狢(むじな)の話

 昔曽山(八坂村)の某が釜屋で芋を煮ていた。夜が更けるにつれて静かになり、火はあたりを明るくしててらしていた。先程から付近の墓場の方で何かごそごそ音がするのでその方をよく見ると、大きな獣が新しい墓を一生懸命掘って死骸を引き出して食っている。某は怖しさにおびえながら釜の火をどんどん焚いて夜の明けるのを待っていた。その獣は古狢であったということだ。


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