2001年12月22日
東京グローブ座
1 | きみと生きたい |
2 | This is my life |
3 | 群衆の中で |
4 | 真冬のランドリエ |
5 | ふたつの宿題 |
6 | BAY BOAT STORY |
7 | グローブ座の一日 |
8 | 隣は女性楽屋 |
9 | ピースに効く薬 |
10 | ビルボード |
11 | maybe tomorrow |
12 | ありがとう |
13 | 未来 |
E1 | This Christmas |
E2 | MAN ON THE EARTH |
E3 | クリスマスソングメドレー |
E4 | BEDTIME STORIES |
9公演の予定だったPAGODAPIA IVに追加公演があると聞いた当初は行かないつもりだった
仕事は休みだから行けないことはないけど
一般発売でのチケット争奪合戦に加わりたくなかった
なのに行ってしまったのは追加公演がPAGODAPIAとはまったく違う内容で
しかも珍しく千里さんひとりでステージに立つというものだったから
チケット確保合戦に加わりたくないと言ってたわりには楽々と1階前方のチケットをゲットし
23日からの上京予定を1日繰り上げて東京グローブ座に向かった
ステージセットは基本的にはPAGODAPIA IVと同じで
(前日、翌日とも通常公演だから当たり前といえば当たり前)
ステージ中央にピアノがセッティングされ周りをホワイトツリーが囲んでいた
千里さんは飲み物が入った紙コップを手にさりげなく登場
『きみと生きたい』
ピアノの前に座り紙コップを置くと挨拶もほとんどなしにまずこの曲の弾き語り
『This is my life』
そして続いて久々のこの曲
FANTASIC LANDへの旅がテーマとなっているPAGODAPIA IVとはかなり趣の違う選曲
この曲が終わってようやく挨拶も含めたMCへ
「今日の公演、PAGODAPIAと間違って来た人はいませんか?」
「PAGODAPIAの方はいつも通り派手にやってます。僕も41歳にして足がよく上がるものだから」
「12kgのダイエットに成功したのでこれみよがしな衣装を着てたり」
演出に気を回さないで済むぶん口はなめらかなご様子(^_^;
「PAGODAPIAとは違ったことをしたくて追加した」けれど
「実はこの日を追加すると21日から5日連続で歌わなければならないことに気づいてなかった」そうで
「スタッフからよく考えてくださいと言われた」けど
「いつもあんまり考えてないので」と追加を決めたらしい(笑)
『群衆の中で』
Solitude TOURのビデオに収録されなくて悔しい思いをした大好きなこの曲が今日演奏されて嬉しい(*^-^*)
『真冬のランドリエ』
この曲は15日のPAGODAPIAで聞いたばっかりだったので
同じ日替わり弾き語りの曲から選曲するなら聴きそびれて悔しかった『10』が良かったな〜
ここから結構長いMCへ
やはり口はなめらかなよう…(^_^;
一つ目の話題はスタジオに向かって運転しているときに郷ひろみさんと東儀秀樹さんに会ったこと
まず最初に会ったのは郷ひろみさん
渋滞してブレーキもひいてる状態だったので大好きなメロンパンを食べていると
ふと横の車を見たら運転しているのが郷ひろみさんだった
こう見えても僕は郷ひろみさんに曲を提供したこともあるんで
ここで『COOL』だと思うでしょ?その用意はありません(笑)
(弾き語りヴァージョンの『COOL』が聴きたかった〜>_<)
「郷さ〜ん」と呼びかけたけど反応がいまいちだった
よく考えると手ぬぐいを頭と首に巻いたジャージ姿という格好で僕だとわからなかったんだろう
僕もコンサート後に車で移動中に知り合いの人に車から呼びかけられると
「おっかけか?まかなくちゃ」と思わず思うこともあるからあまりしつこくしちゃいけない
徐々に車が流れ出し気づくと郷さんの車が僕の真後ろで
まるで僕が郷さんを先導しているかのようだった
高速を降りるために郷さんの運転する車と離れていくとき郷さんが僕に手を振ってくれた
たぶん僕が誰かとは気づいてなかったんだろうけど
それでも手を振ってくれたことが嬉しかった
そのあとスタジオに向かって(もう既に遅刻していたので)飛ばしていたら
今度は東儀秀樹さんの運転する車の隣になった
同じ日に二度もこんなことがあるなんて誰も信じてくれないだろうけど実際にあったこと
さすがに東儀さんは車を運転していても雅やかな雰囲気が漂っていた
そのうち東儀さんの車とも離れたが
スタジオに着いたら東儀さんの車が停まっていた
どうやら同じスタジオに向かっていたということだったらしい
二つ目の話題は高校生のときに初めて彼女の手を握ったときの思い出話
どうやったら彼女の手が握れるんだろうと悩んでいたけど
クリスマスの日に並んで歩いていたら手が何度か当たって自然に握ることができた
でもそのときの彼女の手は汗ばんでた
握るまではどうやって握ろうか悩んでいたのに今度はどういうタイミングで離せばいいのか
おもむろに手を話したら彼女はもしかしたら
「私の手が汗ばんでいるからだわ」
と思って自殺するかもしれない(←かなり妄想入ってます^_^;)
彼女から離すまでは絶対僕から離したりしちゃいけない
とか考えているうちにいつも日曜学校に通っている教会に着いて
中に入ったりしているときに自然と離れた
その教会で牧師さんが僕たちのために特別にミサをしてくれた
思い返すと30代の頃は等身大の曲を書くことばっかりにこだわっていた
でも40代は少し違う気がする
もし今恋愛をするなら10代の頃のようなピュアなものになるかもしれない
ジャケットを脱いでブルーのチェックのシャツにベストという格好だった千里さん
このMCを喋ってる間に急にピョンピョン跳びだしたと思ったらバサッと何かが床に…
「すみません。ホカロンが出てきてしまいました」(笑)
グローブ座がどんなに寒いかは知らないけれど普通は本番前に取ってくるものでは?(^_^;
『ふたつの宿題』
10代の頃の思い出がいっぱい詰まっているということで選曲
『BAY BOAT STORY』
かなり久々のこの曲だったけど千里さんも自分で言った通りオリジナルからかなり変形されていた
実はここからがPIANISMだという千里さんの言葉
どうやらPIANISMとはピアノ弾き語りではなく歌詞がないピアノだけで表現する曲を演奏することらしい
1曲目が始まる前にピアノの鍵盤の前のマイクスタンドをグイッと向こうに押しやる姿に客席から笑いが漏れる
『グローブ座の一日』
まずはアジアンな曲調で混沌とした新大久保駅前を表現
そこを通り過ぎるとグローブ座に到着しゆっくりとした優雅な曲へ
まだ公演までに少し時間があるようで時間がゆったりと流れるなか千里さんはストレッチをしたり…
そこへゴージャスな雰囲気をまとった濱田さんが登場
本番が近づきスタッフが忙しく立ち働く
そしてPAGODAPIA本番!盛り上がりの絶頂へ!
どんなに派手な演出のライブでも終わるとまたひとり
という展開の曲でかなり長めで真剣に楽譜を見ながら演奏する千里さん
『隣は女性楽屋』
あれは忘れもしない名古屋レインボーホールでのコンサートの日
スタッフの一人が別のツアーにも参加していて
「千里さんに新鮮なさば寿司を送りましたから〜」と電話があって楽しみに待ってた
でも待てど暮らせどさば寿司が届けられる気配はない
隣の女性楽屋からはすごく楽しげな笑い声が聞こえてくる
「まさか?いや、でも」と思い切ってドアをノックして楽屋に入ったら濱田さんはじめ女性スタッフが勢揃いしていて
「千ちゃん、入っておいでよ〜。ほら、さば寿司。もう残ってないよ〜」
という言葉に愕然
その時に吐いた歴史に残る明言が
「いいよ、いいよ。僕が主役になれるのはステージの上だけだから」
現在の僕の楽屋は(下手を指さして)スピーカーの下あたりで
隣が濱田さん、ちさちゃん、明石さんの女性楽屋でやっぱりなんか楽しそうでキャハハと笑い声が聞こえてくる
スタッフも僕の楽屋を通り越して濱田さん詣でがあって
「着替え終わりましたか〜?」というスタッフの声に僕が「は〜い」と答えるんだけど
実は僕にじゃなく濱田さんに聞いたものだったりすると聞いたスタッフも答えた僕も気まずい
こちらの男子楽屋は、といっても僕一人だけど、なんかシーンとしていて
その対比を曲にしてみた
という長い長い前説のあと始まった曲は「まずは男子楽屋から」というもの悲しい曲調
ピアノを弾きながらメイクをしたり眉を書いたりの仕草をする千里さん
ピアノは上手に向かって置かれているのでピアノを弾く千里さんも上手に向かっているのだけど
下手側の女性楽屋から楽しげな声が漏れ聞こえてくると気になる様子
紙コップの飲み物を飲みながらでも急に笑い声(ピアノで表現)が聞こえるとさっと振り返ったり
空になった紙コップを壁に当てて様子をうかがったり
役者大江千里の本領発揮(^_^;
真面目な顔で、しかもピアノを弾きながらやるものだからみんな大爆笑
『ピースに効く薬』
持ち歌が少ないので(笑)PIANISMもこの曲で終わり
21世紀になってちょっとはいい年になるかと思ったら相変わらず戦争があったり
潤うところは潤って、そうじゃないところはそうじゃない
僕の心の中にも人と争う気持ちがあったりする
そう言う心につける薬はないかと思って曲を作ってみた
即興性を残してきたというこの曲を千里さんがどんなイメージで弾いたのかわからないけれど
私には少し悲しげにきこえた
どちらかというと「ピースに効く薬」はこの世に存在しないのかなという絶望感が漂っているようで…
『ビルボード』
『ピースに効く薬』からイントロなしで引き続き大好きなこの曲へ
『maybe tomorrow』
イントロが『This is my life』だったので「あれ?もうやったのに」と思っていたら
歌い出すと違う曲(^_^;
『ありがとう』
ただしオリンピックイヤーじゃないので歌詞は『たとえばもっと』バージョン
『未来』
そして最後は少しファンタジックな雰囲気のあるこの曲が演奏された
PAGODAPIA IVが現実を忘れてひとときのファンタジーの世界への旅を楽しむことがテーマだとしたら
その間に追加されたPIANISMは反対に現実を見据えた曲が選ばれていて
でもそれは後ろ向きなものじゃなくて前を進もうとしている曲たちで
PAGODAPIA IVもPIANISMも千里さんの今の気持ちがストレートに出ている選曲なんだなと感じた
MC以外はずっとピアノの前に座って弾き語りというコンサートだったので
当然客席の私たちもいつもとは違って席にずっと座っていたら
グローブ座は思ったより寒くて(PAGODAPIAのときは暑いのに)
みんな冷え込んだのかアンコールの間にロビーに走っていく人たちが多かった(^_^;
『This Christmas』
ピアノ弾き語りでのこの曲はCDやPAGODAPIAとはまた違った雰囲気で新鮮
『MAN ON THE EARTH』
そしてPAGODAPIAでは歌われていないクリスマス定番のこの曲での千里さんはなんとなく楽しげ
『クリスマスソングメドレー』
再度のアンコールに応えて千里さんが再び登場
誰でも知っている有名なクリスマスソングばかりのメドレー
テンポのよい曲ではみんなが手拍子
このあと千里さんはマイクを通さずに生声で結構長い時間をとって今の気持ちを語ってくれた
傷つかなくていい人がこれ以上傷ついたり死んだりするのは違うと思う
音楽でできることは少ない
でも僕は僕の歌を歌っていけばいいんだなと思った
それで何ができるかっていうと何もできないかもしれないけど歌い続けていきたい
「あ、よかったな」と思える瞬間を大切にしたい
ひとつひとつ慎重に言葉を選びながら時には詰まりながらだったけど
その言葉と姿勢は真剣で自分の気持ちを私たちに伝えようとしているのがわかった
『BEDTIME STORIES』
最後は「クリスマスに限らず大切なときに大切な誰かに向かって歌って欲しい」というこの曲
ステージの上にあるミラーボールに反射した照明が雪のように千里さんに降り注ぐ
その照明をずっと見ているとまるで宙に浮かんでいくような感じがした
グローブ座全体がフーッと上へ昇っていくような浮遊感にしばらく浸った
千里さんがひとりでステージに立つとしても
メリケンパークで行われた「光のコンサート」のようにノリのいい曲もなかにはやるのかな?という予想ははずれ
最初から最後まで弾き語りというコンサートとしては初めての形だったけど
そのぶん千里さんの今の気持ちをストレートに感じることができたと思う
2002年はピアノ一本で全国を回りたいと言った千里さん
そのときはまた今日と違った新鮮な気持ちでその日選ばれた曲たちを聴いてみたい