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科学的認識の進展による

二元論の復活


進化

進化は存在秩序の発展です。
存在は相互作用によって実現し、相互作用連関を構造化して存在秩序を発展させてきました。
宇宙の歴史な物質進化として実現しています。
物質進化は全体秩序が失われる過程で部分秩序の生成、発展として実現しています。
物質秩序も偶然を介しての必然を実現する秩序です。
宇宙の歴史の中で地球生命が誕生し、生命進化が実現しています。
生命進化は物質進化の過程での代謝秩序の発展です。
生物は生化学反応を構造化して代謝秩序を恒常的存在として実現しています。
生物は同化と異化による代謝系として恒常性を実現しています。
その恒常性を進化によって発展させてきました。
生命進化では物質進化より以上に、環境条件の多様性、変化の偶然性が作用しています。

進化の主体は生命です。
進化主体の問題として、遺伝子、器官、個体、種のいずれかを対象にしますが、生命を実現している物質代謝は相互依存の関係にあります。
一般的に種を区分として自然交配で子孫を残せるかをが基準としますが、有性生殖する種でなければ基準になりません。
具体的に進化を対象にするには、何を対象にしているかが問題になります。

生命進化の要因は変異と選択です。
生命の存在は代謝秩序の保存を絶対条件とし、代謝秩序が失われると生命は否定され、死にます。
しかし、代謝秩序は絶対的に不変な存在ではなく、変異します。
許容される変異は残り、有害な変異が生じれば代謝秩序は崩壊し、生物個体は死にます。
また、代謝秩序は同化と異化であり、環境条件での相互作用です。
変化する環境条件に適応しない代謝秩序は崩壊し、生物個体は死にます。
結果、環境変化に適応する変異のある代謝秩序が生き残ります。
要約するなら、生命秩序は多様化し、多様な秩序のうち環境条件の変化に対応した生命秩序が生き残ります。
環境条件の変化に対応した生命秩序の生き残りが適応であり、進化を実現します。
「対応」と「適応」を区別するのは「適応」には環境条件に合わせて変化する「意図」を連想してしまいます。
環境条件の多様性とその変化に対する多くの変異のうち、偶然対応する変異が生き残ります。偶然の対応ですが、より対応した変異が生き残り易くなります。
これが自然選択です。
有性生殖する種では番いの選択条件が直接的に作用し、自然選択よりも性選択が勝ります。
変異は遺伝子で生じ、選択されるのは遺伝子の表現型です。
選択される表現型は形態、機能だけでなく、基本的には代謝過程です。

自然選択は単なる偶然ではなく、現実の厳しい環境条件での実効性を試す基準です。
試された小さな多様化が蓄積して、膨大な系統へ分かれます。
人智の及ばない形態、機能をも実現します。
省エネの情報処理装置としての脳、昆虫の飛翔能力を真っ先に思いつきます。
集合知も実現します。人の意識も実現します。「神」も想像します。
それこそ生物の知恵、自然の知恵です。
進化の過程を振り返るなら、方向性が見え、適応と評価したくなります。
生物学者であっても、生物の形態、機能を何らかの目的を達するためと説明しがちです。
しかし、説明が分かりやすくはあっても、実際には形態、機能を獲得したからその役に立つのです。
肺だけが呼吸のための器官ではありません。
肺があるから呼吸ができます。
呼吸は外呼吸と内呼吸で成り立ちます。
肺がなくても昆虫は気管で、魚はえらで、植物は気孔と皮目及び呼吸根でも呼吸しています。
目的因による進化の解釈は後追いの論理です。
「何々のために進化した」は後追いの論理です。

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_shinka.
2023.10.06