実録 キナバル山 登頂記  (2007.5.14〜5.18)

 初めての海外登山は、熟慮の結果、東南アジアの最高峰、マレーシアはボルネオ島の「キナバル山」(4095.2m)にしました。登山口から山頂までの標高差は2200mほどあるのですが、山小屋で2泊するため体力的な問題はないだろうと思いツアー参加を決断しました。キナバル山は世界自然遺産に指定されており、入山届提出、入山料の支払い、ガイドの随行が義務化されています。また、山小屋は予約制で、ひとり1つのベットが割り当てられます。山小屋のトイレは水洗でシャワーもあります。さらにポーター随行の快適登山でした。
 
【5/15】公園事務所(PHQ)登山口(9:55)→ラバンラタ小屋(15:55)
【5/16】ラバンラタ小屋(5:30)→山頂(8:47着、9:35発)→ラバンラタ小屋(11:35)
【5/17】ラバンラタ小屋(6:30)→マシラウルート分岐(8:00)→マシラウリゾート(13:15)

 

1日目:2007年5月14日(月) 成田空港から直行便でボルネオ島のコタキナバルへ
着陸後、飛行機を降りて
 ・・・ツアー参加者は男10人、女4人、添乗員さんは体育会系の女性でした。
 
はい、では皆さんお揃い頂きましたので、・・・
どうもお疲れ様でした。
 
先ほどお渡ししました出入国カード、あとパスポート、
こちらにてご準備下さい。
はい、それでは参ります。


旅行会社の旗に続いて、入国審査場へ
 
出入国カードですが、
もう一度サインをお確かめ下さい。
  
こちら、左半分は切り取られて、
右半分は戻ってきます。
荷物をお取りになった後、カスタムズと書かれた方が再度切り取られます。
最後に、この真ん中のデパーチャーと書かれた出国カードだけが残りますので、
最終日までお持ち下さい。


バスに乗ってホテルに向かう
 ・・・ここで、現地のツアーコンダクター(女性)と合流、最終日まで同行するらしい。
 
いま丁度(午後)7時ですね。
 
いまの道路状況ですと、
約10分から15分程度でホテルに到着ということですので・・・。
 
で、結構早い時間に機内食が出ましたので、
小腹がすいている方とかを、
ホテルに着いてから(レストランに)ご案内するということに致します。
 
明日の予定がですね、
5時モーニングコール、6時出発を考えているんですね。
 
で、夜寝る前に食べ物をたくさん食べてしまうと、
非常に眠りが浅くなりまして、
明日からトレッキングが始まりますので、
食事に行かれる方、調節して食べられてください。
 

        食べ過ぎて腹を壊すことがあるから注意しろ、と素直に言えばいいのに。
 
・20:00〜20:30ホテル隣の海鮮食堂で超簡単な夕食
 
2日目:5月15日(火)コタキナバル〜PHQ(公園事務所)〜登山口〜山小屋
 
・6:00 朝食後ホテル出発
・8:35 PHQ(標高1563.8m)着、キナバル山がはっきり見えました。(下の写真)
 PHQにスーツケースを預け、ガイド兼ポーターが2名、ポーター2名と合流しました。一人5kgまでの荷物をキッチリと計量後、ポーターに山小屋まで運んでもらいます。
 

PHQからキナバル山の全望

ポーター預けの荷物を計る
  
皆さん、ポーターにお預けになる荷物、こちらで宜しいですか?
→ はーい。
  
→ 荷物は1キロ幾らなんですか???
5キロまでは定額で入っているんですけど、
5キロオーバーは、1キロ7〜8リンギッド(230〜270円)くらいですね。

  
・9:30 PHQで登山手続き完了
 
お荷物の最終確認なんですけど、
(ここPHQに)残してゆく荷物(スーツケース等)がなかったのが○○さん、
(自分で全部の荷物を担ぎ)ポータ預けのお荷物がなかったのが□□さん、
あと、ポーター預けのお荷物にお名前が無かったのが△△(←私)さん、
でよろしいですか?

→ はい、はーい、はいっ。
 
私は、スーツケースをPHQに預け、デイパック1つをポーターに預け、もう1つを自分が担ぎました。
PHQに預けたスーツケースは、下山する日にマシラウまで転送されるようです。
 
→ 今日、雨はどうなの?
今日は明け方少し雨が降ったようですけど・・・?
 

登山ゲート(標高1866.4m)

最初は石の階段が続く

・09:55 登山ゲート着。山小屋までは標高差1400m、よく整備された道です。
・10:35〜10:42 カンディスシェルターで休憩
 
皆さん、少しからだが暖まったところで、
少しストレッチなどなさってください。


・11:05〜11:12 ウバーシェルターで休憩
・11:40〜12:15 ロウイシェルターで休憩、お弁当
 
おなかが減ったという方は、お弁当食べて下さい。
→ 食べよう、食べよう。
  

弁当はたったこれだけ

シェルターと呼ばれる休憩所
 
・12:50〜13:00 メンペニンシェルターで休憩
・13:45〜13:55 ラヤンラヤンシェルターで休憩
・14:50〜15:05 ヴィローサシェルターで休憩
・15:25〜15:35 パカケープシェルターで休憩
・15:55 ラバンラタ小屋到着
 

ラバンラタ小屋(標高3272.2m)に2泊

ひとり1つのベットが割り当てられる
  
・17:00 ツアーメンバー14人全員が男性部屋に集合
 

では明日の予定ですね、5月16日水曜日。
 
あ、今晩の私と▽▽さん(←現地ツアコン)なんですけど、
(寝るところが無いので)下の事務所のところに寝るか、
レストランのところにベッドを出してもらうことになると思うんですけど。
→ 
えっ、でも、予約してたんでしょ?
えー、実はひとつ足りなかったんです。
こちらに来てから何とかしようと思って来たんですけど、
いまちょっと混んでるんですね。
  → ・・・
 
えー、明日の朝食がビュッフェ形式になっていて、
7時半から10時半までなんです。
 
申し訳ないんですけど、
先ほどガイドさんなんかと熟考を30分くらいしまして・・・。
 
 もともと、早く朝食を開けてもらって
6時半出発を考えていたんですけど・・・。
 
昨日、PHQに8時半頃着きましたよね。
その時すごく(空が)クリアだったじゃないですか。
そして、そこを出発して9時半頃には少し雲がかかってましたよね。
登り始めの10時半以降は霧が多かったと思うんですけど、
ここ2、3日はそういう天気が続いているそうなんです。
キナバルのこのシーズンはこうだとは言えないので、
明日もそうだとは言えないんですけど、
明日もそうだと仮定した上でスケジュールを作りました。
 
(予定の)6時半出発ではもう遅いので、
5時出発で8時過ぎには頂上に着く予定にします。
 あー、それがいいね
そうなると、朝食はもう開けてもらえないんです。
皆さん、行動食とか持っていらっしゃいますか?
 
もし無い方は、私もカロリーメイトとかゼリー飲料とかを
少し持っていますので言ってください。
 
そういうものでカロリーを摂って頂いて、
登頂したあと帰ってからしっかりとお昼ご飯を
食べていただきたいと思います。
 

→ 朝、お湯はもらえるのかな
お湯は大丈夫です。(←実際ポットはカラで、小屋スタッフも不在だった。) 
 
→ お水は?
朝、売店はまだ開いていないと思いますから、
いまのうちに買っておいたほうがいいです。

 
・・・で、軽い食事で出ていただくので、
4時20分モーニングコールで間に合いますか?

→ はい、
 
→ (山に持っていかない)荷物はここ(ベッド)に置いといていいんだよね。
はい、連泊ですので、もう全部置いていって大丈夫です。
 
(朝は)もう明るいですか?
うっすらと、明るくなっています。
ヘッデンいらないかな?
でも、ヘッドランプは持ってきてください。
歩きはじめは暗いと思います。
最初は、今日歩いて来たジャングルみたいな道になりますので、
足元がかなり暗いと思います。・・・
 
・・・で、4時20分に、電話がありませんので、
ノックでモーニングコールします。

 
→ ウチの部屋の人、2時45分に行くって言ってました。
皆さんだいたい、それくらいに出発します。
皆さんが登頂して戻って来る時間に合わせて
朝食の設定がしてあるんです。

→ ああ、そうなの。
 
だから間に合わないというか、私たちがちょっと変則なんです。
で、何故この設定にしてあるかというと、
2時くらいから、すごく全員、今日登ってきた人たちが、
日の出を見に一気に登るんですね。
 
で、今日でも渋滞したのが、真夜中にヘッドランプをつけて、
今日より細めになる道を、みんな登るってことになるので、
ものすごく渋滞がひどいんですね。
 
やっぱりサヤサヤ小屋あたりから、上のほうの景色がいいので、
そういうのを楽しみながら登っていただくという設定にしてあるんですね。
 
ただ問題は、日の出が見えないということと、
日焼がかなりすごいということです。
→ ああ、日焼けもねぇ
 
ここから、頂上のローズピークまで約2.5Km、
3時間少々かかるかなと思います。
帰りは2時間半くらいだと思います。

 
→ 休憩場所はありますか?
サヤサヤ小屋が最後になります。
トイレもここが最後です。
ここから頂上まで2時間近くかかるんですけど、
その途中はすごく見晴らしが良くておトイレが無いということになりますので、
緊急におトイレに行きたくなったら困る地域です。
できるだけサヤサヤ小屋でおトイレに行っていただきたいと思います。

 
・18:00 夕食
 
 

3日目:5月16日(水)ラバンラタ小屋〜登頂〜ラバンラタ小屋
・4:10 朝起きると軽い頭痛がしましたが、身支度をするうちに気分が良くなりました。
・5:30 うす曇。 ラバンラタ小屋を全員元気に出発しました。
 
夜空ももうだいぶ明るくなりましたが、星がもう少なくなってますね。
4時ごろ外に出たときは、もうホントすごい星でした。

 いやー良かった、天気が。
 


未明の稜線

影キナバル
 
・6:50〜7:10標高3750m、サヤサヤ小屋付近で休憩
 
 サヤサヤ小屋から先は花崗岩の道です。目印のロープに沿って歩けば危険な箇所は全くないし、360度視界が開けているので、みんな自分のペースでゆっくりと登って行きます。
 
サウスピーク 森林限界を越えると「ロバの耳」が見える
・8:47〜9:35山頂

→ 素晴らしい。素晴らしい。
→ 最高、いやー最高。
歓声が続く・・・
 
 
頂上は、ローズピークと呼ばれている
  

山岳レース(クライマソン)の練習者

熱帯雨林に向かって下山
 
・10:35〜10:45 サヤサヤ小屋で休憩
・11:30 ラバンラタ小屋に到着
 
・17:00〜の夕食時に雨が降り出し、1時間もすると大荒れの雷雨になりました。
・19:00頃就寝
 
 

4日目:5月17日(木)ラバンラタ〜マシラウルート〜マシラウネイチャーリゾート
・4:30起床。天候は回復していました。
 

 
今日はマシラウリゾートのほうに下山します。
どうしても故障ですとか、
足が痛いとか、気分が悪いとかで、
マシラウルートに行けないという方は、
1番目に休憩をとった所、こちらから2つ目の小屋ですけれど、
そちらで仰って頂ければ、
来た道ですね、そちらのほうが近いですしアップダウンがないですから、
そちらに下りていただくことができます。
 
元々登り始めたゲートの所から車でリゾートまで送ってもらいますから、
1つ目の休憩のところで体調など考えていただいて仰ってください。
それでは、軽くストレッチなどされてから出発しましょう。
 
・6:30出発
・7:05〜7:15ヴィローサシェルターで休憩
・7:50〜8:05マシラウルートへの分岐で休憩
 

ポーターの女性は5kg×4コも運ぶ。


ウツボカズラ
 
・8:58〜9:10ロンボヨウシェルターで休憩
・10:00〜10:10ティカロッドシェルターで休憩
・10:53〜11:05ネベンサスシェルターで休憩
・11:35〜11:45バンブーシェルターで休憩
・12:30〜12:40スチーマシェルターで休憩
・13:15マシラウネイチャーリゾートに到着

 
 
4日目:5月18日(金) マシラウ〜コタキナバル〜クアラルンプール(乗継)〜成田空港


登頂証明書(登頂分とマシラウルート分)



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