないんだけど、私ベテランにはなりたくないんですよね。経験があってとかじゃなくて常に新しいことしたいし、失敗とかしたいし(笑)。初めてのこと、いっぱいしたいと思います」
エンディングテーマは『種あかし』