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TOEICテストは英語による実践的なコミュニケーション能力を総合的に評価するものですが、私が受験した経験にてらしてもまさにその通りです。ビジネスおよび日常生活に関して実践的な英語力がないと正解できない問題ばかりだからです。
その出題の傾向を調べてみますと「言い換え表現」がかなり多いことがわかりました。そして答えの選択肢のうちで、問題にでてくる表現を別の形で言い換えた表現が「必ず正解」になっていることもわかったのです。
具体例をあげましょう。会話でも文章でも、たとえば次のキーポイントとなる文がでてくるとします。
Our sales were at a record high last year.
去年、我が社の売上は記録的な高水準だった。
この内容はどんなものかという問いがあれば、答えの選択肢の中には次のような文があるはずです。
The company's sales were the best last year.
去年、その会社の売上は最高だった。
a record highをthe bestで言い換えているとわかれば、すぐに正解になります。
では、なぜ「言い換え表現」が正解になるのでしょうか? それは
言い換え表現がわかれば内容を理解していることになるからで
実践的なコミュニケーションにつながるから
です。
これは実際の生活でも同じことです。相手の言ったことを別な表現で確認したり、相手がわからなかったら別な表現で説明したりしています。もう1つ具体例をあげましょう。
Woman: This software is user-friendly, isn't it?
このソフトはユーザーにやさしいわね。
Man: Right. It's easy to use.
ほんと。使いやすいよ。
Yes/Noで答えるのではなく、男性の発言のように女性の言葉をうけての「言い換え」になっていることがわかるはずです。
TOEICテストは、実際の生活のコミュニケーションをテストに反映させたものですから「実践的」なのです。そのテストが「より実際的」で「より実践的」な内容にリニューアルされ、「言い換え表現」も、これまでにも増して出題されることはまちがいありません。
●英語の言い換え表現の重要性
では、なぜ英語では言い換え表現が多いのでしょうか? それは
言い換え表現がかなり重要視されており
同じ単語や表現を繰り返して使わないほうがいいとされている
からです。その理由を私なりに考えてみました。
・言い換えることで内容を正確に伝え合う
・単調にならずバラエティに富んだ表現を味わい楽しむ
・言葉使いに知性と教養がでてくる
●本書が提案するまったく新しい英語学習法
言い換え表現を知れば、TOEICテスト対策だけでなく、実際に英語を使うときに大いに役立ちます。「使える!」本物の英語の実力がつきます。そこで本書では、TOEICテストの出題傾向を例にして、言い換え表現を徹底的にまとめて読者にお読みいただくことにしました。
キーポイントとなる文「キーセンテンス」と「実践!言い換え表現」をあわせると1000近くになりました。なお「実践!言い換え表現」は英語で
practical paraphrasesと言います。
「英語は英語で考えることが大切だ」と長年言われ続けてきました。単語を英英辞典で調べて理解するのが1つの方法です。しかし、読者も経験済みでしょうが、これには大変な努力が必要であり、なおかつ学習効率がよくありません。
ところが1つの文となった英語を別な英語の文に言い換えたものを読むというのはあまり苦労が要らず、かなり効率よい効果的な学習法だと思います。
本書は
英語で考え英語で理解しコミュニケートするための新提案です。
「言い換え」に着目した、まったく新しい英語の学習法です。
本書により、読者のみなさんが、短時間かつ効率的にTOEICテストなどでの大幅なスコア・アップと英語コミュニケーション能力の大増強を実現されることを願ってやみません。
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