英語の「読む書く話す聞く」という4つの能力で、最も大事な聞くことが一番苦手なのが日本人です。日本人はなぜネイティブが話す自然な英語が聞き取れないのでしょう。つづりを見れば知ってる簡単な英語でも聞き取れないのはなぜでしょう。
それは
自然なスピードで話される英語の音になれていないため
音の変化についていけない
からです。
英語は自然な会話で音が「弱くなる、短くなる、消える、抜け落ちる、となりの音に似る、別の音に変わる」といった七変化をします。こうした音の変化がたくさん起こり、しかも、それらが混ざり合うので英語のリスニングは難しく日本人には聞き取れないのです。
具体例をあげましょう。次のたった2行の会話のなかでも9つの音変化が現れています。
What am I going to do with this? (これどうしたらいいの)
@What am Iは「ワラムアイ」のようにつながる
AWhatの[t]は日本語の「ラ」のように変わる
Bgoing toはgonna(ゴナ)のように変わる
Cwith thisはwi'this(ウィディス)のようにつながる
Just put it on that table. (あのテーブルの上に置いて)
DJustの[t]は落ちる
Eput it on that tableは「プリッロンナッテイブル」のようにつながる
Fputとitの[t]は日本語の「ラ行」のような音に変わる
Gon thatはon'at(オンナッ)のようにつながり[th]は落ちる
Hon'atの[t]とtableの[t]が1つになって発音される
こうした変化する発音は学校で習った発音とはまったく別物です。特に単語と単語のつながりで[t]などの子音が大きく変化します。そのために知っている英語でも正しく聞き取れないのです。これが私たち日本人が文字を中心に目から英語を学んできた大きな弊害です。
学校などでは、このところ会話に重点が置かれてきてはいますが、こうした音の変化はほとんど教えられていないのが実情です。子供なら英語を聞くうちに自然と音変化の法則を理解して聞き取れるようになりますが、大人にはそうした能力は失われています。
大人には体系的なアプローチが必要です。そこで本書では
音の変化を7つの公式としてまとめ、57の法則を紹介
しています。各法則については、単語、語句、例文を豊富に掲載しました。このように英語の音変化を体系的にまとめてわかりやすく解説した本は初めてでしょう。
本書は次のように活用すればかなり効果があがります。
@音の変化を情報として知る
Aそれを耳で実際に聞いて確かめる
Bそれをモノマネして言ってみる
本書で音の変化の法則を情報として知り、法則を知ったら、自分でも同じように発音してみることをお勧めします。徹底的にモノマネするのです。音変化をそっくりにモノマネできると聞き取れるようになります。自分で発音できる音は聞き取れるという語学学習上の鉄則があるからです。
しかし、モノマネはあくまでリスニング力アップのためで、実際の会話ではきちんと正しく発音するようにしてください。音が変化した発音はネイティブが自然とするものであって、ネイティブの特権だからです。私たち日本人は、きちんとした正しい発音をするのに越したことはありません。
本書により、リスニングが上達し、ひいては会話や読み書きまでも上達することを願ってやみません。
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