狢(むじな)の話

 昔八坂村切久保部落の一翁庵(仁科堂)に瑞信という坊主が居た。その頃毎夜のように化物が出るので、付近の者が怖しがって夜は外へ出得なかった。午後10時頃になると皆寝静まって物音一つしなくなる。すると「ずいしん」と呼ぶ声が聞こえてくる。だんだんとその物音の起きる方へ行って調べてみると、狢が尾を節穴へ突き込んで入れたり出したりする音であったことがわかった。


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