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瞬間の記憶力 競技かるたクイーンのメンタル術 (PHP新書)

著者:楠木早紀
発行日:2013年1月7日


本の帯

表:畳の上の格闘技"競技かるた"クイーンが初めて明かす誰よりも強くなった理由

裏:けれど、競技が始まると、どちらかが札を取るたびに札の位置が変わります。
  札が移動するたびに、その位置を覚え直さなければなりません。
  このとき問われるのは、刻々と動いていくものを記憶する能力。
  つまり、「動体記憶力」です。(本文より)


内容紹介

競技かるたとは、文化とスポーツが融合した「頭脳スポーツ」「マインド・スポーツ」。
鍛えれば性別や体格、年齢に関係なく、相手に勝つことができる平等な競技として、
幅広い層から人気を集めている。
試合で並べられる50枚の札。直前に与えられた15分間ですべてを暗記する。
札が減るごとに全体の位置が変わっていく。その都度、瞬時に札の位置を記憶しな
ければならない――勝負は消去と暗記の繰り返しで決まる。
集中力、失敗した時の気持ちの立て直し方、切り替え方は日常生活でも役立つ。
15歳からクイーンの座を守り続ける勝負脳の極意を伝授。


目次
まえがき 競技かるたの世界へようこそ

序章 三十一文字の熱き闘い
 「競技かるた」ってどうやるの?
 強くなるための五つの要素
 誰にでも平等な競技
 運命の戦い
 極限状態で念じた札が詠まれる
 史上最年少クイーン誕生

第一章 古の詩情にひたり記憶力を鍛える
 誰でも「瞬間の記憶力」が高まる
 試合開始前十五分の使い方
 単純な暗記が楽しくなる方法
 四週間で百人一首を暗記するコツ
 記憶を強化させるためランダムに繰り返す
 「一字決まり」の「む・す・め・ふ・さ・ほ・せ」
 電光石火の取りの秘密は「決まり字」
 暗記はスモールステップで確実に
 札の好き嫌いに振り回されない
 写真を撮ったように再現できる「画像認識能力」
 脳をフル回転させる「動体記憶力」
 覚えたことを消去していく能力
 かるた効果で集中力と暗記力が身につくわけ

第二章 王朝びとがいざなう深い集中
 試合の始まりを告げる「序歌」
 読手が発する最初の一語に集中する
 「感じの速さ」を身につける
 「やる」と決めて一気にやるのがベスト
 慣れておけば、周囲の雑音に惑わされない
 競技かるたは視力より聴力
 読手の癖を気にしない
 直感で詠まれる札がわかるとき
 疲れてきても集中力をいかに上げるか
 無我の境地から生まれる高速の「取り」
 目の前の相手は対戦者ではなく「自分」

第三章 雅の世界の苛烈なかけひき
 至近距離で行われる心の攻防戦
 「遠山の目付」を心がける
 取り方にもかけひきがある
 並べ方は自分の特性を活かした配置が大事
 試合を優位に進める「攻めがるた」
 インスピレーションで決める送り札
 データよりも「今できることをやるしかない」
 自分基準をもてば相手を気にし過ぎない
 揉めたときは引き際を大切に
 自分らしさを保つために心を乱さない
 こだわり過ぎると自分の悪い面が出やすい

第四章 「しづ心」を求めて
 勝ちを意識すると隙や緩みが生じる
 高揚する気持ちをコントロール
 航海をイメージすると気持ちが落ち着く
 焦りや動揺が自分のペースを乱す
 お手つきはメンタルの状態を映す鏡
 ピンチのときの気持ちの切り替え方
 自分を客観視するための訓練
 「験かつぎ」は心を落ち着かせる儀式

第五章 私の「みをつくし物語」
 小倉百人一首かるたの歴史
 百人一首ゆかりの地を訪ねて
 意味はあとからついてくる
 負けず嫌いは子どもの頃から
 父と二人三脚の練習
 父の役割、母の立ち位置
 父が編み出したユニークな練習法
 習い事はすべて役に立つ
 最初で最後の反乱
 団体戦の醍醐味
 「一人練習」のメリット、デメリット
 仲間に支えられて永世クイーンに!

第六章 「燃ゆる思ひ」をかるたにかけて
 競技かるたの夢舞台、近江神宮
 クイーン戦ならではの緊張感
 礼に始まり礼に終わる「かるた道」
 女王たちの素顔
 憧れの女王と対戦
 競技かるた史上に残る名勝負
 西郷直樹永世名人との対戦
 タイトルへの責任
 練習は量より質
 教え合い、与え合いながら成長したい

あとがき

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