白山様の黄金の瓶

 八坂村西窪の真中に小さな白山(しらやま)様のお宮がある。その傍の大木の根元には黄金を入れた瓶が埋めてあって、朝早くやや東天の白む頃になると微(かすか)にささささと古金銀でも擦れ合うような音がするという。その音を耳にして起床すればその家は自然に繁昌するといわれている。昔村の某がこの宮の欅の木を一本譲り受け、杣に頼んで伐り倒しその木片を火に燃そうとすると、炭にもならず灰にもならず金糞のようになったという。
 またうすやき(食物)を頭にあげて白山様を御詣りすれば白癬(はくせん)がなおるともいわれている。


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