Live Depot
Every Thursday,
PM8:00〜 from TOKYO FM HALL
http://www.tfm.co.jp/senri/
Vol.97 2003/03/20
ON AIR (guest:広沢タダシ)
「こんばんは、大江千里です。ようこそ、ようこそ。イラクへの攻撃、始まっちゃいましたね。いや、なんか、あ〜もう気がどんよりしますけども。もう少し粘れなかったのかなと思いますけど始まってしまいました。今日来る途中に車の窓から東京の空見てたら雲が一個もないぐらい真っ青な空で。その真っ青な空を見ながら気持ちのどっかで、なんかこう、そのことを考えてしまいけども。楽しい話題もあります。今日豊川稲荷、青山通りの、芸能の神様として有名な場所ですけど、桜が一本なぜか。今年桜っていつもより遅いって言われてるじゃない。それがなんか一本だけゴンと咲いてて。タクシーの運転手さんと思わず車を止めて、その桜に見入ってしまったんですけど。東京で桜は他に咲いてないと思うんですけど、もしかして梅か桃の間違いだったりして(笑)。間違いであっても僕の中でも一本桜ってなってますんで」
(広沢タダシ登場)
千「いらっしゃいませ」
広沢「どうも、どうも。広沢です」
千「はじめまして。黒地に青と白のストライプのシャツで登場ですけど。広沢さん、大阪なんですね。大阪のどちらですか」
広沢「八尾という場所でね。微妙に近いですね」
千「僕、富田林のほうですからね。大阪に大和川ってのが流れてまして」
広沢「あ、あそこね。ふな釣りに行ったりとか、よく。関係ないですけどね(笑)」
千「ザリガニとったりとか(笑)。広沢さんは大阪出身の25歳、好きな食べ物は麺類ってことですが。パスタとか?」
広沢「パスタとか蕎麦とか。毎日食ってますね」
千「やっぱり関西風の薄いダシのきいた」
広沢「やっぱり大阪にいたときの味がいいですね」
千「こだわりたいですよね。2001年の7月にデビュー、シングル『手のなるほうへ』、二月の末にセカンドアルバム『理想郷』をリリースされたばかりです。そして昨日で全国キャンペーンを終えられたということですけども、うまいもんとか食いました?」
広沢「長い旅でしたけど、そこの何ですか」
千「何ですかって僕の目を見て(笑)」
広沢「おいしい各地の名物を食べるんですけど、おんなじのんがかぶるんですよね、何回も行ってると」
千「仙台行ったらタン塩がかぶったりとか」
広沢「名古屋は手羽先とか(笑)。いいんですけどバリエーションも欲しいなって」
千「言ったほうがいいですよ。そうすると自分が普段使ってる店とか、だんだんテリトリー教えてくれるから」
広沢「あ、なるほどね。内緒に隠してるわけですね」
千「どうしてもみんな手羽先行きたいって言いますからね、名古屋行くとね。今日のステージはどんな編成で?」
広沢「今日はアコースティックで三人で、僕ともう一人キーボードとギターでやります」
千「今ワンマンライブの最中ってきいたんですけど」
広沢「そうです。大阪終わって明後日東京で」
千「じゃライブとライブの間の今日はLive Depotということで、ちょっと意気込みなどを」
広沢「ワンマンも始まってるしアルバムが出たとこなんで、このテンションをそのまま出せたらいいかなと」
(広沢タダシライブ)
『星空の向こう側』『らせん階段』
-CM-
千「セッションタイム!(千里さんのピアノ演奏)やってまいりました、このセッションタイム。中央にはアコギを持った広沢さん、そして下手のほうにピアノがありまして、そこに大江千里移動いたしました」
広沢「遠いですね」
千「ちょっと遠いですよね(笑)。微妙に距離があるんですね。でも強い歌詞のあの曲を今日やりますんで、この距離を縮めましょう」
(セッション)
井上陽水『傘がない』(千里さんのピアノと広沢さんのアコギの演奏がすごくよかった曲です)
千「詞がホント強烈でね。広沢さんからやりたいってアイディアもらったんですけど、どうして」
広沢「陽水さん、最近まで知らなくて。それで何かのテレビで歌ってはったんですよ。それで初めて観て。皮肉の表現の仕方っていうんですかね。聴いた感じ暗い曲ですけど、その表現の仕方、僕がやろうとしてたこととか、すごく近いところがあって。今まで見たことがなかったですね、そういう歌とか人を。それですごく感動したというか嬉しかったというか。しかも20年ぐらい前ですか。それでもこういう表現の仕方してる人がいたということで、すごく嬉しかったと」
千「確かに『理想郷』とか聴かせてもらってると、広沢さんの書く曲ってすごくシビアなこと歌ってたりとか生々しかったりとかするんだけど、ポップな別の形にこう…」
広沢「状況を言ってるだけやねんけど、中にすごく深いものがあるっていうかね、そういうのがよかったんですよね」
千「今テレビを観てて陽水さんのをって話になったんですけど、人の曲をコピーしてやったりとかないらしいですね」
広沢「そうなんです。20歳のときに曲を書き始めたんですけど」
千「今いくつですか」
広沢「25です」
千「ということはシンガーソングライト歴5年?」
広沢「5年(笑)」
千「信じられないですね」
広沢「すごく激動の5年でしたね。まさか自分が人前で歌う人間になるとは思わなかった」
千「元々は何を?」
広沢「元々音楽が好きで、何かそれに携われるものを、そういう仕事ないかなと思ってPAエンジニアの勉強をする専門学校行ったりとかしたんですけど、ちょっと違うなと」
千「それ、大阪で行ってたんですか」
広沢「大阪で。それがいろいろ試してる中で曲を書いてみようっていう授業があったんですよ」
千「あ、総合的なエンターテイメントの学校やったんですね」
広沢「何でも自分の好き勝手に授業を取れるっていうね」
千「作曲講座とか?」
広沢「けど僕が取ったのは作曲を別に教えてくれるわけじゃなくて場所と時間を提供してくれるぐらいの感じで。で、一曲作って」
千「場所と時間を提供してもらったら、もうこっちのもんですよね。それが中々捻出できひんっていうのが、若い頃はね」
広沢「そのきっかけっていうのが大きいと思うんですよ。やろうと思ってみることって、家におってもできるかなって漠然と思ってるけど、実際にやってみるってのはきっかけがないとできなかったりとか」
千「それまでっていうのは曲書こうかなってちらっと書いたりとかの経験はないんですか」
広沢「全くないですね」
千「全くなくて。じゃ、自分は表でスポットライトの中で歌うなんてことはもう全く考えてなかった?」
広沢「あんまり人前で何かするのは苦手というか」
千「どっちかっていうと?(笑)」
広沢「(笑)。かといってエンジニアの裏方やからいいかというとそうでもなくて。迷ってたんですね、ずっと」
千「曲を書き始めて、これはいけるぞと。エンジニア志望からミュージシャンへ徐々に気持ちが傾いていった?」
広沢「最初のほうに作った曲ってものすごいしょうもないんです。そんなことなかったですか」
千「いやいや(笑)。きみね、ミュージシャン以前にものの言い方をちょっと勉強しなさい(笑)。いや、そんなことありました」
広沢「ありますよね」
千「僕、最初に作った曲って思いがものすごく入ってるから、中学二年のときやねんけどね」
広沢「早いですね」
千「僕はもう長いのは長いんですけど(笑)、曲も長かった、13分」
広沢「え?最初の曲が?」
千「一番だけで4分なんですよ(笑)」
広沢「そんなに言いたいことが溜ってたんや(笑)」
千「溜ってたんですよ。さびがほとんど2分ぐらいですからね。もうフェードアウトしようよって。広沢くんは?」
広沢「曲は4分半ぐらいと思うんですけどサブイ曲を作ってですね」
千「サブイ曲(笑)」
広沢「でもサブイけど自分の子供ができるような感覚で、何もないところから作品が生まれるという喜びがね、すごくあって」
千「真っ白な場所で何もないところに自分で絵の具選んで混ぜて描いていくからね」
広沢「これは続けていこうかなと思ってね」
千「そしてデビューして今はどっぷりミュージシャン生活なわけですけど。広沢タダシ的平均的一週間の動きってどんな感じですか。起きるのは大体何時ぐらいですか」
広沢「何もなくて許されるなら、やっぱり昼ぐらいまで寝てますね」
千「曲作りはどんな感じで?」
広沢「曲作りはなるべく明るいうちに終わらすようにしてるんですよ」
千「それは?」
広沢「ちょっと家の壁が狭いんでしょうね」
千「あ、え?家の壁が薄い?」
広沢「あ、狭いちゃう(笑)。壁が狭いっておかしいね。え〜と、何でしたっけ?」
千「何でしたっけって(笑)」
広沢「あ、壁が薄い」
千「夜、音出すと」
広沢「会話さえも聞こえてしまうくらい。そのわりに深夜エレキギターが下から聴こえてきたりして」
千「音楽やってるやつがおるらしいぞと」
広沢「へたくそなギターが聴こえて来るんです」
千「(笑)。俺が明るいうちに終わらそうと思ってんのに下手なギター夜遅くまで弾くなよと」
広沢「気ぃ遣ってんのにね、こっちは」
千「管理人さんとか味方につけてたほうがいいですよ。名古屋行ったときに手羽先セット持っていくとかね。結構それが効くんですよ。その経験は是非言いたいね。一回ね、夜中に弾いてるときにコンコンと入ってきたわけよ、大家が。何でしょう?っつったら、ごめんね、のってた?ごめんなさい、のってたよね、でもちょっと音が大きいからって、ものすごい向こうがね」
広沢「いい感じですね。ちょっと勉強になりましたね」
千「その冷めた目で勉強になりましたねって(笑)」
(広沢タダシライブ)
『悲しみのぬけがら』『ブルー』
千「お疲れさまでした。どんな感じでした?今日は」
広沢「独特な雰囲気で気持ち良かったですね」
千「天井が結構高いですから、響くっていうね」
広沢「そうですね。この感じは中々味わえないですね、普段は」
千「先月末出たばかりの『理想郷』、これは二枚目ということで特に意識したことありますか」
広沢「今回は意識したこととしてはシンプルなものを作りたかったんですね」
千「メロディがポップですね。ええ感じでグーッとわしづかみにされる」
広沢「そのメロディと声、無駄をそぎ落とす作業といいますかね、前作よりそういうことを意識しましたね」
千「中々言えないよ、デビュー二作目で無駄をそぎ落とすって、ねぇ、恐れ入りやの鬼子母神でございます(笑)。オリジナルの変則チューニングな曲あったりね」
広沢「結構新しく開発、亀田さんとかね、アイディアもらいながら、プロデューサーの」
千「亀ちゃん?亀田誠治さん?一緒にやってるんですか?いいっすね」
広沢「いいっすね」
千「ベーシストだからね」
広沢「そうなんです、独特ですけど。ライブも一緒にやってるんですよ」
千「そうなんですか、強力なミュージシャン仲間が周りにいていいですね。会場からもらったアンケートを何枚か紹介したいと思いますけど。『ライブの最中、広沢さんはどんなことを考えていますか』」
広沢「そうですね〜、歌詞を忘れないように(笑)」
千「それ、あるよね」
広沢「でも、それはないですね」
千「忘れることはない?」
広沢「ステージに上がると、上がるまではすごい不安なんですよ。でも上がるとそんなこと忘れますね」
千「お〜頼もしい。ゴーンと歌の世界に入って」
広沢「入って。お客さんの顔も結構見るほうですかね。見えてますね」
千「あ、横から三番目の子、鼻ほじってるなって。それも全部全部、チェックチェックチェックで。マービン・ゲイが直前までステージ出るのいやいやいやって言ってて、マネージャーにもうそんなこと言って、プロでしょって背中押された途端に出ていくって話聞いたことありますけど」
広沢「嘘(笑)」
千「嘘かなぁ。『好きなものを食べるときに先に食べるタイプですか。後で食べるタイプですか』」
広沢「先ですね」
千「なぜゆえに?」
広沢「おいしいときに食べたいですね」
千「ちなみに好物は何ですか」
広沢「あの〜麺類とか」
千「(笑)。さっき聞いたっちゅうねん。パスタとかね。だしは関西味でね」
広沢「大阪の味が恋しくなるんです」
千「蕎麦とカレー頼んでカレー先に食べる人おらへんもんね(笑)。明後日東京でのワンマンライブ、大阪で成功してLive Depotで弾み付いて、ちょっと楽しみですね。ラジオ聴いてるみなさんに一言」
広沢「やっとアルバムできて、それを聴いてライブに来て欲しいな、一緒に楽しめたらいいかなと」
千「聴かんと中々楽しめない部分もあったりするからね」
広沢「より楽しめるように」
エンディングテーマは『そのわけは』
「たくさんの人に愛されるそのわけは、ということで僕なりに曲にしてみました」