大姥山

山姥が金時を育てたといわれる岩穴(1987年5月撮影)
山姥が金時を育てたといわれる岩穴(1987年5月撮影)

 昔紅葉鬼人という赤い顔をした女が八坂村の一角の一番高い山に棲んでいた。この鬼人は有明山に住んでいた八面大王と恋仲になりついに大王のたねを宿した。月満ちて生まれたのが金時である。山姥や、紅葉鬼人や、金時が育った岩窟は八坂村の謎の岩窟として知られ、天井にある穴は越後まで抜けているといわれている。この山は神聖な山として女人が登れば必ず荒れると言われている。金時は成人してどうしたかはわからないが、母の紅葉鬼人は八面大王が田村将軍に頸をきられて殺されるやそれを悲しみ山を去って水内(みのち)の方へ行って舌を噛みきって死んだ。そこが鬼無里(きなさ)(上水内郡鬼無里村)である。山は金時が育ったので金時山と言いそこを流れる川は金時と熊に因んで金熊川と言う。旧暦4月1日には遠近から人が来て金時山大姥神社の祭をやるが必ず雨が降ると言われている。又女が一足でも足を入れようなものなら荒れるといって恐れられている。
 一説。八坂村大塚の北に仲間と言うところがある。ここに3つの乳房のある姥が住んでいた。人に見られるのが恥ずかしいというので上籠(あげろう)の北にある岩窟(間口14〜5間奥行4間高さ4間位)に隠れて住んで居た。


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