左右(そう)の観音様

 八坂村左右部落の塩平に仁科三十三番のお観音様がある。このお観音様は大変子供が好きで、子供のいうことなら何でも聞いてくださるという。あるとき子供がお観音様を持ち出して遊んでいるうちに手を取ってしまったことがあった。そこで近所の人が罰が当たるようなことはないかと口よせをして聞いてみたら、「手を取られて子供と遊べないから手をつけてくれ」といわれた。そこで早速手をつけてあげると今度は「手ができたから子供と遊べて良い」といわれたそうだ。またあるとき子供がお観音様を出して遊んでいるのを見て、近所の某が子供を叱って観音様を許の座へなおさせたことがあった。するとその人は罰が当たったのか大変病んでひどい目にあったということである。またこの観音様は耳・口・目・手・足等の病気や馬のけが病気等に非常な御利益があるという。


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