狐の話

 昔宮尾(みやのお)(八坂村)の某女がある時三原(みはら)へ蕎麦刈りに行った。帰りが大変遅いので、家内のものが心配して尋ねていって見ると、よしや窪という所で泥だらけになって田の中をはいまわっていたのを見つけた。早速家に連れ帰って介抱し正気になってから聞いてみると、よしや窪まで来ると変になり、空は真暗になって向こうがわからなくなり、体がふらふらすると田の中へ突き倒された。起き上がって道を尋ねて歩いているような気がしたがそれが田の中であったと。


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