ヴィゴ(VIGO Passion for Life)'98イギリス/フランス



出演:Romane Bohringer, James Frain
製作:Amanda Temple/Jeremy Bolt
監督:Julien Temple

(あらすじ) っといっても実在したフランスの映画監督の生き様を描いている映画です。 Jean Vigo(1905-1934)は父親のアルメレイダと同じ映画の道を選ぶ。父親はアナ ーキストで当時のパリではナチスの目もあり変わり者扱いされていた。そして政 府に反抗して獄中で「殺されて」しまう。そんな父に影響されたのかヴィゴ (James Frain)は映画作りに情熱を燃やしつつも結核のため、山奥のサナトリ ウムに隔離されてしまう。退屈でしょうがない生活の中で運命的な出会いをする。 同じく療養のためにサナトリウムにいるリデュ(Romane Bohringer)である。2 人は時を同じくしていくうちに互いに激しく愛し合うようになっていく。そして サナトリウムをとびだし、パリに戻って2人で暮らすようになる。  パリに戻ってヴィゴは暖めていた映画製作に没頭することになる。しかし、作 る作品は「アナーキストの息子」だからという理由でどこも上映してくれない。 こういった事が重なり、精神的・肉体的に限界となり、またサナトリウムへ送り 返されてしまう。しかし、捨てる神があれば拾う神ありで「アタラント号」とい う恋愛映画の話が持ち上がってきた。ヴィゴはリデュや多くの仲間の協力で撮影 を成し遂げる。あらゆるところに気を配り自分の納得のいくまで自分を投入した。 そのため、完成後に体を悪くして、29歳の生涯を閉じることとなる・・・その 後を追うようにしてリデュも数年後にこの世を去る。短い期間に激しく炎をあげ て生きていった人間の物語です。

(感想)
今年見た中では一番感銘を受けた映画です(今のところ)。何と言ってもリデュ役の ロマーヌ・ボーランジェが最高です!!ヴィゴの伝記みたいなものだけど画面展開も 軟らかくそして軽快で素敵です。私の好きな要素「貧困・挫折・美人(!)」がすべ てそろっていて嬉しい限りです。初めはいきなりヴィゴがサナトリウムに送り込まれ るところから映画が始まり、「???」的なところがありましたけど私好みの映画で す。それにしてもこのジャン・ヴィゴという監督は知りませんでした。何と言っても 4本しか映画を残していないのにフランスの映画界に大きな足跡を残したと言われて いるんですから。F.トリュフォーはヴィゴの「新学期操行ゼロ」に触発されて「大 人は判ってくれない」を作ったと言われている。1951年には彼の名を冠した「ジャン ・ヴィゴ」賞が創設されています。まあ、御託がともかく、これはとにかく「綺麗」 な映画です。



 

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