雨乞

 八坂村の大塚(だいづか)部落は旱魃(かんばつ)が続くと一ノ瀬の人々と呼び合って城の峯へ雨乞に出掛ける。皆蓑笠で頂上の雷電様の祠の前に円陣を作り、音頭取りが音頭をとると皆がそれにつれて次の唱え言をとなえながらめぐりめぐって雨乞いをする。
  聖山(ひじりやま)の権現坊、雨を降らせたんまいな。天竺天王龍たつやい、雨をふらせたんまいな。
  戸隠山の権現坊、雨を降らせたんまいな。
 これで降らなければさらに大岡村の聖山へでかける。聖山には大きさ畳二十畳敷ほどの池があって非常い水が美しく冷たい。この池の中で城の峯で行ったと同じことを行い、この見宇を瓶につめて持ち帰り産土神様の神庭へふりまくと雨が降ったという。


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