piano ゴーストライター ミーツ Senri TOURpiano

2005年5月7日 SHIBUYA-AX
2005年5月11日
ZEPP SENDAI
2005年5月14日 新潟フェイズ
2005年5月17日
ZEPP SAPPORO
2005年5月21日
NHK大阪ホール
2005年5月23日
ZEPP NAGOYA
2005年5月28日
ZEPPFUKUOKA
2005年5月29日 広島NTTクレドホール
2005年6月1日 高知県民文化ホール グリーンホール 2005年6月5日 渋谷公会堂

 1  GLORY DAYS
 2  シークレット
 3  都合いい友達
 4  ドミノ
 5  格好悪いふられ方
 6  ゆくとしくるとし
 7  ペルセウス座流星群
 8  黄色のレインコート
 9  黒のオルフェウス
10  PIANO MAN
11  未来乗車券
12  ジェシオ'S BAR
13  母の手
E1  エールをおくろう
E2  YOU
E3  ゲームオーバー
E4  君

(千秋楽の渋谷公会堂のみアンコールの最初に『大人のふりで』と『Rain』が歌われました)

前回のUntitled Love Songsツアーから実に二年と四ヶ月ぶり!
その間に納涼やまる千やPAGODA
ライブはいろいろあったけどツアーはやっぱり別物
同じく二年と五ヶ月ぶりに発売されたオリジナルアルバム『ゴーストライター』はアップテンポの曲は少ないけれど
どの曲もそれぞれに胸をギュッとつかまれる繊細な歌詞が散りばめられていて
かつメロディやサウンドやボーカルは多種多様という面白さがあって
せっかくのツアーなんだから全曲披露して欲しいなぁという期待を込めつつ足を運んだ

ステージ上は幕がなかったので客席に入るとまず目に入ったのがステージセット
木製の大きな本棚がバックにあって棚には本以外に『ゴーストライター』の各曲にちなんだ物も置かれている
「Happy Birthday」と書かれたバルーン、破魔矢(池上本門寺のものらしい、たまに吹き矢と言い間違ってた)、鏡餅、クリスマスツリー
地球儀や星座球、シェードのついたランプ、ついてないランプ
毎回そのライブの日を表示しているカレンダー
本棚以外では向かって右側にソファがありソファの傍らには黄色いレインコートと黒い帽子がかかっているコート掛け
ソファの前にはテーブルがありマグカップが置かれドミノが並べられている
楽器は向かって左からドラム、ベース、ギター、キーボード
そして中央に千里さんが弾くであろうキーボードがライブの始まりを待っていた

ライブ前のSEでチャリーンというコインが転がる音がしてしばらくするとメンバーがまず登場
各自が楽器の前にスタンバイすると千里さんも登場
衣装は黒のスーツで中に白いシャツとサーモンピンクのベスト
スーツのジャケットの胸ポケットにはピンクのチーフが飾られ足元はなぜか白のスニーカー
深々とお辞儀をしてキーボードの前に座るとドラムの板東くんがカウントを打ち
『GLORY DAYS』
一曲目は『シークレット』かと思っていたのに予想外の(多分誰も予想できなかったと思う)この曲が静かに始まった
テンポはオリジナルよりずっとスローでバラードになっており千里さんが丁寧に歌う
間奏では客席から自然発生的に拍手が起こる
「みんなはどの曲で僕と出逢ったのか…この曲で出逢った人もいるだろうし、それは人それぞれだと思う。
改めて、出逢えて良かったという気持ちを込めて一曲目にこの曲を選びました」

『シークレット』
大半の会場ではこの曲で総立ちとなり手拍子が気持ちいいくらいにホールに響く
(大阪NHKホールでは手拍子の大きさに感動!千里さんも思わず椅子に座らずに立ってキーボード弾く姿は本当に嬉しそう)
苗場では『ゴーストライター』で唯一アップテンポの曲と言っていたこの曲
千里さんの歌も演奏もノリが良くてマイクを手でつかみ引き寄せて歌う姿がカッコいい〜(>_<)

ここで千里さんからステージセットのコンセプト紹介を含んだMC
大阪では『シークレット』でテンション上がりすぎて予定外のメンバー紹介までやってしまい
これが三時間ライブのひとつの原因だったかも!?(笑)
(おかげで板東くんだけでなく窪田さん、石村さんまで実は大阪生まれだったという事実が発覚)
今回のセットのコンセプトは「俺の部屋」で千里さんにとっての理想の部屋に必要なものは三つあるらしく
「一つめは本棚」と言って棚に置いてある物を紹介して手に持って見せてくれたりする
「二つめは座り心地のいいソファ」と言いながらソファを指さす
「このソファはいつでも空いてますのでご自由に座って下さい」とニッコリ
「そして三つめはみなさんです!」に思わず客席から笑い(?)と拍手
『都合いい友達』
「別れても好きな人」「一緒にいるとダメな人」「別れるときはドロドロだったのに別れた途端気になってくる人」
この曲の紹介ではこんな発言がいろいろ飛び出し墓穴を掘りまくっていたような(^_^;
曲自体はCDと同じくおしゃれなサウンドでギターがカッコいい
間奏ではついつい千里さんも「Clap your hands!」と大きく手を上げクラップする
歌いながら『肩に手を伸ばして手のひらで』さすってみたり『ピンヒールの君』を指さしたり
千里さんも目の前にその風景を思い浮かべているような感じ
最後はギターサウンドのカッコいい演奏の中キーボードから離れソファに座ってカップの中の飲み物を飲みほしたり
(でもそのカップには元々何も注がれていなくて逆さにしてペロッと舌を出す千里さん)
テーブルの上に置いてあった赤い表紙の本をしばらく眺めてから並べてあるドミノを指ではじいて倒してみせる
(ZEPP FUKUOKAではソファに座った途端ドミノが倒れてしまい千里さんも苦笑)
『ドミノ』
続いて「人生の不思議を歌った」この曲
千里さん独特の軽い調子だけど歌詞は深いという典型的な曲で
アルバムからお気に入りの曲が三曲も続けざまに演奏されて私のテンションも上がる
コーラスの山岡恭子さん(以下やまきょう)の奏でるトライアングルの音がかわいいかと思えば
アウトロのドラムは力強くてカッコいい
やまきょうと窪田さんのコーラスもアルバムバージョンとはちょっとアレンジが違う

ここで「良ければ座って」という言葉が入り長いMCへ
会場によって内容は変わったりしていたけれど大阪はデビュー日だということもありデビューした日の思い出話
『WAKU WAKU』が置いてあるレコード屋さんを探して梅田まで行ってようやく見つけたこと
レジの後ろに大沢誉志幸さんとペアで売り出すためのジャバラ式POPが置いてあって
大沢さんは「クールモダニズム」とカッコ良い内容だったのに千里さんのはアイドルふうだったこと
スタッフの人に「十年に一人出るか出ないかのユニークな存在」と言われたこと
等など身振り手振りまじえての説明
ジャバラ話はUntitled Love Songsツアーのときも聞いたけどデビュー日だから良しとするか〜(‾▽‾)〜
名古屋では愛・地球博の話
大阪万博のときはかなり地元なので行きまくったらしい千里さん
千里さんぐらいの年代には万博という言葉は特別な響きを持つらしく明日早起きして行く!と宣言
既にパンフレットで行きたいパビリオンを物色していて客席にどんなだった?と聞いてみたりして下調べ十分
でも「大阪の人が、万博でええ気になんなよって言ってましたよ」の発言にビックリ
そんな話題は大阪では全然出せへんかったやん!
たまに何言い出すかわからないところが関西人千里さんのMCだったりf^_^;
アップテンポの曲が結構多い千里さんだけど「基本的にバラードシンガー」だそうで
『十人十色』も『REAL』もライブでは山高帽にステッキで踊ったりの派手な演出をしたこともあるけれど
出来た最初はバラードだった、と
そういった意味ではアップテンポの曲が少ない『ゴーストライター』は千里さんの原点でもあるのかも

『格好悪いふられ方』
Jazzyなバラードふうなんだけど去年のクリスマスディナーショーバージョンや苗場のバージョンとも少し違う
ドラムとベースが刻むリズム、ギターのフレーズ、そしてピアノが絶妙なバランスで混ざり合っている
エンディングでギターがなぞるサビのメロディが切なさを増幅させる
この曲はいわゆる千里さんの代表曲としてタモリさんも真似をするぐらい有名なんだけど
(たまに千里さんの真似をするタモリさんの真似をしてサビを歌ってみる千里さん。かなり似てるのが笑える)
こういうアレンジになると千里さん曰くの「男の叫び」がオリジナルより静かなだけに際だつ感じ
「もし『ゴーストライター』にもう一曲入れるならこの曲を入れたかった」
『ゆくとしくるとし』
本棚に置かれたランプが一つ一つポッとついていく
その中で千里さんはピアノに触れず手を膝の上に置いたまま囁くように歌う
『格好悪いふられ方』の主人公と同じ男が何年か経った後に慈しみの気持ちを込めて歌っているのがこの曲なんだと言う
タンバリンのリズムも心地よく耳に入ってきた
(「トゥルルルルッ」っていうのが「どうやって叩けばあんな音になるんだ!?」と私の周りでは話題になっていた)

同一人物でありながら正反対の心持ちを描いた二曲が歌われたあと最近の心境やアルバムに関するMCが始まった
デビューして20年を超え新しいアルバムを作る時はキツイだろうと漠然と考えていた
20代の頃からいろんな山を登ってきたけれど
これから登る山は20代に登っていた山よりも遙かに高くて困難なように思える
♪もう若くはない苛立ちを と歌った20代の傲慢さ
37、8歳の頃PAGODAでこの曲を歌って涙が出たこともある
ただ僕の代表曲はこれから作る曲にあると思っている
ニューアルバムはソングライターとしての僕が40代の男にもし曲を書くとしたら
どんな曲を作るのか?どんな歌を歌わせたいのか?そんなことを考え作った一枚
その結果アップテンポな曲が少ないアルバムに仕上がったけれど
いろんことがあっても平気な顔して頑張って生きてる大人の人が聴いたときにちょっと元気になれればいいと思っている
また今回はソングライター大江千里とシンガー大江千里の癒着を断ちきったアルバムでもあり
ボーカルもブランケットをかぶったり寝ころびながら歌ったりいろんな録り方をした

『ペルセウス座流星群』
大人になって忙しさにかまけ昔のことを忘れかけている中ふと過去を思い出し切ない気持ちになっても
それでも振り返らずに前向きに進んでいく
そんな大人の曲の曲だと思う
やまきょうのコーラスが美しく切ない
最後には後ろに星空が広がりステージ全体がふーっと浮かんでいく浮遊感に包まれる

ここからはメンバー紹介
まずは若干21歳T-SQUREのドラマーでもある板東慧くん
ステージの上で話をするのに慣れていないので初日にはマイクを取る仕草も初々しい(笑)
そんな板ちゃんを何とか喋らせようと頑張る千里さんだったけど大阪人とは思えない寡黙さはなかなかに頑固だったようで(^_^;
キーボードはシンガーソングライター山岡恭子さん
キーボード以外にも、というよりキーボードよりコーラスとパーカッションで大活躍
MCの話題はその白すぎる肌から顔パックが中心
ベースはレコーディングメンバーでもありNew Ponta Boxのベーシストでもある石村順さん
こちらもあまり口数が多い方ではないけどボソッとたまに笑わせてくれる
そしてギターはレコーディングメンバーである窪田晴男さん
ツアーと同時に全国を回っていた「まるごと千里ナイト!!」でも千里さんとずっと一緒だったので
ほぼ一ヶ月間千里さんと旅をしていたようなものだけど
10年以上も前からの知り合いということで千里さんに対するツッコミも
ステージの上じゃなく居酒屋で飲みながらのような雰囲気で面白かった(笑)

MCの途中から雨の降る音がサーッと聞こえてくるとメンバー全員がグッズの黄色いレインコートを着こみ出す
窪田さんは音が聴き取りにくいせいかフードを耳にかけている姿がかなりおかしい(笑)
千里さん曰く目が悪いと雨の日にタクシーが空車かどうかわからないし
妙なところで頭をぶつけたりする失敗も多いらしい
だけど自分では欠点だと思っていたことが他の人から見るとチャームポイントだったりすることもあるよね、と
ちなみにグッズのレインコートはスタッフに「どぎつい黄色とレモン色とどっちがいいですか」と聞かれ
「そんなん、どぎつい黄色に決まってるやん」と答えたけれど(←原色好きな関西人)
この色のせいで売れ行きが悪いと言われているとか(^◇^;
『黄色のレインコート』
雨の音だけじゃなく背景もサーッと小雨が降っているような照明に変わる
この曲では最後の千里さんのスキャットが聴きどころ
『黒のオルフェウス』
前の曲が終わると同時にそそくさとレインコートを脱ぎ捨てたメンバーが演奏を始めたのはノリのいいこの曲
ここから後半の盛り上がり!って感じで客席もみんな立ち出す
照明も赤と緑で情熱的
間奏で交互に入るギターとピアノのソロやエンディングでの板ちゃんのドラムがカッコいい!
苗場でもマイケル河合さんのドラムで聴いて「カッコいい〜」って思ったけど
また別のカッコ良さが今回のアレンジにも感じられた
『PIANO MAN』
客席の手拍子もだんだん激しくなり千里さんのピアノもかなりの激しさ
テンポもどんどん上がっていく
『未来乗車券』
イントロでは何の曲かまったくわからないほどアレンジが変わっていて
意外だったけどかなりカッコいいアレンジに仕上がっていた
それとは裏腹に千里さんの顔芸が面白すぎて
(ばあちゃんぽく顔をしわくちゃにして赤い口紅を塗る仕草やじいちゃんが耳が遠くてハァッ?って聞いたり)
なぜか腹を抱えて笑ってしまった
最初はゆったりと大人しい演奏もサビになるとここぞとばかりに大音量
千里さんもノッてきてチーフを投げ捨てジャケットも脱いでポーンと投げてしまった
この曲でもバックには星空が広がった
『ジェシオ'S BAR』
こんなに続けて大丈夫か!?と思えるほど千里さんのピアノとボーカルが絶好調
観てるこちらも汗びっしょり

『母の手』
この曲は千里さん自身の喪失感を書いた曲で
アルバムでも最後の曲だけれどツアーでも最初の曲順ではそうでなかったのに結局最後にきてしまったとか
その喪失感の内容については会場によってはっきり言ったり言わなかったりしていて
大阪で言わなかったのはやはり地元だからあえて言わなかった(言いたくなかった)のかとふと思った
だけどこの曲は昔を回顧するのではなく前に向かうために作ったというふうに千里さんは言った
アルバムと同様に静かに始まりエンディングもアルバムと同じように音が徐々にピアニシモになっていって
そのままフェードアウトしていくのかと思ったら千里さんがピアノをバーンと弾いて終わる
その終わり方が本当に終わりなんだというやるせなさが伝わってきて胸がしめつけられるよう
演奏が終わるとステージの少し後方に立った千里さんと
それぞれの楽器のところで立ったメンバーが深々とお辞儀をして退場していった

アンコールで飛び出してきた千里さんは本編とは対照的にカジュアルな装い
ロールアップしたジーンズに革靴、そして花柄のシャツにピンクの帽子
(この帽子がちょっと浮いてる感じがして頭を余計に大きく見せていたような(^◇^;)
『エールをおくろう』
『YOU』
定番の曲もアレンジが変わると新鮮
だけどもうちょっと踊りたかったかな〜f(^_^;
『ゲームオーバー』
「今回のツアーは僕にとってチャレンジだったけど、それをみんなが受け止めてくれて嬉しい。
これからもいろんなチャレンジをしていくと思う。
だけど大江千里はこれからも笑いながら切ない歌を歌っていきます」
そんな千里さんの力強い宣言に客席から拍手が起こった
そしてアルバムの中でそれこそ笑いながら切ない最も大江千里的と言っていいこの曲が歌われた

アンコールに応えて再登場した千里さんはグッズの「君」Tシャツに着替えていてシンプルな感じ
『君』
最後の最後は千里さんの弾き語りでこの曲が歌われた
この曲は千里さんの話し声に近い低音といつもの張った高音の両方が聴けるのが魅力
(広島ではこの後もアンコールを続けた結果あいさつだけだったけど出てきてくれました)

今回のツアーは実にMCが長かった
これだけ長いともう少し短くして曲をあと数曲歌って欲しかったなと思ってしまうのは正直な感想
ライブ自体の流れは良かっただけに残念
でも毎回カンペを作ってまで話す千里さんの姿を見ていると
本当に伝えたいことがいっぱいあるんだなぁと思わずにはいられなかった
シンガーソングライターっていうのはある意味自分の人生を切り取って曲にして歌っているようなもんだと思う
千里さんはいつも「等身大」と言うけれど
20年目から21年目の二年間をかけての20周年のお祭りが終わった後に
どんな曲を作り歌っていくのか
それこそいろいろと悩み迷ったのではないかとMCを聞きながらそう思った
40代も半ばに入り年相応にいろいろ感じることもあっただろうしお母様を亡くされたり
でも千里さんはまたアルバムを作りツアーを回り私たちの前に笑顔で現れてくれた
「本当にアルバムが出来るのかと思ったけど待っていてくれる人がいると思ったから作ることが出来た」
「次はこんなに長く待たせないですむと思う」
ファンとしてはその言葉を信じて待つしかないのかな

<おまけ>
大阪公演のときに会社の同僚のためにCD『ゴーストライター』を買ったら
サイン色紙がついてきました♪



名前の上に「new」って書いてあるのはデビュー日だったから?
どうやら他の公演でのサイン色紙にはこの「new」の文字はなかったようです
右上には連番が振ってあって私のは4/50になっています


☆パンフレット☆
郷須戸雷太氏のアルバム全曲解説が載っています
郷須戸雷太氏って誰かすぐわかりますよね?
写真は千里さんが花や果物を買って誰かの家に遊びに行くといった感じ
パジャマ着て朝食を食べたり普段着で犬とたわむれたりしているので彼女の家でしょうか(笑)
でも最後は人目を忍ぶように帰って行くのが謎
マスコミにバレないようにってことでしょうかね〜
久々に写真が気に入ったパンフレットです

☆メンバー☆
Guitar : Haruo Kubota
Bass : Jun Ishimura
Drums : Kei Bando
Keyboards : Kyoko Yamaoka

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